サッカーの戦術ブログ

サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)を分析します!水・土曜日の19時更新目標!

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キーパーからパスでつなぐ戦術

 ワールドカップの試合を見る限り、日本代表の戦術は古い。
W杯が始まりドイツ戦の前半中にラインコントロールが時代遅れだと気づいたのだが、世界の戦術は他にも進歩していた。

現代サッカーの戦術は、不用意にボールを相手に渡すボールのロストを減らす傾向にある。
そのため局所的に数的優位(有利)を作り、ポゼッション(ボールの保持率)を高めるのだ。

世界の基準はキーパーからパスでつなぐ戦術

 日本では攻撃をする際、キーパーから大きく横に並んだ4バックの誰かへボールを渡そうとする。

この時4人が関わっているように見えるが、プレスを掛けられるとキーパーは大きく蹴り出すしかなくなるため、ボールロストの可能性が高くなる。

下図の左側。

世界ではキーパーからパスでつなぐ可変システムを採用

世界の戦術では「キーパーからのボール出し」ですら可変システムを採用し、パスでつなぐことを考える。上図の右側。

  1. ボールを展開するとき、GKとCBが一列に並ぶか巨大な三角形を形成する。
    SB(サイドバック)は一列上がる。
  2. 一列上がった両SBと中央で構えるDMが一列に並び、数的優位を作る。
    この際、相手のプレスにより中央で構えるDMのポジションは変わる。
  3. CB、SB、DMで数的優位を作れなければ、OMが降りてきてポゼッションに加わる。

日本もしないわけではないが、異様に近い。

グループステージ第1戦目 ドイツ

グループステージ第2戦目 クロアチア

スペイン戦の後半 仕掛けるべき日本代表のボール回し

 スペイン戦の後半開始早々、日本はボール回しを行うがそこでも日本の古い戦術が浮き彫りとなる。
一度右サイドへボールが寄って全員のポジションが変わったために違和感はある。

①まず下図、GKの権田からボールを展開するため、谷口が青矢印の方向へ開く必要がある。
GK権田、CB吉田、CB谷口、DM守田の4人でスペインのマーク3人から数的優位(有利)を作り、ボールを中盤へ展開する。

仮にCB谷口が開くとスペインのマークが引っ張られ、DM守田へボールが入りやすくなり白矢印の方向へパスを出して展開することができたかもしれない。

②ところが谷口は開かずGK権田と重なった状態になり数的優位を作れない。
そのためDMの守田が自分のマークから距離を取るためにディフェンスラインに入り、一時的に数的優位を作らざるを得なくなった。

DM守田が下がったことで青エリアに人が居なくなる。
本来は左サイドのWB三笘が下がってこなければならないのだが、何故か下がらない。

③DM田中もボールへ寄ったことで狭くなるが、CB吉田が水色矢印のループボールでCH鎌田につなげる。

この時点で三笘が青エリアに入ればCH鎌田も見えたかもしれないが、三笘が立ったままであるため恐らくどこにいるか分からなかったのだろう。
CH鎌田にボールが入ると分かった時点でWBの三笘は同じ高さ(画像で言う鎌田の画面真下)に来るべきだった。

④また鎌田は前を向くべきだったのだが向けず、赤矢印の下がってきたスペインのマークをかわすため、後ろにドリブルをする。

現在では鎌田が白矢印のように戻ってきてしまったが、谷口が開き、守田が青エリアを使うことができていれば、カウンターが成立していたハズである。
三笘は依然として立ったまま戻る気配がない。

⑤鎌田が谷口へバックパスをしたことでようやく三笘が戻り始めたのだが、日本代表は完全に自分たちから数的不利を作り出していた。

上写真でも分かる通り、谷口が開かないため、守田と谷口だけではなく、画面外のGK権田すら重なっていることになる。

上の写真であれば三笘は青エリアに入り、スペインのマークを連れ出す動きをするべきだった。

 三笘の動きは森保監督の指示である可能性もあるが、この一連の動きを見る限り三笘はビルドアップ(ボール運び)のポジショニングに問題があるようだ。
先発を長友にする理由は交代戦術のためだけではなく、ビルドアップのせいかもしれない。

各ポジショニングを図に書き直す

 上記一連の理想の流れを図にすると以下のようになる。

①CB谷口が大きく開くとスペインもプレッシャーを掛けに開き中央が空く。
中央にDM守田が下がり、数的優位を作る。

守田の空いた穴へSH堂安が下がり、CH鎌田が中央へ。
(実際はDM田中がCB吉田へ寄って、そのポジションがぽっかり空いてしまった。)
FW前田はボールサイドの中央へ寄る。

②全員がポジションを移動すると以下のようになり、ボールを展開する準備ができるようになる。

③GKからボールが出る場合の展開図。
 上記までは途中からの展開だったが、3CBでGKからボール回しが始まる時の理想の展開は以下のようになる。
 分かりやすい展開ではあるのだが、日本代表はまだそのレベルに達していないようだ。

CB吉田がCB板倉、谷口と中央で並ぶとGKの権田と重なるために数的優位にならない。
あくまでも板倉や谷口のラインよりも前にいる必要があり、WBの伊東と三笘が下がってCB吉田と並ぶ高さにいても良い。

勿論これらはマークを引き剥がしながら行うものであって、この位置にポジションを取って立っていれば良いわけではない。