スペインは日本が見本としたい「ティキタカ」と言われるボールをキープするサッカーをする。
「シャビ、イニエスタ、シャビアロンソ、プジョル…」のイメージが強過ぎるせいか、ビリーには勝てるイメージが無かった。さらにスペインはW杯カタール大会第二戦のコスタリカ戦でも大量の7得点をとったため、今回も付け入る隙は無いとすら思っていた。
【日本対スペイン】
・勝つための戦術予想
・試合後の詳細分析 前半、後半
・試合後のシステム分析(当記事)
また4年前の情報で予想をするのも恥ずかしいのだが、ビリーはドイツとコスタリカ戦で勝ってスペインに負けるか引き分けをイメージしていたのだが、森保監督は「ドイツ戦で引き分けを狙い、コスタリカとスペイン戦で勝つ」というイメージだったらしい。
日本代表の守備での課題はラインコントロール
スペイン戦の前に散々予想や対策を考えたのですが、「後から考えたらこんなシステムでも良かったんじゃないのか」を考えました。
①森保監督が選んだスタメン。
前田
久保 鎌田
長友 伊東
田中 守田
谷口 吉田 板倉
理論上DFのラインコントロールは人数が少ない分4バックよりも3バックの方がしやすいはずであるが、343や352の場合、両サイドのWBが降りてきたときは3~5バックにもなる。
そこで日本の経験値の無さが露呈してしまった。
長友を左、伊東を右WBにしたことでラインコントロールが崩壊した。
WBにもラインコントロールの技術が必要
本来FWの伊東は4231のSHとしても最低限機能するとは思っていたのだが、ディフェンスラインに入るWBとしてラインコントロールの技術が無かった。
ビリーはラインコントロールの必要性から先発予想を伊東ではなく酒井としていたのだが、まさか伊東をWBとして先発させるとは思わなかった。(下記注)
右WBを伊東ではなく酒井かラインコントロールをできる誰かにすれば急造でもディフェンスラインを高めにできたと思われる。酒井は怪我だろうか?
現日本代表であれだけいい動きができる右SBは他にいない。
そもそもラインコントロールが三世代前だったのを板倉、冨安によりコントロールし直そうとしたのだが、スペイン戦では両WBを長友と伊東にしたことで従来のラインコントロールに戻ってしまった。
(注)本当はまさか伊東を先発させるとは思わず、WBがラインコントロールに参加することを忘れてたましたw
343の2WBではなく、SHとSBの組み合わせた4231のシステム
もしくは日本代表が第二戦のコスタリカ戦後半の冒頭で考えた4バックの可変システムを採用し、左サイドの長友はSH、右サイドはSBの動きを基本とする4231でも良かった。
【11月27日】グループE 日本vsコスタリカ ②後半(冒頭のシステムを参考)
以下は後から考えるとこんな方法もあったのではと言う戦術とシステム。
②4231の可変システム
右SBが上がった343の状態。
前田
久保 堂安
長友 SB
田中 守田
谷口 吉田 板倉
右SBが下がり4231の状態。
前田
長友 久保 堂安
田中 守田
谷口 吉田 板倉 SB
長友は左SHとして中盤でマンツーマンディフェンスにし、ディフェンスラインには入らないか後から入るようにする。
谷口、吉田、板倉、SBが安定してラインコントロールを行えば、長友が多少乱してもやり遂げたと予想する。
鎌田は前二試合を出続けていため疲労の蓄積が目立ち、思うようにパフォーマンスできていなかったように見えた。
そのため鎌田ではなく久保と堂安にした方が安定すると思われる。
第三の案、左SHを別の人に代える
4バックであれば長友に拘る必要はなく、思い切って長友を使わない選択肢を考える。この場合守備では4411になる。
③長友を出さない案。
前田
久保 鎌田 堂安
田中 守田
谷口 吉田 板倉 SB
ただ長友を上げればラインコントロールが完全になるわけではないため、この案がただの青写真であることは間違いない。
④左WBを三笘、右SHを堂安
前田
久保 鎌田 堂安
田中 守田
三笘 谷口 吉田 板倉
この場合は後半から三笘の交代戦術は使えず、浅野と伊東だけとなる。
『戦術三笘』には長友が欠かせない存在だった
ラインコントロールができないとは言え、長友は経験やスピード、フィジカルも兼ね備えるレベルの高い選手である。
ただし中三日の地獄の日程で気温が高く、瞬発力が回復できたかすら疑わしい中、三笘を先発させると『戦術三笘』ができたとは思えなかった。
これ以上に詳しい内容は、冒頭のリンク先にある『詳細分析前半、後半』を御覧ください。