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サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)をビギナー(初心者)でも分かるように分析します!

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【2024年1月1日】日本代表 対 タイ代表戦 は北中米W杯にも影響する!?招集メンバーと戦術的な課題とは

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2024.1.1 日本代表 対 タイ代表 戦招集メンバーと戦術的な課題とは

 タイのFIFAランクは113位ではあるが、次回北中米W杯で日本がグループリーグの上位2チーム(ポット1か2)になるには、上位のFIFAランキングに入ることが必要。さらに来年アジア杯でも勝敗もFIFAランキングに関わるため、負けることが許されません。

今後の日本代表戦は想像以上に重要!?北中米W杯のポットの行方とは

 北中米W杯からは参加国が32から48に増えたことで、グループリーグのポット分けの基準が変わります。過去に日本もW杯の参加枠が拡大したことで出場できた経緯もあります。

北中米W杯「ポット分けの基準」

 そもそもW杯ではグループリーグを決める際にポットと呼ばれる基準を設け、できるだけ強いチームがバラけるような仕組みになっています。

FIFAランキングと北中米W杯のポット分けの基準
ポット1は、開催国とFIFAランキングの上位16(7)カ国。
ポット2は、17(8)位から32(15)位。
ポット3は、37位以下。(16位から23位)。
ポット4は、(24位から28位)と、大陸間プレーオフの勝者2チームと欧州予選プレーオフ・パスAの勝者。

※(カッコ)内の文字は前回大会までのポット基準。
※出場国が拡大したため、ポット3位以下は全出場国が決まり次第決定されると思われる。

今回の選手選考基準「戦術の浸透とメンバーの底上げ」

記者会見の要約

森保監督「タイ代表戦では戦術のチャレンジ、個人のレベルアップを目指す。この試合が今後のアジアカップ北中米W杯予選にもつながる貴重な場だと信じています。」

以下質疑応答へ

記者「今回のメンバー選考の基準とは?」

森保監督「(選手の日程を含め)今回勝つために呼べるメンバーを集めました。今後選手が「過密日程や怪我、体調不良など」をうったえることを考えると、どんな状況でも勝つためのメンバーを呼ぶ必要がある。今まで呼べなかったメンバーを集めたことで、今後チームの戦力に加えられるようにするため今試合へ臨む。」

記者「板倉中村選手は怪我で実戦から離れているが、招集した経緯は?」

森保監督「スタッフと話し現地で現状を確認し、招集できると判断した。」

 

記者「今回の試合はアジアカップの選手選考基準にもなるのでしょうか?」

森保監督「今試合のパフォーマンスもアジアカップ選考に大きな判断材料となる。」

 

記者「前回までの試合から継続すること、変更することはありますか?」

森保監督「状況は異なるので一概には言えませんが、戦術の浸透、個人のレベルアップはアジアカップに向けて変わりません。一戦一戦を大事に技術的なことに加え、精神的なことも準備できればと思います。」

 

記者「GKでずっと呼ばれていた大迫選手が選外となった理由は?」

森保監督「怪我でチームと話した結果、選外となりました。」

記者「GKの野澤選手を読んだ理由は何でしょうか?」

森保監督「オリンピック世代の大岩監督の下で力をつけ結果を残し、J1でのこれからの伸びしろを期待して招集しました。試合に出るつもりでギラギラしたものを練習で見せてほしい。」

 

記者「伊藤涼太郎選手を招集した理由はなんですか?」

森保監督「良いプレイをしていたからです。日本代表として戦力になる選手を発掘する必要があり、得点能力に長けた選手だと判断しました。」

 

記者「ロールモデルコーチを入れた理由を教えて下さい。」

山本昌邦氏「二人は育成年代でのロールモデルコーチとして活躍し、内田氏はCLのベスト4にも出たトップオブトップの元選手で、コーチとしてSBが不在の為に招集した。中村憲剛氏は育成年代のU-17世代でロールモデルコーチを行っているために呼んだ。フィールドの中と外から見た声を聞くために招集した。」

森保監督「二人共代表経験があり、二人の持つ経験を現在の選手へとつなげるため、これからトップオブトップの選手へ近づくため、コーチと選手の間に入りコミュニケーションの拡大、技術と言った全てのことに磨きを掛けるために呼びました。」

 

記者「二人のロールモデルコーチはアジアカップに帯同させるのでしょうか?アジアカップメンバー招集の発表の日程は?」

山本昌邦氏「二人のロールモデルコーチはアジアカップへ帯同する予定は現状なし。メンバーの発表は元旦の試合後準備ができ次第すぐに会見を予定。」

 

記者「今後の日程を考えると普段よりも二週間前倒しにして調整する必要が出ますが、今後の調整はどの様に考えていますか?」

森保監督「確かに難しい調整になる。選手は長いシーズンを過ごしたので、しっかりと二週間休み、個々で28日からの練習に備えてコンディショニングをしてほしい。」

山本昌邦氏「補足として、アジアカップは全部で7試合。北中米W杯に向け本番から逆算し、各選手がリーグの日程から体調を管理する唯一の予行期間にできる。またスタッフが47試合の試合を分析するなどの予行演習には最適となる。」

 

記者「今回タイ代表を率いる石井正忠監督(56)のJリーグでの印象や今回はどのような試合を展開されると予想しますか?」

森保監督「クレバーな対策をされる監督で、我々のことを知っている石井監督と対戦は難しいことになると思います。鹿島時代は個々の良さを活かし、組織で戦う監督。」

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北中米W杯に向けた日本代表の課題

 北中米W杯に向け、日本代表にとってアジアは総合力を高める格好の場所。
サッカー先進国では必ずとも言えるシステム変更を習得し、実践するレベルにまで高める必要がある。

また全体のレベルを上げるために必要な技術はポジショニング。

見た目だけシステム変更を行っても各ポジションごとに正しいポジショニングができなければ逆効果になることも多い。

森保監督やコーチたちはポジショニングのズレを意識できているだろうか…

スタッフ-現状の課題を把握しているのか!?

現在の日本代表から監督とコーチは次のレベルへの課題を理解しているのだろうか?
日本代表はまだまだ強くなれるが、問題の把握と課題、解決策がなければ次のレベルへは発展できない。

監督:森保 一
コーチ:名波 浩
コーチ:齊藤 俊秀
コーチ:前田 遼一
フィジカルコーチ:松本 良一
GKコーチ:下田 崇
テクニカルスタッフ:寺門 大輔
テクニカルスタッフ:中下 征樹
テクニカルスタッフ:若林 大智

ロールモデルコーチ:中村 憲剛
ロールモデルコーチ:内田 篤人
※ロールモデルコーチの帯同は12/28-30までを予定。

セットプレイのアイディアをひねり出す船越優蔵コーチは招集しないのだろうか?

選手

 FIFAランキング113位のタイ代表相手なので、国内組であるJリーガーを優先するかと思われたが、「まさにフル代表」とほぼ言えるようなメンバーになった。

スペインとイングランドはリーグ戦真っ只中のため、久保、三笘、遠藤、冨安の招集は見送りになったと思われる。

GK-GKからのビルドアップに参加できるのか

前川 黛也(ヴィッセル神戸)
鈴木 彩艶(シントトロイデンVV/ベルギー)
野澤 大志ブランドン(FC東京)*初招集

 サッカー先進国では「GKからパスでビルドアップ」をする。そこにGKも参加する必要があるのだが、日本ではGKからつなぐためのシステム変更の習得はまだまだ先になりそうだ。
【参考】GKからパスでつなぐビルドアップのためのシステム変更

DF-ラインコントロールが課題!?

谷口 彰悟(アルラヤンSC/カタール)
板倉 滉(ボルシアMG/ドイツ)
森下 龍矢(名古屋グランパス)
町田 浩樹(ユニオン・サンジロワーズ/ベルギー)
毎熊 晟矢(セレッソ大阪)
伊藤 洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)
菅原 由勢(AZアルクマール/オランダ)
藤井 陽也(名古屋グランパス)

冨安「現状ではラインコントロールを板倉、冨安が行っているが、最終的な目標はボールサイドの人がラインコントロールを行うレベルまで持っていくこと。」

CBはラインコントロールに加え、システム変更を的確に行うことが目標。
特に3バック(3CB)や433のとき押し込んでアンカーがCB化するシステム変更のポジショニングの精度を高める必要がある。
【参考】数的有利を作るラインコントロール

SBはシステム変更が増えたことで役割が増え、特に偽SBなどサイドではなく中央でのビルドアップに参加する機会も増えてきた。
ビルドアップ、サイドでの攻撃参加などの役割をどこまでこなせるかがSBの課題となる。
【参考】SBが中央に寄る偽SB

MF-DMのポジショニングが中盤改善のカギ

南野 拓実(ASモナコ/フランス)
伊藤 涼太郎(シントトロイデンVV/ベルギー)*初招集
堂安 律(SCフライブルク/ドイツ)
田中 碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
奥抜 侃志(1.FCニュルンベルク/ドイツ)
川村 拓夢(サンフレッチェ広島)
佐野 海舟(鹿島アントラーズ)
細谷 真大(柏レイソル)

 現在、日本代表で戦術の進化を停滞させているのは、DMのポジショニング

ディフェンスラインからビルドアップをする際、今回は未招集だが、主に守田遠藤がボールへ寄りすぎてDFと重なり、数的不利を自ら作る状況からボールはサイドへ展開するしかなくなる。
またDFがディフェンスラインを上げたとき、DMも連動しなければならないのだが、全く動けていない。
早急的な解決方法は4-3-3のシステム変更で3バックにしてラインをそのまま上げることだが、恐らく谷口田中碧のイケメン組しかこの対処法はできないだろう。
日本代表のアンカーはイケメンポジションと言われそうである。
【参考】DMがSBのポジションをとり数的優利を作る戦術の欠点

 そもそもディフェンスをする際、二列になる現代のカテナチオが標準となったことで、CM(トップ下)が活躍する機会が減ったのだが、ディフェンスラインからサイドへ展開することで、中盤の中央でCMがボールへ関与することがさらに難しくなる。
【参考】堅守速攻の守備戦術「現代のカテナチオ」

そのため久保などはCMでもサイドへ寄ってプレイすることが多くなる。

右サイドでのプレイを得意とする久保としては決して悪いことではないのだが、CMが中央で中盤からビルドアップに参加させるには、DMがディフェンスラインへ寄りすぎてはいけないのだ。

CMが中盤から中央でボールを持つことで左右と中央へのパスの選択肢を持つことができるようになる。

現在は左右どちらかから攻め上がり、行き詰まったところで落として左右へ振り直し展開する疑似カウンターが上手くいっているだけなのだ。
【参考】疑似カウンターとは

 サイドが主戦場となった現代だが、原因はDMのポジショニングにもある。CMが中央で機能するには、DMも本来の機能をしなければならない。

現在個々の能力が高まったことで負け知らずの日本代表だが、世界の上位へ、特にベスト8の壁を破るには課題が山積みなのかもしれない。

FW-アイソレーション以外の戦術の拡大を!

浅野 拓磨(VfLボーフム/ドイツ)
上田 綺世(フェイエノールト/オランダ)
中村 敬斗(スタッド・ランス/フランス)
伊東 純也(スタッド・ランス/フランス)

 現在では三笘、伊東を中心にアイソレーション疑似カウンターが上手く機能しているが、組織的な戦術選手のフィジカル(身体能力)が向上したことで、FWにも総合的な能力も求められるレベルになってきた

現在では三笘と伊東のスピードしか目立たないが、DMのポジショニングが改善されCMが本来のポジションで機能した時、ようやくCF(センターフォワード)も機能することになるだろう。

日本だけではなく世界でストライカー不足と言われているが、理由は、オフサイドトラップ現代のカテナチオDMのポジショニングが悪いことでCMが機能できない。

 

攻撃戦術の中心はCMが理想

 最近鎌田南野久保堂安らが中央に入って機能できない理由は、DMのポジショニングに原因があった。これら問題が解決された時、初めて日本代表の真価、ベスト8の壁に到達することになる。

近そうで遠い北中米W杯までに真価を発揮できるようになるだろうか。

タイ代表戦は個人的に今後の日本代表の戦術の進化と真価を見極める一戦にさせてもらおうと思ったのだが、恐らくタイ代表ではそこまでのレベルに到達できないだろう。