サッカーの戦術ブログ

 オフサイドのルール変更とともに進化するサッカーの戦術(タクティクス)を分析します。水・土曜日の更新を目指しています!

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【11月27日】グループE 日本vsコスタリカ ①前半

グループE第2戦目。 FIFA世界ランキングでは大きな差はなく相性を考えなければ互角に近いと思われる。 しかしコスタリカは負けることができないために体力面を考えずに最高のメンバーを出してくることを考えると、楽な試合にはならない。

日本は世界ランキング24位。 日本は第1戦目のドイツに勝ったためにコスタリカ戦で勝利をすれば決勝トーナメントへ大きく近づく。 さらに3戦目のスペイン戦で手を抜けるため、大敗を喫しようが真夏日でサッカーをするような環境の中、決勝トーナメントに向けて体力を温存できる。

コスタリカは世界ランキング31位。 緒戦はスペインに7-0と大敗したが、決して弱いチームではない。 ワールドカップ前の練習試合が一つ潰れたため、チームとして明らかに調整不足。 3大会連続の出場であり、最高ベスト8まで進んだ強豪国。

前半は太陽に向かってお互い手の内を見る

残念ながら前半日本は太陽に向かっての陣地。 コスタリカミドルシュートが有効となる陣地となる。 体格の面では日本人が若干小柄に見え、数プレイを見た限りでは当たり負けしている状態。

【日本】

守備時は4-4-1-1を基本としているが日本のディフェンスラインが異常に低く、オフサイドを意識したラインコントロールは全くできていない模様。 攻撃でカウンターを狙うものの、相手の初動プレスがしっかりと機能し成立しない。 ポゼッションもコスタリカの長い手足により思うようにつなげることができず、前半15分たっても浮足立った状態。

コスタリカ

コスタリカは守備時は5人が横に並び、5-4-1の状態。 オフサイドを意識したラインコントロールは無いが、下がりすぎず相手FWを無効化することはしている。 攻撃時は3バックから2バックに変形し、攻撃を始める時の数的優位を形成している。

前半10分まで見たところ力は互角。

前半は試合は一進一退の押し合いへし合い

お互い負けられない試合のため守備時に5バックを形成し、カウンターをさせない。 しかし5バックから攻撃時に中盤が薄くなり中盤でのボールロストが多くなっている。 そのため両国とも中盤での奪い合いやラインのせめぎあいの緊張が続いていた。

しかしTwitterでは「見どころなし」、「楽しくない試合」と言ったツイートが多かった印象である。

相手のディフェンスのラインを意識しすぎ

右図1枚目。 相手ディフェンスラインに4人が入り、裏しか狙っていないが裏へのボールは出さない。 この状態であれば当然ながらボールを裏へ放り込むはずの状態に自然となってしまっている。 仕掛けてきてはいないが、日本人が綺麗に並んでくれているのでオフサイドトラップも掛けやすい。

2枚目。 ボールを右サイドへ展開するが誰もボールへ関与しに来ないため、見事に孤立する。 さらに攻撃から2列目の二人もマークの後ろに隠れるため、中へパスの出しどころが全く無い。

3枚目。 2枚目の画面外の下にいた山根に出すが、前列の選手は貰いに来ない。

日本はこれだけ数的不利を作り続けているのだ。

戦術の世界の基準はラインコントロールだけではない

第1戦目では主にラインコントロールについて注目したが、戦術はそれだけではない。 攻撃をする際のフォーメーションの変形にもある。

簡単な例を出すと、攻撃に切り替える時キーパーから大きく開いた4バックへボールを渡す。 この時4人が関わっているが、世界の戦術では必ずしもそうはならない。 中盤で数的優位を作るためには、3~2バックに切り替えることもある。(写真)

他グループではその戦術を使う国がちらほらあり、完全ではないがコスタリカも近い戦術を採用していた。 恐らくボールタッチに相当な技術が必要となり、さらにDMやSB、SHの連携も必要となるため相当難しいのだろう。

世界における日本の戦術レベル

日本代表やJリーグの世界的評価が上がらない理由は、フィジカル面、ボールを持っていない時の動き(オフザボール)など様々あるが、今大会を見る限りで一番目立つのは、ラインコントロールや攻撃に切り替えるボール回しの方法ではないだろうか。

「日本が決勝トーナメントに進出できない、勝ち上がれない」理由はここにあるのだろうとビリーは分析している。

日本の戦術は2~3世代ほど時代遅れに見える。

連動性とフォーメーションチェンジ、ポジションの意識とは

一時期日本サッカー界で「連動性」と言う言葉が流行った。 ボールに関与できる人がどんどん本来のポジションから離れて攻撃に関与する状態だった。

連動性により数的優位作ったりマークを外す意図のはずが、一定の規則性がない状態では味方同士のポジションが重なり数的不利になることも多かった。

しかし本来の連動性とは流れに沿ってポジションを入れ替わったりスペースに走り込むことである。 ポジションやフォーメーションを意識して規則的な動きをしていれば、例えば「センタリングをすればあいつが居るはず」と中を見る時間が省略できたりもするのだ。

知っていることを全部は書くつもりはないので、今回はこの辺にしておく。

今後はウイングバック(WB)が流行るかもしれない

2002年日韓ワールドカップ以来、日本代表はよほど押し込んでいる時間でも3バックになることは滅多に見られ無いほど長らく3バックが苦手であった。

ところが擬似的に5バックであるWB(ウイングバック)であればできることが分かったのだ。 日本はサイドハーフを含めた中盤が多く存在するが、専門のサイドバック不足と言われる事もあった。 しかしWBであれば中盤のサイドをこなす選手は数多くいるので、採用されることになるだろう。

JリーグでもVARを取り入れた場合、長らく4-2-3-1や4-1-4-1、4-3-3しか見なかった日本だが、また3バックとオフサイドトラップを見る試合が増えるかもしれない。