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サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)をビギナー(初心者)でも分かるように分析します!土曜日の19時更新目標!

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【カタールW杯 戦術分析】日本 vs スペイン 前半【ラインコントロールのかけ引き】

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 日本はドイツに勝ってコスタリカ破れ一勝一敗で迎えた大一番となる。
引き分けの場合は裏のカード次第でグループステージ突破が掛かる。崖っぷちに追い込まれるのは何とも日本代表らしい雰囲気に思えた。

【日本対スペイン】
勝つための戦術予想
・試合後詳細分析 前半(当記事)、後半
試合後のシステム分析

日本対スペイン(ABEMAプレミアム)

 試合前のスタジオではゴン中山氏、影山優佳氏(日向坂46)、武尊氏が招待されていた。
武尊氏の紹介画面で影山優佳氏が映ったことで危うく影山優佳氏はK-1で3階級制覇することとなる。

 また私的ながら「影山優佳さんは自分にもゲーゲンプレス掛けてくれないかな…」と思いながら見ていた。二人で筋トレなんてしたい。

スタジオの戦前予想

 スタジオでもそれぞれが予想をする。
予想を始めると日本代表は早くもウォーミングアップを始め、解説の本田圭佑氏は「(スペインよりもウォーミングアップを早く始めるのは)日本の文化が出ているだろう」とのこと。

イニエスタ氏の予想

 神戸でチームメイトの槙野智章氏がインタビューをした。
スペインの調子は2試合ともよく、攻撃力、守備力ともに評価も良い。

 日本代表で注目する選手は久保、堂安、三笘、前線にいる選手が重要になる。
スペインのほうが強いが、日本は後がないので怖いチームになると思う。

本田圭佑氏の予想とポイント

 日本がどうするかを判断するのではなく、相手に合わせた状況を作らざるを得ない。

ゴン中山氏の「どの高さからプレスを掛けるか」との質問に、「トップの前田選手がハーフラインから当たり、全体をコンパクトに作るべき」、「SBに来たときは割と強めに当たる必要がある」と回答。

影山優佳氏は「ブスケツ選手を注目していましたが、どの選手のどのプレイが有効と考えますか?」との質問に、「普段国内にいる谷口選手が世界レベルに対してどこまでできるかが問題、またブスケツ選手に対してゲーゲンプレスを掛けることが重要だ」と回答。

続いて槙野智章氏に対し「ゲーゲンプレスの中でもどの点に注目をしますか?」との質問に、「谷口選手はACLなどアジアや代表の試合で彼らしさを出している、ゲーゲンプレスをするためには全体をコンパクトに設定し、ラインコントロールを安定させる必要がある」との回答。

 実況の寺川俊平氏の総括として「影山優佳さんはゲーゲンプレスを掛けるのは得意でも、ゲーゲンプレスを掛けられるのは苦手なんでしょうね」。
本田圭佑氏も「そうだと思います、そんな雰囲気が出ている」と回答。
かわいい❤

寺川氏「ゴールが必要となる攻撃の選手は何を考える必要がありますか?」
本田氏「前半は0-0で万々歳。失点しても悲観せず、1点差であればドイツ戦のように最後まで勝機はある。スペインが最後まで落ちないことはないので、こちらのジョーカーを投入すればドイツ戦と同じような戦略となる。」

寺川氏「前半後半の戦いだけではなく、裏のカードによってもマインドは変わりますか?」
本田氏「選手は気にする必要はない、裏のカードはベンチが気にすれば良い。」

寺川氏「日本代表はどのような戦いになりますか?マインドを含めて…」
本田氏「後ろ5枚、田中さん、守田さんが相手にどれだけ自由にさせないか、ボールの奪い方に注目をしています。」

ゴン中山氏の予想とポイント

 ゴン中山氏「日本の突破可能性を考えたら、選手は勝ち点を1ポイントでも多く積み重ねるだけ。勝てばいいだけ。」とのこと。

試合開始直前 スタメン発表

日本代表は世界ランキング24位。
日本代表は343とWBのシステム。

前田
久保  鎌田
長友     伊東
田中  守田
谷口 吉田 板倉

スペイン代表は433のシステム。 

モラタ
オルモ  ウィリアムズJr.
ペドリ  ガビ
ブスケツ
バルデ パウ ロドリコ アズピリクエタ

 太字は二試合の内で代わった選手。
ディフェンスラインはポジションを入れ替えたり、途中出場の選手を先発させてきた点に関して本田圭佑氏は「ポジションや選手を5人も入れ替えてそんなに上手く回るとは思えない。バルデは19歳でバルセロナでも試合に出ていない。チャンスはある」。

試合開始直後のラインコントロール

 試合はスペインのボールで開始され、最終ラインで回しだす。
日本代表のディフェンスラインは相手トップの位置に合わせるため低い。
黄色いラインに上げ、相手FW2人を無力化するべきだった。
しかしこれでは非常に狭くなるため不安に思い上げなかったのだろうか。

 スペインが少しボールを下げたので、下の赤矢印のFWも「日本代表はラインを上げるだろう」と考えて合わせて二列目へ下がる。

日本代表がラインを上げてこないので、「じゃあ高い位置に戻るか」と思ったところでボールが展開されたため、青矢印の谷口がノーマークの選手に付きに行く。

谷口は「ボールが自分のマークに行った選手へ入る」ことを見越しての動き。

 日本代表は谷口の高さに合わせてディフェンスラインを黄色まで上げ青線に戻った赤矢印のFWを無力化するべきだったが、試合開始早々ということもあってか相手に高さを合わせていた。

もしオフサイドトラップを掛けるつもりであれば、ディフェンスラインを赤ラインまで押し上げるべきだったが、この狭い状況ではやらない方が無難と言える。

 ディフェンスラインを黄色から赤色の間に設定すると赤矢印(とあわよくば両WG)FWを無力化でき、中盤でのマークが数的優位(有利)となる。

ラインコントロールの高さによりたびたび危機を迎える

 あたかも上の写真の続きのような状況が続く。
青三角の谷口がマークに付くのだが、ラインに戻るために赤三角がいつもフリーになる。
 本来はディフェンスラインを黄色に設定するかそれよりも高くすることで、日本代表のDFがスペインFWではなくOMをマークすることで数的優位(有利)を作ることができ、日本代表FWたちがスペインのディフェンスラインを下げさせることができるようになる。

下図では谷口がラインに戻ることで実際にフリーになったFWへパスが通る。
青線のディフェンスラインであれば、パスが来ることはなかった。

 下図、青丸の長友が赤丸のFWを気にするあまり下がるため、全体のラインが下がってしまう。逆サイドでは14番の伊東も同様にラインを下げる原因となっている。

 解説の本田圭佑氏も指摘していたが、「長友と伊東の下がって自陣側から守る癖を見抜いていたスペインが両サイドのFW(WG)を上げっぱなしにすることで、日本代表のディフェンスラインを低くしていた」のである。

奇しくも自分の予想通り、ラインコントロールの文化がない日本は両WGの長友と伊東がディフェンスラインを下げる結果となってしまった。

前半11分 スペインあっさりと先制

 前半11分の失点は、ディフェンスラインを厚く厚くしようと下がりすぎた結果全員が下がりすぎ、マンツーマンすらできない状態からセンタリングを上げられ簡単に失点してしまった。

 ペナルティーエリア内中央のスペイン選手3人に対して、日本代表選手は7人がおり、外側でフリーの選手を作ってしまった。
そこから丁寧にボールを止めた後、ドンピシャのセンタリングを上げられて失点。

右側に向く矢印は恐らく鎌田だが、プレッシャーを掛けることはほぼ無かった。
センタリングを上げる選手をマークするべき長友も中に引っ張られ、フリーにさせていた。

ビリーには一連の乱れは全て、ディフェンスラインを下げすぎていた結果に見えた。

前半の流れは全て同じ

 日本でディスプレイ前の観戦者の想像以上に、現地の気温は暑かったようだ。
スタジアム内は空調により涼しいはずだが日の当たる場所と日陰での気温差が激しく、いつもの欧州と同じ様にプレイすると体調を崩したり、後半30分ぐらいから足が釣る選手がかなりいた。

そのため各国とも前半からしばらくは相手のシステムや自分たちの調子を見ることに徹し、前半20~30分が過ぎてから仕掛ける国が多かった。

ショートカウンターと交代戦術の組み合わせ

 どうやらW杯の開始から森保監督は各国の試合展開や選手のコンディションから判断し、日本代表の試合展開を時間により明確な戦術を決めていたようだ。

現地で考えたのか用意していたのか分からないが、森保監督はショートカウンターの戦術交代戦術を組み合わせた。
 W杯カタール大会では前線のプレスが得意で運動量が豊富なFW前田を抜擢し、相手が体力の温存と様子を見る時間帯からミスを誘発するショートカウンターでディフェンスラインをかき乱すことに成功した。

予め前田は途中で代えると決めていたのだ。

スペイン代表の戦術

 前半はスペインの赤マーカーの両サイドWGが最前線で立ちつくし、日本代表のディフェンスラインを下げ、中盤での数的優位を作る戦術。

写真は大変見やすい状況があった後半のもの。

 日本はコスタリカ戦で似たような戦術をしようとしていたのかもしれないが、大きな違いがある。
スペインは両サイドもしくは長友側(写真では三笘)のWGだけが上がり、日本代表のディフェンスラインを下げていた。
しかしコスタリカ戦の日本代表は、5トップと言えるほど全員がディフェンスラインに吸収されていた。