サッカーの戦術ブログ

 オフサイドのルール変更とともに進化するサッカーの戦術(タクティクス)を分析します。水・土曜日の更新を目指しています!

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【11月27日】グループE 日本vsコスタリカ ②後半

後半開始からメンバー交代。 ・FW上田 → FW浅野 ・DF長友 → DF伊藤 至極個人的な意見だが、恐らく前半から伊東が右SHで出ていたらボールロストが増えていたので改めて堂安で良かったと思うが、いまいちポゼッションができていなかった印象。

伊藤を入れたことで3バックにし、攻め込まれたときには5バックになるWBを採用。 ドイツ戦と同じフォーメーション変更だが、ドイツ戦よりもWBが上がり気味と言った印象。

また気候への順応が想像以上に難しいらしく、国籍関わらずいつも通りには走れない模様。 話を聞く限りグラウンドでも日向と日陰の気温差が激しいようだ。

コスタリカに対して格下との見方をする人もいたが、思うほど下ではない。 その理由を話そう。

恐らく後半は両チームリスクを背負った責め合いになるが中盤が不在の日本代表

日本代表がドイツで善戦できたのにコスタリカで苦戦をする理由の一つは、3-5-2で横に間延びしてしまっているからではなかろうか。 中盤が5なので横に広がることは予想できるが、このタイミングで画像を見ていただこう。

黄色い枠内のコスタリカ中盤5人に対し、日本の中盤はボールに関与できそうな人が約3人(吉田、守田、伊藤)。 青いラインのFW役に4~5人が並んでしまっている。

コスタリカがラインコントロールにより押し上げたため、日本はラインの後ろを狙うべきなのだが、狙いすぎて味方がライン際に4~5人が並ぶことで数的不利を自らが作り出している。

これでは後半全てをパワープレイにすると言っているようなもので、精度の高い攻撃になるとは思えない。

この場面になるまでにDM(ディフェンシブミッドフィールダーボランチ)の遠藤が下がっていったのだが、後ろ(画面右上)に板倉が居たので重なっていたのだ。 重なることで自分たち自ら数的不利を作ってしまっており、その点でも動きの精度が悪いのかと思った。

またこの状況でも裏へのロングパスはなぜか出さない。 このように相手ディフェンスのラインに人が多く入るのであれば、素直に相手GKとの間にパスを出すべきである。

中盤が不在なのであればFWとして中盤の南野を出ると期待した

相手のディフェンスラインは足が早く、早々に裏をつけないと分かった。 であればゼロトップの覚悟で南野をFWとして後半から投入するのではと期待した。

最近中盤での動きがおかしい南野であったが、前を向いた状態での得点力は高いと評判である。 であれば前半ポストプレイの印象が強かった上田に変わり、FWとして南野を先に出してほしかった。

世界の戦術は常に数的優位を作ることにある

どうやら現状の世界レベルでは、センターバックが大きくサイドに開き、キーパーと巨大な三角形を形成する。 サイドバックはDMの位置まで上がり、数的優位を形成するらしい。

例えばスペインと比べて考えてみよう。 ※今回の開催地は真夏の気候で行っている、その前提は無視する。

スペインは常に敵の間にポジションをとり、ボールの周りにいる人が常にボールへ関与できるようにする。 ボールに直接関与できない人は、その次に関与できるようにポジションを取る(俗に言う三人目の動き)。

写真でも見てわかる通り、日本は最初からライン際に入る人が多く、中盤が不在。 さらに敵の間に顔をだすタイミングも遅く、もしくは動かない。 見ている限り殆どのタイミングで動いてすら居ない。

中盤でも「数的優位を作ることで、パスコースを増やし打開する」を繰り返し続けるのがスペインなのだが、真似をしたいはずの日本は全くしていないのだ。

日本の戦術は三世代前のもの?

睡魔と戦いながらワールドカップの試合を見れる限り見てきたが、日本の戦術は古い。

まずボールを展開するときにCB(センターバック)が並んでいる。 →必ずしもではないが、世界はCBが大きく開きGK(キーパー)と巨大な三角形を形成し、SB(サイドバック)が最低一列は上がる。

両SBが上がり空いた穴にDMが入るが、逆サイドが上がったところで数的優位は作れない。 →中盤では上がってきたサイドバックとフォーメーションの変形を合わせ、数的優位を作る。

ボールを持った人がドリブルでパスコースを何とか作らないとボールに関与できる人が増えない。 →敵の間に顔を出し続け、パスを出しては返して(パスを当てる)を繰り返すことで敵のマークをずらしフォーメーションを崩す。

乱れたところでシュートを放つと言った流れである。

ちぐはぐな日本の戦術 監督と選手の差

もしかしたら監督と選手の間には多くの差があったのかもしれない。 選手たちは点が取りたいがために気が早るが、監督はポゼッションをするために中盤の選手を増やした。 ところが同格と思われたコスタリカ相手になまじ攻められたため、その中盤の選手までもが前線へと気が早ってしまったのだ。

その結果攻撃が単調になり、簡単にボールを渡す結果になってしまった。

伊藤の失態は後半から始まっていた

極度の緊張からだろうか? ボールを持っていないときに開くべきところで開かず、前を向くところで向けず、ひたすらバックパスを繰り返していた。 一体なんのために???

この動きのせいで、コスタリカはマークやポジションがずれたときに伊藤へ回させることでリセットできたのだ。

日本は選手交代を始める

●後半16分 選手交代 ・DF 山根 → MF 三笘 ポジション変更 ・相馬 左WB → 右WB

右図は番組の予想フォーメーションなのだが、ビリーは3-5-2で以下ではないかと思った。

浅野、堂安 三笘、 鎌田、 相馬 守田、遠藤 伊藤、吉田、板倉

後から思えば、

浅野、堂安 三笘、 鎌田、守田、 相馬 遠藤 伊藤、吉田、板倉

でも良かったかもしれない。

●後半21分 選手交代 ・SH堂安 → SH伊東

浅野 三笘、 鎌田、伊東、 相馬 守田、遠藤 伊藤、吉田、板倉

●後半24分 相手ファールでゴール正面でイエローカード これはレッドカードでも良かったのではないだろうか…

緩慢な動きの伊藤が形となってあらわれる

代わって入った三笘や中盤の底に変わった遠藤へパスを出せず、ただバックパスを繰り返すだけ。 さらに代わって入ったのにラインコントロールも歩いてダラダラ行う始末。

もちろん失点に関しては吉田の中途半端なクリアが痛恨であったのだが、その後の伊藤のリカバリーの動きがなかったことは最もまずかったように思う。 滑って転んでいるところを見ると、もしやスパイクが芝と合っていなかったのか??? もしくは極度の緊張から呼吸もうまくできないほどだったのかもしれない。

●後半35分 失点 吉田のクリアミスから失点をしてしまう。 なぜ大きくクリアをしなかったのか。

日本選手交代 失点で南野投

失点をする前から南野はスタンバイしていたのだが、プレイが切れて南野が入っていたら失点は無かったのかもしれない。 これは完全にタラレバなので意味はない。

浅野 三笘、 鎌田、南野 伊東 守田、遠藤 伊藤、吉田、板倉

後半40分に到るまで、伊藤は三笘の良さを消し、遠藤や守田の攻撃性も潰してしまっている。 果たしてこんな選手だっただろうか? 上記のフォーメーションを目指したのだろうと思うが、実際は守田が更に上がった状態でボールを求めるため、南野が一列押し上げられた感じであった。

浅野、南野 三笘、 守田、鎌田、 伊東 遠藤 伊藤、吉田、板倉

押し込みたいのは分かるが、相手GKとDF間に放り込まないのであれば、中盤でしっかりと繋いで両サイドからセンタリングを考えねばならない。 なぜボール運びをせずに相手ディフェンスラインで待ち続けたのか…

やはり気温に寄る体力管理だろうか…

数的不利を作る日本と立ち尽くす板倉

紫マーカー(守田)がセンターサークル中央、板倉がフリーで居るのにボールを貰いに遠藤が下がる。 これは世界でもよく見る光景だが、ここまで引いているコスタリカに対して本当に必要だろうか?

逆サイドへの可能性も見せるために守田が画面下側に広がり、遠藤が画像左上の伊東?へのパスコースを作るべきだと思う。 伊東も伊東で、ラインに吸収されていてビルドアップ(組み立て、ボール回し)に参加できていない。

パワープレイではない時は伊東がハーフの位置で板倉からの縦のパスを待ち、遠藤が中央にいることで板倉→遠藤→伊東の三角形の二通りを作るべきであった。 このようなシーンは試合中度々見られたのだが、伊東はパスでつなぐことはあまり得意でないことと、遠藤が焦って下がりすぎたことが原因に思えた。

この点も少しちぐはぐだったのだが、選手たちは相当焦っていたことがうかがえる。

長友佑都の成長と役割

これは日本戦2試合を見終わってからの印象。 当然ながら若い時代からすれば相当キレに見劣りを感じるが、じっくり見ると若い頃には無かった安定感を感じる。 まず長友の交代に関しては、体力管理と言うよりも3バックに変更すると三笘の方がWBに適正を見せたということだろう。

しかしワールドカップ初出場の伊藤の動きが大きな誤算であった。

総じて考えると長友のセンタリングの精度以外は安定しており、結果を考えると頼もしくもあったと思う。 ワールドカップ4度目の出場、これを経験と言うのだろう。

長友が攻撃面で目立つことは無かったと思うが、ボール回しや本業であるDFの安定感は最低限あったのだろう。

攻撃はサイドだけではない

解説ではしきりにサイド攻撃というが、サイド攻撃と分かっていて恐怖を与えられるには難しいと思う。 中央の鎌田、南野が居て初めて外の三笘や伊東が生きたのではなかろうか。