気候への順応が想像以上に難しいらしく、国籍関わらずいつも通りには走れない模様。話を聞く限りグラウンドでも日向と日陰の気温差が激しいようだ。
また至極個人的な意見だが、恐らく前半から伊東が右SHで出ていたらボールロストが増えていたので改めて堂安で良かったと思うが、いまいちポゼッションができていなかった印象。
戦術南野を期待した
相手のディフェンスラインは足が早く、早々に裏をつけないと分かった。
であればゼロトップの覚悟で南野をFWとして後半から投入するのではと期待した。
最近中盤での動きがおかしい南野であったが、前を向いた状態での得点力は高いと評判である。
であれば前半ポストプレイの印象が強かった上田に変わり、FWとして南野を先に出してほしかった。
後半のスタメン
後半開始からメンバー交代。
・FW上田 → FW浅野
・DF長友 → DF伊藤
浅野
相馬 鎌田 堂安
守田 遠藤
伊藤 吉田 板倉 山根
ドイツ戦と同じシステム(フォーメーション)変更にも思えるが、CBとSBの両ポジションができる伊藤を入れて4231のシステムを採用した。
伊藤がCBになると、SH相馬とSB山根はWBに変わる可変システムである。
浅野
鎌田 堂安
相馬 山根
守田 遠藤
伊藤 吉田 板倉
後半 前半から中盤が不在の日本代表
恐らく後半は両チームリスクを背負った責め合いになるが、押し込めるがためにまた中盤が空くことになる。
日本代表がドイツで善戦できたのにコスタリカで苦戦をする理由の一つは、3-5-2で横に間延びしてしまっているからだ。
中盤が5なので横に広がることは予想できるが、このタイミングで画像を見ていただこう。
日本代表は脅威の5トップを継続中…
黄色い枠内のコスタリカ中盤5人に対し、日本の中盤はボールに関与できそうな人が約3人(吉田、守田、伊藤)。 青いラインのFW役に4~5人が並んでしまっている。
コスタリカがラインコントロールにより押し上げたため、日本はラインの後ろを狙うべきなのだが、狙いすぎて味方がライン際に4~5人が並ぶことで数的不利を自ら作り出している。
これでは後半全てをパワープレイにすると言っているようなもので、精度の高い攻撃になるとは思えない。
中盤でも数的不利を自ら作る日本代表
この場面になるまでにDM(ディフェンシブミッドフィールダー、ボランチ)の遠藤が下がるのだが、後ろ(画面右上)の板倉と重なることでさらに数的不利を作る精度の悪い動きをする。
相手ディフェンスのラインに人が多く入るのであれば、素直に相手GKとの間にパスを出すべきでなのだが、なぜか出さないのだ。
ちぐはぐな日本の戦術 監督と選手の差
もしかしたら監督と選手の間には多くの差があったのかもしれない。
選手たちは点が取りたいがために気が早るが、監督はポゼッションをするために中盤の選手を増やした。
ところが同格と思われたコスタリカ相手になまじ押し込めたため、その中盤の選手までもが前線へと気が早ったのだ。
その結果攻撃が単調になり、簡単にボールを渡す結果になってしまった。
伊藤の失態は後半から始まっていた
極度の緊張からだろうか?
ボールを持っていないときに開くべきところで開かず、前を向くところで向けず、ひたすらバックパスを繰り返していた。
一体なんのために???
この動きのせいで、コスタリカはマークやポジションがずれたときに伊藤へ回させることでリセットできたのだ。
正直この試合での大誤算は伊藤であったことは間違いない。
現時点でのシステムは以下なのだが、
浅野
相馬 鎌田 堂安
守田 遠藤
伊藤 吉田 板倉 山根
ビリーは『伊藤を三笘、相馬を右サイドへ、山根はSBからCB』と考えた。
山根がCBをできるかどうかが鍵であり、できなければ代えるしかない。
浅野 堂安
三笘 鎌田 相馬
守田 遠藤
吉田 板倉 山根
日本は選手交代を始める
ビリーがソワソワしていると森保監督も交代を始めたのだが、予想外だった。
●後半16分 選手交代
・DF 山根 → MF 三笘
ポジション変更
・相馬 左WB → 右WB
図は番組の予想システムなのだが、ビリーは以下の3-5-2ではないかと思った。
浅野 堂安
三笘 鎌田 相馬
守田 遠藤
伊藤 吉田 板倉
後から思えば、
浅野 堂安
三笘 守田 鎌田 相馬
遠藤
伊藤 吉田 板倉
でも良かったかもしれない。
●後半21分 選手交代
・SH堂安 → SH伊東
浅野
三笘 鎌田 伊東 相馬
守田 遠藤
伊藤 吉田 板倉
●後半24分 相手ファールでゴール正面でイエローカード
これはレッドカードでも良かったのではないだろうか…
緩慢な動きの伊藤が形となってあらわれる
代わって入った三笘や中盤の底に変わった遠藤へパスを出せず、ただバックパスを繰り返すだけ。
さらに代わって入ったのにラインコントロールも歩いてダラダラ行う始末。
もちろん失点に関しては吉田の中途半端なクリアが痛恨であったのだが、その後の伊藤のリカバリーの動きがなかったことは最もまずかったように思う。
滑って転んでいるところを見ると、もしやスパイクが芝と合っていなかったのか???
もしくは極度の緊張から呼吸もうまくできないほどだったのかもしれない。
●後半35分 失点
吉田のクリアミスから失点をしてしまう。
なぜ大きくクリアをしなかったのか。
日本選手交代 失点で南野投入
失点をする前から南野はスタンバイしていたのだが、プレイが切れて南野が入っていたら失点は無かったのかもしれない。
これは完全にタラレバなので意味はない。
浅野
三笘 鎌田 南野 伊東
守田 遠藤
伊藤 吉田 板倉
後半40分に到るまで、伊藤は三笘の良さを消し、遠藤や守田の攻撃性も潰してしまっている。
果たしてこんな選手だっただろうか?
上記のシステムを目指したのだろうと思うが、実際は守田が更に上がった状態でボールを求めるため、南野が一列押し上げられた感じであった。
浅野 南野
三笘 守田 鎌田 伊東
遠藤
伊藤 吉田 板倉
押し込みたいのは分かるが、相手GKとDF間に放り込まないのであれば、中盤でしっかりと繋いで両サイドからセンタリングを考えねばならない。
なぜボール運びをせずに相手ディフェンスラインで待ち続けたのか…
やはり気温に寄る体力管理だろうか…
数的不利を作る遠藤と立ち尽くす板倉
後半37:35~
紫マーカー(守田)がセンターサークル中央、板倉がフリーで居るのにボールを貰いに青マーカー(遠藤)が下がり、赤マーカー(板倉)と重なる。
これは世界でも見ることはあるが、ここまで引くコスタリカに対して本当に必要だろうか?
逆サイドへの可能性も見せるために紫(守田)が画面下側に広がり、青(遠藤)がマークを引っ張り、画像左上の水色マーカー(伊東?)へのパスコースを作るべきだと思う。
伊東も伊東で、ラインに吸収されていてビルドアップ(組み立て、ボール回し)に参加しない。
パワープレイでない時は、水色(伊東)が中盤で赤(板倉)からの縦パス、青(遠藤)が中央にいることで赤(板倉)→青(遠藤)→水色(伊東)の三角形の二通りを作るべきであった。
このようなシーンは試合中度々見られたのだが、伊東のパスワークが苦手なことと、遠藤が焦って下がることが原因である。
この点も少しちぐはぐだったのだが、選手たちは相当焦っていたことがうかがえる。
長友佑都の成長と役割
2試合が終わり、長友は当然ながら若い頃からすればキレに見劣りを感じるが、若い頃には無かった安定感がある。
スタメンで三笘を出せと言う人も居たが、もしW杯グループステージで最初から3CBとWBのシステムで、三笘をWBとしてフル出場させたとしよう。
三笘は三試合ともキレを維持できただろうか?
長友の交代は三笘の体力管理のためであり、後半からの交代戦術のためであった。
総じて考えると長友のセンタリングの精度以外は安定しており、結果を考えると頼もしくもあったと思う。
ワールドカップ4度目の出場、これを経験と言うのだろう。
長友が攻撃面で目立つことは無かったと思うが、ボール回しや本業であるDFの安定感は最低限あったのだろう。
攻撃はサイドだけではない
解説ではしきりにサイド攻撃というが、サイド攻撃と分かっていて恐怖を与えられるには難しいと思う。
さらにだが、日本代表は相手のディフェンスラインに5人が入り込むことでサイドのスペースを自ら消していた。
中央に鎌田、南野が居て初めて外の三笘や伊東のスペースが生きたのではなかろうか。