日本にとっては朗報となるのだろうか。 スペインは1位通過をすると決勝トーナメント第2戦目でブラジルと当たることになるため、日本戦で負けて2位通過を目指すかもしれないそうだ。
まずは日本の基本的戦術とワールドカップで世界が行っている基本戦術をおさらいしたい。
- サウジアラビアのVARとオフサイドトラップ戦術 格上アルゼンチンに対して行った戦術。
- スペイン vs コスタリカ スペインの基本的戦術を確認できる一戦。
- 日本対ドイツ 日本は三世代前のラインコントロールで、前半ドイツにボールを持たれ圧倒される。 しかし体力を温存していた後半、日本はWBを取り入れたフォーメーションで本来のポゼッションサッカーを取り戻し、カウンターサッカーで勝ちきった。
- 日本対コスタリカ①前半 相手の様子を見ながら完全に引いたコスタリカに対してポゼッションを行おうとするが、上手くいかない。
- 日本対コスタリカ②後半 ボールを支配しているように見えるが、WBや中盤の選手までもが相手のラインに吸収され、無力化されてしまう。
- ドイツ対スペイン スペインはポゼッションサッカーによりドイツを圧倒するかに見えたが、フィジカルで上回るドイツがラインコントロールとゾーンプレスを高い位置から行うことでポゼッションさせない展開。
日本がスペインに勝つか引き分けるためには
ドイツ対スペイン戦を見た限りの戦術であるが、日本もハイプレッシャーを真似せざるを得ない。 ドイツの戦術はディフェンスラインを上げ、スペインがボール回しを始める前にプレスを掛ける。
更にである。 日本はドイツほどの肉体の強さ(フィジカル)が無い。 そのため、サウジアラビアがアルゼンチン戦で見せたラインコントロールをするしか無い。
しかしこれはあまりにも現実的ではない。 恐らくサウジアラビアはVARを信じ、相当な準備を重ねてきたのだろう。 見ている限り改良型カテナチオとオフサイドトラップを組み合わせたチームはサウジアラビアだけである。
日本が勝つための現実的なプランを考える
現実的なプランとしては、本田圭佑氏同様に3バック+2WBの強気な5バックだ。 ビリーの希望フォーメーションを書いてみる。
南野 久保 堂安 長友 酒井 守田、田中 冨安、吉田、板倉
※体力管理で代えるのだとしたら、以下だろうか。 久保(鎌田)、田中碧(遠藤)、堂安(伊東)、長友(三笘)、酒井(相馬)、吉田or板倉(伊藤、酒井)。
完全にカウンターを基本に考えているため、オフェンス側とディフェンス側をはっきりと分けている。
前半はある程度間延びするかもしれないが、 ・攻撃側は、攻守両面に秀でた人ではなくボールのロストが少なくシュートまで行ける三人。 ・守備側は、ディフェンスがはっきりしている人を選んだ。
カウンターに失敗したときにオフェンス側とディフェンス側をつなげる役として守田を選んだ。
基本フォーメーションも伊東が中心になる可能性も
ビリーとしては、後半や後半途中から「伊東や三笘、浅野」が交代選手と考えていた。 一般的にスプリント能力は前半、後半のみがせいぜいであり、一試合丸々持つ選手は居ない。 コスタリカ戦で浅野を先発出場させたため、スタメンで使うのであれば伊東となる気がする。
伊東である理由は他にもあり、WB(ウイングバック)のフォーメーションである。 伊東はFW(フォワード)、SH(サイドハーフ)、WBと三つのポジションで適正を見せた。 上手い訳では無いが、できないわけでもないため、下記の赤字を伊東に代えることができる。
南野 久保 堂安 長友 酒井 守田、田中 冨安、吉田、板倉
仮に酒井を伊東にしていた場合、裏が取れそうであれば下記へ入れ替えるのだ。
3-4-3(3-2-5) 伊東 南野 久保 長友 堂安 守田、田中 冨安、吉田、板倉
相手はポゼッションを世界で最も得意とする国であるため、簡単にボールを相手に渡す機会を増やす伊東が先発では攻撃する回数と時間が減ることが目に見えている。 そのためボールのロストが多い伊東を考えると、やはり最初に挙げた布陣が正しい気がする。
意外にボールが持てる場合
3-5-2にしなくてもボールが持てる可能性を考えてみる。 無理に堂安を下げなくても日本が最も慣れている4-2-3-1にすることができる。 逆に伊東を出すのであればFWかWBで考えていれば分かりやすいかもしれない。
4-2-3-1 伊東 久保 南野 堂安 守田、田中 長友、冨安、吉田、板倉
またこの布陣の場合、二列目で南野が中央に固執するのではなく、「久保、南野、堂安」は流れで入れ替わってほしい。 最近の南野の前を向けない癖が何とか出ないようにしなければならない。
南野の癖が出てしまう場合は、以下になる。
4-2-3-1 南野 久保 堂安 伊東 守田、田中 長友、冨安、吉田、板倉
基準となる戦術はラインコントロール
まず最初に挙げた布陣を基本とする。 大前提となる戦術は、「冨安、吉田、板倉」の3センターバックがラインを下げすぎないようにラインをコントロールする。 続いて状況を見ながらWBの長友(三笘)か酒井(伊東、相馬)が上下して数的優位を模索。 可能であれば久保(鎌田)か堂安が下がることになるが、これでディフェンスの2列を形成する。
ドイツ戦を見る限り、スペインが日本を格下相手として積極的なラインコントロールをしなければ勝機があるのでは無いだろうか。 ラインコントロールを積極的にしてきたならば、ディフェンスラインの裏へボールを入れていくことになる。
先に上げた布陣ではラインの裏へ走り込むことが得意な選手が居ないが、恐らく日本選手も過密スケジュールでスプリント能力も落ちているのではないかと想像している。 この布陣であれば南野がやるしかない。
前半の基本攻撃はカウンター
攻撃は基本的に久保、堂安、南野の3人でカウンターを目指す。 出来れば両WBである体力バカの長友と(出ていたら)伊東が前半で燃え尽きる覚悟で走って攻め上がってほしい。 恐らく田中も相当疲労が溜まっているに違いない。 後半から柴崎岳に交代するかもしれないことを考えたら、前半で燃え尽きる覚悟で守備をするしか無い。
カウンターが駄目な時はポゼッションに切り替える。 久保、堂安、守田(出ていたら柴崎)が中盤を作る。 南野はドリブルで下がらなかった久保か堂安とシュートまで行ってほしい。 長友と酒井は様子を見ながらオプションで上がる。
無理をせずにポゼッションを目指す
ポゼッションサッカーを行う場合、日本は体力的に厳しい戦いとなる。 相手のスペインは世界で最もボールの保持率を上げるポゼッションサッカーを得意とする。 そのスペインにポゼッションで挑むことを考えると、簡単にボールをロスト(相手に渡す)ことはできない。
そのスペインからポゼッションをするには超えるべき壁が大きく三つある。
- まずはラインコントロールでハイプレスを掛けてボールを奪う。
- GK(ゴールキーパー)からセンターバックへボールを入れた後、センターバックが大きく開く動き。
- ボールを持ってないときに動くオフザボール。 スペイン選手の相手の間に顔を出す動きや、味方と重ならない動き、相手のディフェンスラインに入ったまま動き直さない。
相手も改良型カテナチオを使用するのでポゼッションは難しいことに間違いはないのだが、ドイツができていたのでできないことはないはずである。
後半はスピードスターを投入する
ビリーの考えでは、第一にボールロストに危険を感じる。 そのため後半頭からは三笘を入れる。 ビリーの考えではスタメンに伊東を入れていないので、伊東、浅野の順でスピードスターたちを投入するだろう。
浅野 伊東 南野 三笘 酒井 守田、田中 冨安、吉田、板倉
センターバックでフル出場を続けている吉田、板倉辺りも限界に達しているだろう。 そのため、もしかしたらセンターバックは前半最初から、「長友、伊藤、冨安、酒井」の4バックかもしれない。
最後は酒井を誰かに。 最後の最後ではないが、守田を柴崎にする可能性もあるが、伊藤同様にバックパサーになるのではないかとの危惧はある。
後の楽しみは本番まで待つこととする。
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