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サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)をビギナー(初心者)でも分かるように分析します!土曜日の19時更新目標!

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⑤【カタールW杯の後】W杯ベスト8の壁を突破するシステム変更とポジショニング能力とは

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W杯ベスト8の壁を突破するシステム変更とポジショニング

 W杯は個人技と戦術の融合が求められる舞台。日本代表もベスト8を目指すためには、壮絶な壁を乗り越えねばなりません。この記事では、W杯ベスト8の壁について整理し、日本代表が克服すべきポイントを解説します。カタールW杯戦術、ポジションチェンジ、可変システム(システム変更)に焦点を当てて、日本代表の成績向上に向けた戦術分析をお届けします。

W杯ベスト8の壁はシステム変更とポジショニングの能力

 カタールW杯で世界のトレンド戦術を分析したところ、日本代表にとってのベスト8の壁を以下だと結論づけた。

  1. ラインコントロール
    攻守両方で重要な役割を果たすポジショニング。
  2. 可変システムでの複数のシステム変更
    相手の得意なスタイルを消すシステムや守備戦術。
    ボールを前線へ運ぶビルドアップのシステム変更。
    味方の得意なスタイルを活かすシステムや相手の弱点、虚を突く攻撃戦術。
  3. ポリバレントさが無い
    複数のポジションを正確にこなす能力が足りない。

これら全てにポジショニングの能力が関係しているのだが、日本代表にはポジショニングの文化が無いとすら言える。

 

日本が格下相手に格上のサッカーができない原因
 日本はシステム変更などの戦術にバリエーションがないため、相手の攻守や戦術によらず「自分たちのサッカー」を貫くしかない。
自分たちのサッカーに対策を立てられた途端に何もできなくなるのだ。

ラインコントロールのポジショニング

 ラインコントロールは守備戦術として非常に重要だが、攻撃戦術に関しても重要な役割を果たす。
ラインコントロールに関しては散々話してきたので、下記を御覧ください。

【参考】ラインコントロールとシステム変更

システム変更の文化が無い日本代表とポジショニング

 下図左側のように、カタールW杯前の日本は4231を基本とし、SBが上下することで中盤に参加する程度であった。

 ドイツ戦の後半からは343に変え、両WBの上下に加えて板倉が必要に応じて一列上がる等の対応を見せていたが、ラインコントロールに加えて全体的なシステム変更の文化が無い。

図.SBやWBのオーバーラップ

日本代表の4231と343のシステム変更はサイドが上がるだけ

 世界のトレンド戦術では、フィールドのあらゆる高さで数的有利を作るためのシステムが用意されている。

【参考】GKから始めるポゼッションサッカーとビルドアップ

システム変更によるポジションの変更

 似たようなポジションでも、一緒にプレイする味方のプレイスタイルでも、システム変更をすれば仮にフィールドで同じ場所にいたとしても微妙に役割やプレイの割合は変わる。

例えば433から343へのシステム変更の例で考えてみよう。

図.433から343へのシステム変更①

433から343へのシステム変更①

ポジションはどの様に代わり、プレイの割合や役割はどの様に変化するだろうか。
下の図を見る前に貴方なりにポジションの記号を書いてみてほしい。

図.433から343へのシステム変更②

433から343へのシステム変更②

  • SBのWB化
    SBからWBに代わり、WGやSHの要素が強くなる。
    しかしDFとして守るときはラインコントロールに加わり、DFになる必要がある。
  • アンカーのCB化
    全体が押し上がることでアンカーは中央のCBになる。
  • DMのOM化
    二人のDMの内、片方もしくは両方が上下することで、中央のバランスを取ることになる。
    二人のDMが両方とも攻撃的な場合、SBがWBではなく偽SBとして中央に入りDMとして機能することもあり、メンバーや状況に応じて決めておく必要がある。
  • WGのCM化
    WBのプレイスタイルやマークマンによって、WGはCMやWGとして機能する。
    WGやWBはチーム内で決められた攻撃パターン以外は自由なポジションと言える。

システム変更にはポリバレントになる必要がある

 ポリバレントとは複数のポジションを正確にできること。
複数のポジションが出来るようになると味方にいてほしいポジションが分かるようになり、自身も正確なポジショニングができるようになる。

日本代表は可変システムで個人技と組織力が融合する戦術を目指せ!

 ゲーム中にシステム変更を繰り返すことを可変システムと言うが、世界最先端の戦術では可変システムが当然である。

クロアチアとブラジルのように、お互いが得意な攻撃戦術を消し合うように攻守の戦術をぶつけた結果、最終的には全員が1対1を続ける、まるで戦術が生まれる前のような状態になる可能性すらある。

 2023年現在、日本代表選手のポジショニング能力は低いが、日本代表が本当の可変システムを習得するまでの道筋を考えてみた。

【日本代表が段階的に取り入れるべき戦術】

  1. まずはアイソレーションにより個人の能力を活かす。
  2. できるトレンド戦術から取り入れる。
  3. 小さな可変システムでシステム変更を行う。
    4231のSB、343のWBなど両サイドだけが上下することで出来るシステム変更から始める。
  4. 大きな可変システムでシステム変更を行う。
    433から343など全体がシステム変更を習得する。
  5. 高さによって最適なビルドアップが出来るようなシステム変更を習得する。
  6. あらゆる攻撃ができるようにトータルフットボールを目指す。
    相手のウィークポイントをつけるようなシステム変更や戦術を目指す。

ポリバレントな選手はポジショニングの能力が高い

 このようなポジションチェンジの能力や一般的に入れ替わるポジションチェンジを繰り返すと、ボールを貰う時のポジショニングや味方のためにマークをおびき寄せるポジショニングの能力も向上する。

日本がトレンド戦術や最先端の戦術を追従するには、ポジショニングの能力を高めるしかない。

日本代表が現状で取り入れるべき選手の能力とはまさにポジショニングの能力なのだ。

複数のポジションを正確にこなす具体的なポジショニング能力

 システム変更の文化が無ければ必然とポジショニングの文化も発達することがない。

ラインコントロールやこのシステム変更に必要な技術はポジショニングの能力だ。
日本代表に必要となるポジショニングの能力をより具体的にする。

  • システム変更時のポジションの動き
  • 味方と入れ代わった時の動き
    複数のポジションを正確にこなす能力。
  • マークを外してパスを貰うための動き
  • ワンツーやスペースへのダッシュなど味方との連携
  • 味方のマークを誘導する動き
  • 相手のディフェンスラインを下げる動き

 

今こそポリバレントに!?
複数のポジションが出来る能力をポリバレントと言うが、ポリバレントを意識すればポジショニングの能力は当然増すことになる。
そのため普段からポジションを変える練習を組み込むべきである。