各年代でFIFAランキング1位を誇るスペイン代表がなでしこジャパン(FIFAランキング7位)の初戦の相手。なでしこジャパンとスペイン代表の相性は決して悪くなく、何度も勝っている。臆すること無く迎え撃てば負けることはない。
【パリ五輪 サッカー女子】なでしこジャパンの戦術を分析
戦術が無いと言われていた池田太監督だが、スペイン戦を見た限り悪いわけではない。ただラインコントロールが下がってしまうのと、ポジショニングが足りずポジションチェンジが足りない。
日本は自信を持ってスペイン代表のように、すれば良いだけである。
なでしこジャパンのスタメン 基本は4-4-2?
田中 藤野
清家 宮沢
長野 長谷川
古賀 熊谷 南 清水
山下
変則的に4-2-3-1?
田中
清家 藤野 宮沢
長野 長谷川
古賀 熊谷 南 清水
山下
攻撃戦術
- 【ディフェンシブサード】
GKをDFに加えて4バックを作り、4-4-3のシステムを作る。
スペインのFWがPAよりも後ろにいる時は、GKを残してDFが上がり、GK-3-4-3のシステムに変化したりする。
※これはスペイン代表のFWの位置によって変わるため、必ずしもこの形ではない。
中央にGKとPAの両サイドにCBが開き、展開できるようにSBが構えるシステム。
など、多彩なビルドアップのシステムを用意していた。 - 【ミドルサード】
中盤にFWの田中が落ちることでポストプレイを行い時間を作り、その間に後列を上げようとする。 - 【アタッキングサード】
主にカウンターの時しか攻め上がれず、攻めあぐねた。
守備戦術 なんちゃって改良型カテナチオ
- 攻撃時と同様に4-4-2のシステムでブロックを作る。
- ラインコントロールは上げ始めた時は良いのだが、相手のFWに合わせてすぐに下がってしまうために意味がない。
上記画像で直接パスを出すわけではないのだが、黄色の矢印方向の縦パスとFWが紫色の矢印方向への動きをすると白いラインが一気に下がってしまうため、ラインコントロールの意味が全くない。
この場面では、ディフェンスラインは下がらずに、左SB(画像で白線の一番上の選手)の位置で止まってなければならなかった。
【ads by google】
相手国のスタメン 4-3-3
パラジュエロ
カルデンティ デルカスティージョ
プデジャス ボンマティ
グイハロ
カルモナ アイレサンドリ パレデス パドレ
コール
攻撃戦術 ティキタカ
スペイン男子と同じで、広すぎず狭すぎない距離を保ちながらスペースでパスを貰いつなぎ続けるティキタカを行う。
- 【ディフェンシブサード】
GKの前にCB3人が並び、WBが両サイドで開くシステム。
中央のCBがボールを離すと4-3-3のシステムに変更する。 - 【ミドルサード】
中盤で縦パス何度か入れてFWが裏を取る動きをすると、日本のディフェンスラインがズルズルと下がってしまう。そのため難しいビルドアップをする必要が無く、簡単にPA前まで押し込めてしまう。 - 【アタッキングサード】
PA付近でも激しいポジションチェンジとティキタカを行い、マークのズレと数的有利を作り続ける。
加えて男女ともに日本代表が行いたい疑似カウンターを行う。
4-4-2などの守備陣形では特に、ボールとは逆サイドにスペースが生まれてしまう。そのスペースを素早いサイドチェンジで使われることでなでしこを崩す。
守備戦術 改良型カテナチオ
高すぎず低すぎないディフェンスラインを4バックで作り、ボールがディフェンスラインに到達する前に全体でプレスを掛ける典型的な改良型カテナチオの守備。
【ads by google】
試合展開 1-2で敗戦
日本もスペイン相手にティキタカ同様の戦術を行う。
しかしサッカーの歴史と文化のレベルで段違いであることを見せられた。
ただ勝負として決して負けているわけではなく『相性の問題』と言えたのだが、選手全員が途中から萎縮してしまったかのように見えた。
結果としてなでしこジャパンが先制したものの、後半に逆転を許し1-2で敗戦となった。
スペイン代表のティキタカ
スペイン代表のティキタカは男子代表と同じで、ポジションチェンジを繰り返しながらパスを繋ぎ続けることで相手のマークをずらし、守備陣形を崩すことに意味がある。
前半32分になでしこジャパンの守備陣形が崩された状況をご覧いただく。
この状況を見て何がどうなっているか分かるだろうか。
なでしこジャパンは4-4-2の改良型カテナチオをで対応をするのだが、スペイン代表は中と外でパスを回すために、誰が誰をマークしているのかはっきりしないのではないだろうか?
写真を取ってじっくり見ると崩されているのが分かる。
はっきりしない人に紫色の矢印を付けてみたのだが、黄色の楕円の選手を見ると、長谷川唯が前からマークしているのだが、マークしてるとは言えない。
そのため後ろの古賀が自分のマークを見ながらカバーをする状況である。
さらにボールへのマークが出来ていなかったため、ズレ込もうとするのだが、味方がズレようとしていない。(突っ立って止まってる。)
この状況でラインコントロールをして押し上げる事はできないため、紫色の楕円の選手で数的有利を作るはずが、実際は数的不利な状況で守備をしていることになる。
これがポジションチェンジを繰り返し、ディフェンス間のスペースでパスを貰い、連続して繋げるティキタカの恐ろしさである。