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【カタールW杯前 親善試合】アメリカ戦の守備戦術を分析する

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 ここで日本代表の戦術を整理する。ゾーンプレスによりボールを奪取し、素早い展開からカウンター速攻を成立させる。
速攻が失敗した場合はボールを保持(ポゼッション)してボールを回し、相手DFのほころびや弱点をつく、と言ったところだろうか。

W杯前の日本代表の攻守の現状

 アメリカ戦での細かい修正点を挙げるとキリがないのだが、特筆すべきはやはり最後のシュートへつなげる仕掛けやその直前の組み立てが明確に無い点だろうか。

まずカウンターからセンターFWがドリブルで仕掛けるシーンはほぼ無い。

これは素早い縦パスが出せていないことが原因なのだが、センターFWへの縦パスすら減った原因は、現代の守備戦術が進化したせいでもある。

世界で標準となった守備戦術のカテナチオ

 イタリア代表のカテナチオのディフェンス方法(442 or 4411)を全世界が標準でしていると言えば分かりやすいだろうか。
そこからカウンターを仕掛け、駄目なら4231や4-3-3、4141など各国の基本陣形に変形するイメージで間違いない。

 昔ほどラインコントロールが無くなったとは言え、442や4411の列ができることで守備が安定することになった。

日本代表はラインコントロールのない根性プレス

 ボールを奪われると近くの2~3人がまずプレッシャーをすぐに掛け、あわよくば前すらも向かせない。
さらに日本代表ファールとも言えないほど激しいタックルでボールを奪う。

 まるでその様は「オフト監督が日本に持ち込んだゾーンプレスの再来か!?」と思うほどで、最近では前回W杯前からブラジル代表が行っていた守備戦術だ。
ビリーは日本も何故やらないのかと思っていたのだが、ここに来てようやく始めた印象である。

攻守両面で全体の連動性を上げたい

 もっと正確なゾーンプレスをするためにはラインコントロールを行い、全体の上下や拡大縮小が機能すれば良いと思う。
しかし2005年にオフサイドのルールが変更されて以来、ラインコントロールを始めディフェンスラインと全体の連動性はまだ様子見をしているように見えた。

根性プレスから脱却したいが…

 結局根性プレスではあるが、この試合にはヨーロッパで輝く海外選手たちが躍動し、各チームで研鑽してきた甲斐があったと言えるだろう。

日本代表の攻撃への切り替え方は古い

 現在日本代表が行う攻めの初動は「SBとDMがポジションを変える」のだが、今更こんなことをしているチームはあるのかと不安になるぐらい古い戦術である。

ボールを保持(ポジション)できている場合は安定してボールを運べるが、この戦術は同等かそれ以上の相手には通用しないのだ。