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サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)をビギナー(初心者)でも分かるように分析します!土曜日の19時更新目標!

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⑥【2023年3月キリンチャレンジカップ-コロンビア戦(前半)】真のシステムを模索しメンバーの適正を試す

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 新生森保ジャパン第2戦目は南米の雄コロンビア。

前戦のウルグアイ戦では偽SBやビルドアップなど、これからの日本代表が中心とする戦術と採用するべき戦術を中心に試した。

果たしてコロンビア戦では何を試すのか。

日本代表のスタメンとシステムの4231

町野
三笘 西村 伊東
鎌田 守田
バングーナ 伊藤 板倉 菅原   

 SNSでは「海外組ばかりでなぜJリーグ組を試さないのか」と書き込まれていたが、コロンビア戦では遂に町野(湘南ベルマーレ)と西村(横浜F・マリノス)らJリーグの選手もスタメンで起用された。

 鎌田をDM(ボランチ)で起用することで一昔前の代表の遠藤(ガンバ大阪→ジュビロ磐田)のような長いパスと後ろからのスルーパスを期待し、より攻撃的なシステムにできるかを試すようだ。

 ウルグアイ戦では三笘と左サイドを組んだ伊藤に批難が集中したが、バングーナガンデ佳史扶と組むことで三笘のビルドアップの能力が分かることになる。

コロンビアのスタメン

 コロンビアのFIFAランクは17位で、前世代ではコロンビアの英雄と呼ばれるファルカオが有名であり今回もベンチ入り。エースと言えばハメス・ロドリゲスではあるが、今回はベンチ外なのでベストメンバーとは言えない。

 かつては個人技だけの南米と言われていたが、もはやその面影は無い。
強さと速さ、個人技に加えて全体が連携する組織戦術は日本を圧倒する可能性すらある。
日本はホームの利点を活かすことで互角に見えるかもしれないが、内容の差は大きいと予想される。

コロンビアのシステム予想は2つに分かれていたので両方記載。

システムの442

  ボレ  ドゥラン
カラスカル     アリアス  
カスタニョ  ウリベ  
マチャド ルクミ サンチェス ムニョス

システムの433

カラスカル
 ボレ     ドゥラン
アリアス   ウリベ
カスタニョ
マチャド ルクミ サンチェス ムニョス

コロンビア戦でシステムとメンバーの適性を模索!?

 コロンビア戦ではその戦術とシステムを踏まえ、メンバーを入れ替えて適性を試すようだ。

代表のメンバーにとっては、戦術とシステムに適正出来るとアピール争いになる。

 以下は試合展開で気になった順に書いていく。

鎌田はDMに適正を見せることが出来るか!?

 鎌田はカタールW杯予選から南野とともにCMFとしてチームの中心になり、チーム一番の貢献者と言っても過言ではなかった。
日本代表がより攻撃的になるためのシステムとして鎌田がDMへと下がり、鎌田と守田の攻撃的なDMからでもゲームメイクに参加するシステムを模索している。

 守田のプレイは安定しているが、鎌田は慣れないためかDFからボールを貰う時にターンができない(前が向けない)。その結果DFは鎌田ではなく守田にパスを出さなければ攻撃ができない状況が続く。

このプレイ内容から鎌田はDMの適性が無いと判断せざるを得ないが、433か4141のシステムであれば面白いことになる。

町野
三笘     伊東
鎌田 西村
守田
バングーナ 伊藤 板倉 菅原  
シュミット

このように433にすればビルドアップの際に守田の両横が偽SBのスペースとして使いやすくなり、全体的にポジショニングも分かりやすくなる。

偽SBをしながらダイヤモンド型ではなく横並びの343のシステムになるため、攻撃にもスムーズに移行できるかもしれない。

三笘のビルドアップは代表レベルか!?

 ウルグアイ戦では左サイドを伊藤と組んでお互いが良さを消し合う結果となった三笘だが、今回はバングーナガンデ佳史扶と組むこととなった。
ウルグアイ戦では偽SBの初実戦ということもあり大げさに入れ替わっていたが、コロンビア戦では入れ替わりすぎないようにバングーナが抑えた印象だった。

ブライトンでの三笘の役割はフィニッシャー

 左サイドでSH三笘がSB伊藤やバングーナとコンビを組んだところを見ると、「三笘はアイソレーションによる1対1では無類の強さを見せる」が、ビルドアップやポジションが変わると途端に何もできなくなるようだ。

 多くの人が三笘がマルチプレイヤーだと勘違いしているが、所属するブライトンでも4/8のトットナム戦を見る限りビルドアップには関わらないポジショニングをしている。

つまり三笘のビルドアップ能力が低いと分かっているので、WGかトップの位置で最後に仕掛けるだけの役割に絞らされているようだ。

三笘の得点能力を活かす戦術の選択を!

 日本代表に限らず、日本は万能な選手を好み特定の分野のスペシャリストを拒絶する雰囲気がある。ビルドアップも出来るに越したことは無いが、今現在日本代表が優先するべきは三笘の得点能力でありビルドアップではない。

その点も含めて343の左WGが三笘のベストポジションではあるのだが、コロンビア戦のように2CBの4231で左SHに入った途端に輝きを失うことになる。

菅原とバングーナ、西村、町野は代表レベルか!?

 右SBの菅原はコロンビア戦ですでに代表レベルであることを証明した。今後右SBのレギュラーは酒井宏樹か菅原になることは間違いない。
もし次回のW杯メンバーに選ばれるとしたら、菅原が右SB、酒井宏樹がCBと右SB、(左SB)として名を連ねるだろう。

 左SBのバングーナは安定し、とても21歳でパリオリンピック世代とは思えない堂々たるプレイですでに代表レベルであることは間違いない。元がFWだけあって攻撃参加も得意とされている。
そのため今後は代表でも左SB、WB、WG、CBなど復数のポジションを任されることが予想される。

 前線にいる西村町野も代表争いに間違いなく食い込む選手である。
しかし日本代表はラインコントロールが低いままハイプレスの戦術を採用しており、守備時から二人の負担が大きい。

ラインコントロールで相手FWを無力化しなければ中盤から前線で数的優位が作れないため前線の選手が守備で体力を使ってしまい、本来攻撃で使うスプリント能力である瞬発力を活かせない状態になる。

西村や町野に限らず、前線の選手が本当の能力を発揮するのはラインコントロールが成熟してからとなる。

日本代表FWが得点能力で輝け無い理由は、ラインコントロールにある。
【参考】ラインコントロールと数的優位の作り方

新生森保ジャパンは圧倒的な存在に!?トレンド戦術を取り入れ進化中

 コロンビア戦では世界のトレンド戦術に追いつけるように様々なシステムとメンバーの適正を試した。

森保ジャパンは欧州組やJリーガーが集まり日本人だけになると戦術やシステムが途端に機能しなくなる原因を予想し、コロンビア戦はその予想を確信に変える試合だったと思われる。

これだけの多くのことをウルグアイ戦とコロンビア戦のたった2戦で試したのだから、新生森保ジャパンは間違いなく次のW杯でベスト8を狙い進化を始めたと言える。

DFは偽SBのシステムに適正を見せることが出来るか!?

 偽SBの適正は何もSBだけが必要となる動きではなく、CBやSH、DMが連携して動かなければ完成しない動きだ。

ウルグアイ戦、コロンビア戦と見る限り偽SBが機能しない原因は、CBの距離が近すぎることと左SHの三笘のポジショニング能力が低く、ビルドアップの能力が著しく低いため連携ができないのだ。

左サイドは三笘が交代し、伊東とバングーナ、伊東と伊藤のコンビに代わった途端に活性化したことが何よりの証拠だろう。

【参考】
ディフェンシブサードでGKからのポゼッションと偽SB
ミドルサードでのポゼッションと偽SB

基本システムの343とオプションの4231

 森保監督は現在招集されているメンバーの能力を全員活かし切るための恐ろしいシステム343を作り上げている途中である。
未だに選手が森保監督の掲げる理想的なシステム変更やポジショニングに追いつけていないのだが、4231でも攻撃時には343になれるように採用したSBの動きが偽SBと言う訳だ。

図.4231から343へのシステム変更の例(横並びとダイヤモンド型)

中央が横並びの343

 343のシステムでは両サイドのWBが上下するだけで自然とビルドアップやゲームメイクにも参加する。

伊東
久保  堂安
三笘     菅原
守田 遠藤
伊藤 瀬古 板倉

343とWBのシステムでは、日本代表が苦手とする「ディフェンシブサードでのポゼッションのシステム」が現状ではCBが近すぎるものの、WBの二人が下がることで自然とできる。

今まで日本代表で標準とされてきた4231

 3CBが揃わない場合は2CBの4231や433のシステムが予想される。鎌田を入れるのであれば433でも良いのではないかとも思う。

伊東
三笘 久保 堂安
守田 遠藤
伊藤 瀬古 板倉 菅原

中央がダイヤモンド型の343

 4231などの2CBではシステム変更することで擬似的な3CBになり、偽SBになれるというわけだ。
偽SBの伊藤と菅原は中へ入っても外に出ても良いのだが、左サイドは三笘のビルドアップ能力が低いために周りとの連携が課題となった。

伊東
三笘 久保 堂安
伊藤      菅原
守田
瀬古 遠藤 板倉

 2CBのシステムではポゼッションをしながらシステム変更が強いられるため、ポジショニングが特に苦手な日本代表ではバランスがいつも崩れ、攻撃のリズムが作れない。

これはシステムが悪いのではなく、CBが近すぎることと、全員のポジショニング能力が低いことが原因である。

【カテゴリー】
第2次森保ジャパンの初陣「キリンチャレンジカップ」