グループE第2戦目。
FIFA世界ランキングでは大きな差はなく相性を考えなければ互角に近いと思われる。
しかしコスタリカは負けることができないために体力面を考えずに最高のメンバーを出してくることを考えると、楽な試合にはならない。
日本は世界ランキング24位。
日本は第1戦目のドイツに勝ったためにコスタリカ戦で勝利をすれば決勝トーナメントへ大きく近づく。
さらに3戦目のスペイン戦で手を抜けるため、大敗を喫しようが真夏日でサッカーをするような環境の中、決勝トーナメントに向けて体力を温存できる。
コスタリカは世界ランキング32位。
緒戦はスペインに7-0と大敗したが、決して弱いチームではない。
ワールドカップ前の練習試合が一つ潰れたため、チームとして明らかに調整不足。
3大会連続の出場であり、最高ベスト8まで進んだ強豪国。
前半は太陽に向かって手の内を探る
残念ながら前半日本は太陽に向かうことになり、コスタリカのミドルシュートが有効となる。
体格の面では日本人が若干小柄に見え、数プレイを見た限りでは当たり負けしている。
【日本】のシステム
守備時は4-4-1-1を基本としているが日本のディフェンスラインが異常に低く、オフサイドを意識したラインコントロールは全くできていない模様。
攻撃では相手の初動プレスがしっかりと機能し、カウンターが成立しない。
解説の本田圭佑氏はコスタリカ相手だとポゼッションサッカーができると判断したためにわざとカウンターはしないのだろうと推測。
ポゼッションもコスタリカの長い手足により思うようにつなげることができず、前半15分たっても浮足立った状態。
【コスタリカ】のシステム
コスタリカは守備時、5人が横に並ぶ5-4-1の状態。
オフサイドを意識したラインコントロールは無いが、下がりすぎず日本代表FWを無効化することはしている。
攻撃時は5バックから2~3バックへ変型し、常に数的優位(有利)を形成する。
前半10分まで見たところ力は互角。
前半は一進一退の潰し合いに見えるが…
お互い負けられない試合のため守備時に5バックを形成し、カウンターをさせない。
しかし5バックから攻撃時に中盤が薄くなり中盤でのボールロストが多くなっている。
そのため両国とも中盤での奪い合いやラインのせめぎあいの緊張が続いていた。
世界の戦術は常に数的優位を作ることにある
ポゼッションサッカーの良さは「中盤でも数的優位を作り、パスコースを増やし打開する戦術」である。
図.日本代表 脅威の5トップ
しかし写真を見てわかる通り、日本は最初からコスタリカのディフェンスラインに5人も入るため中盤がいなくなる。
さらに敵の間に顔をだすタイミングが遅く、そもそも動き直さない。
相手のディフェンスラインを意識するものの
1枚目。
相手ディフェンスラインに4人が入り、この状態であればパワープレイのように裏へ放り込むはずの状態だがパスは出さない。
仕掛けてきてはいないが、日本人が綺麗に並んでいるのでオフサイドトラップも掛けやすい。
2枚目。
ボールを右サイドへ展開しても、相手ディフェンスラインへ入った味方がボールへ関与しに来ない。
さらに攻撃から2列目の二人もマークの後ろに隠れるため、中へパスの出しどころが無く孤立する。
3枚目。
2枚目の画面外の下にいた山根に出すが、前列の選手は貰いに来ない。
日本は前半、延々と数的不利を作り続けていた。
戦術の世界基準はキーパーからの展開にも
第1戦目では主にラインコントロールについて注目したが、戦術はそれだけではない。
GKから攻撃を開始する際のフォーメーションの変形にもある。
簡単な例を出すと、攻撃に切り替える時キーパーから大きく開いた4バックへボールを渡す。
この時4人が関わっているが、世界の戦術では必ずしもそうはならない。
中盤で数的優位を作るためには、3~2バックに切り替えることもある。
写真はコスタリカがキーパーから展開する状態。
他グループではその戦術を使う国がちらほらあり、完全ではないがコスタリカも近い戦術を採用していた。
恐らくボールタッチに相当な技術が必要となり、さらにDMやSB、SHの連携も必要となるため相当難しいのだろう。