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【カタールW杯 戦術分析】グループリーグ第二戦 コスタリカ

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 以前から「日本代表はなぜ格下相手に大量点で勝つことが少ないのか」と思うことが多かった。

コスタリカ戦でも開始5分で「日本の格上感」が出ていたにも限らず引かれたコスタリカに対して攻めあぐね、格上の振る舞いができない日本であった。

 

 

W杯 日本対コスタリカ戦(ABEMAプレミアム)

日本代表のスタメンと4231のシステム

上田
相馬 鎌田 堂安
守田 遠藤
長友 吉田 板倉 山根

 左右両サイドをできる相馬が入ったことでシステム変更が必要になった時に対応できるスタメンだと分析。

修正しきれない守備時のラインコントロール

 ドイツ戦の後半からラインコントロールの中心を板倉にをすると前半よりもラインが高くなり、吉田も山根も板倉のラインコントロールには付いていけた。

しかしコスタリカ戦では長友が相手のディフェンスラインの裏への走りを警戒しすぎたために下がり、従来の低いラインになってしまった。

低いディフェンスラインのせいで全体が間延びする

 ディフェンスラインが低くなってもFWは前線から追い回すため全体が間延びし、中盤でゾーンプレスの効果が薄くなっていた。

解説の本田圭佑氏も「(ラインを上げないなら)コスタリカがセンターサークル前まできてからプレスを掛けた方が良い」と指摘していた。

 長友から三笘に代わったのだが、伊藤が入ったことで崩壊する場面も散見した。
やはりドイツ戦の後半だけではラインコントロールを習得することは不可能だった。

FWが追いかけ回す根性プレス

 つまりゾーンプレスを機能させるには「ラインコントロールを高く設定し、相手にある程度攻めさせ中盤でゴチャつかせる」。
もしくは「ラインをハーフラインよりも高く上げてカウンターを受けないようにプレスをし続ける」である。

日本はラインが低いのにFWが追いかけ回し続けるために間延びして中盤を広く使われてしまったのだった。

格上の振る舞いができない攻撃戦術とシステム

 ワールドカップの試合を見る限り、日本の戦術は古い。
W杯が始まりドイツ戦の前半中にラインコントロールが時代遅れだと気づいたのだが、戦術の進歩は他にもあった。

戦術の世界基準はキーパーからの展開にも

システム変更を活かせない選手

 ポゼッションで世界有数のスペインは常に敵の間にポジションをとり、ボールの周りにいる人が常にボールへ関与できるようにする。
ボールに直接関与できない人は、その次に関与できるようにポジションを取る。
これを俗に三人目の動きと言う。

図.日本代表 脅威の5トップ

画像を見てわかる通り、日本代表は最初からラインに選手が多く入るため中盤が不在。
さらに敵の間に顔をだすタイミングも遅く、動き直しも無い。
見ている限り殆どのタイミングで動きすらしない。

【追記】日本戦でスペインがお手本の戦術を見せる
 日本代表はリンク先の戦術をやろうとしていたのかもしれない。

中盤を厚くすることでポゼッションを行う

 中盤でも「数的優位を作り、ラストパスのコースを増やして打開する」のがスペインなのだが、真似をしたいはずの日本は動き直せないためにできない。

 中盤でボールをキープできる時はFWだけではなく両サイドのSHやWBまでもが相手ディフェンスラインに入り込み、ボールウォッチャーになって攻めあぐねるのだ。

押し込んで裏が突けるのに…

 写真の直後はパスを出したのだが、不思議なことに相手ディフェンスラインに5人も入っている割には裏へパスをほぼ出さなかったことが驚きであった。
もちろん太陽に向かい遠近感が無かった可能性もある。

単調な試合展開の繰り返し

 日本代表は絶好のカウンターチャンスがあっても行えず、ボールをもったら相手が整うまで待ってから攻撃を始めるの繰り返しで、あたかも日本代表が絶不調であった「俺たちのサッカー」時代の再来だった。

詳しい試合展開は、以下のリンクから。

コスタリカ戦の詳細分析】

①コスタリカ戦の前半
②コスタリカ戦の後半