ビギナー向け!サッカーの戦術ブログ

サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)をビギナー(初心者)でも分かるように分析します!土曜日の19時更新目標!

MENU

【カタールW杯 戦術分析】日本 vs スペイン 後半【“三笘の1ミリ”を呼びこんだショートカウンター】

※ 当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれる場合があります。

【ads by google】

 日本対スペイン戦の後半。
日本は3CB全員が前半でイエローカードをもらう状態で判定に偏りを感じる。

日本代表は343のシステム(フォーメーション)。

後半頭から選手を交代する。
長友 → 三笘
久保 → 堂安

前田
鎌田  堂安
三笘     伊東
守田 田中
谷口 吉田 板倉

スペイン代表は433のシステム。

モラタ
   オルモ    ウィリアムズJr.
ペドリ  ガビ
ブスケツ
バルデ パウ ロドリ カルバハル

【日本対スペイン】
勝つための戦術予想
・試合後詳細分析 前半、後半(当記事)
試合後のシステム分析

後半も戦術を修正しきれない日本代表

 スペイン戦の後半開始早々、日本はボール回しを行うがそこでも日本の古い戦術が浮き彫りとなる。

 スペインは世界でも有数のポゼッションサッカーが得意な国であり、ゾーンプレスにも長けたチームである。
そのためGKを含めた数的優位でも負けると判断し、ディフェンスラインを厚くしたのかもしれない。

後半2:47 これから日本のお家芸!?ショートカウンターで同点

 後半から浅野に代えず、まだ走りきっていなかったのか前田のままだった。
日本代表が前線からプレスを掛け続けショートカウンター狙う中、スペインは一般的にクリアするボールを無理にでもつなごうとした結果、後半の2:47に堂安がゴールを決める。

 これからは交代戦術とショートカウンターを組み合わせた戦術が定着するかもしれない。

日本が目指すショートカウンターの戦術
実際に日本が行っているプレス戦術

後半5:13 ビルドアップから日本代表が追加点

 現在の日本代表の戦術はショートカウンターだけではない。
交代戦術から出場する選手が左右で仕掛け、5:13に田中碧が押し込むことに成功する。

折り返した三笘のセンタリングは長いVAR判定の結果出ていないと判定され、W杯カタール大会で最も有名な判定の一つとなった。

後半11:00 スペイン選手交代

・モラタ→アセンシオ
・ウィリアムズ→F.トーレス
 ここでようやくスペインの前三人が本来のスタメンに戻ることになった。

アセンシオ
 オルモ      F.トーレス
ペドリ  ガビ
ブスケツ
バルデ パウ ロドリ カルバハル

後半16:00 日本選手交代

・FW前田 → 浅野

浅野
鎌田  堂安
三笘     伊東
守田 田中
谷口 吉田 板倉

スペインの戦術は前後半とも同じ

 前半でも挙げた通り、スペインは日本の両WBのラインコントロールの技術を見て、日本代表のディフェンスラインを下げる戦術を使ってきた。

スペインのシステムは433で、赤マーカーの両WGが日本代表のディフェンスライン(青線)を押し下げる役に徹することで3CBを無力化できる。

両サイドの広く空いた赤丸部分に両SBが上がると、中央ではスペイン6人に対して日本も5~6人。

スペインは黄エリアで広くポゼッションを繰り返し日本代表のディフェンスラインの裏(下写真の赤エリア)をつく戦術。

ゾーンプレスとエリア戦術

 日本代表は黄エリアの中央にボールが入った瞬間、中央の全員が密集してボールを奪うゾーンプレスで対抗する。
ゾーンプレスとエリア戦術のカテナチオ

写真は日本代表にボールを取られた瞬間。

 スペインWG2人でDF4人(2CBと2WB)を無力化し、日本代表のディフェンスラインで数的優位を2人作る状態。
中央のCB吉田はスペインFWにマンツーマンで付き、中央の人数に対応する。

W杯にふさわしい攻防を繰り広げていた。

後半22:30 スペインと日本選手交代

【スペイン代表】
・ガビ→アンス・ファティ
・バルデ→ジョルディ・アルバ
オルモが左WGから右OMに下がる。
スペインは交代枠5の全てを使い切る。
ジョルディ・アルバFCバルセロナに所属し、世界最高峰の左SBと言われる。

アセンシオ
アンス・ファティ    F.トーレス  
ペドリ   オルモ
ブスケツ
ジョルディ・アルバ パウ ロドリコ カルバハル

【日本代表】
・鎌田→冨安
・伊東が右WBから左SHへ。
 伊東が幾つもポジションができるポリバレントを発揮し、日本は最小限のメンバー交代でシステム変更を行った。
 日本の交代枠は残り1。

前田
伊東  堂安
三笘     冨安
守田 田中
谷口 吉田 板倉

システム的にはWB(三笘、冨安)だが、三笘はSHとSB、冨安はSBに見える。
冨安は攻撃に参加せず、ジョルディ・アルバをマンツーマンでマークするのだろう。

スペインの選手交代により流れが変わる

 後半本田圭佑氏は「スペインの左SBのバルデが機能していない」と指摘する。
ジョルディ・アルバに代わった途端にスペインのボールポゼッションはさらに上がり、日本代表は防戦一方となる。

前半スタメンを発表した時に本田圭佑氏が出した疑問『スペインは選手とポジションを5人も代えて機能するのか?』がピタリと当たっていたことになる。

 スペインは日本を1ランクではなく2ランク格下に設定し、若手選手の育成と体力の温存をしたつもりだったのだろう。

後半41:30 日本選手交代

【日本代表】田中碧→遠藤
 遠藤は膝の痛みにより練習ができていなかったが、実況の寺川俊平氏は「遠藤を入れて守備の強度を上げるのだろう」と予測。
恐らく冨安とジョルディ・アルバ対策の守備固め。

前田
伊東  堂安
三笘     冨安
守田 遠藤
谷口 吉田 板倉

圧倒的なポゼッションを誇るスペイン

 試合終了時のボール支配率の比は『日本:スペイン=17:83』と言う圧倒的な差であった。
スペインはグループステージ1位を避けると思われていた通り、また本田圭佑氏の予想通り日本は勝つことができた。

恐らくはスペインもプラン通りと言った結果なのではないだろうか。