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サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)をビギナー(初心者)でも分かるように分析します!

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⑨【2023年3月キリンチャレンジカップ】日本代表戦術分析 - アイソレーションと戦術の日本化

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 サッカーの戦術の目的の一つは「各選手の得意なプレイを引き出し、苦手なプレイは出さないようにする」である。

欧州でも通用するドリブラーたちが出てきた現在、連携攻撃の中にアイソレーションを織り交ぜることこそ2023年3月の日本代表の戦術だと分析した。

そこで今回は、最後にドリブラーが仕掛ける際に備え、パスが得意な人はパス役を、ドリブルが得意な人はドリブルが出来る状況を作るためのビルドアップシステム変更を考えてみる。

戦術の日本化は世界のトレンドより複雑!?

 2023年3月のキリンチャレンジカップは「偽SB」以外は予想通りすぎて重複することになる。そのためこれから日本代表に加えてほしい戦術を考えた。

アイソレーションありきのシステム

 三笘や久保、伊東、堂安など日本代表でも世界に通じるドリブラーが出てきたので、そのドリブラーを活かすアイソレーションが必須である。

アイソレーション役のドリブラーを活かすためにも連携攻撃が中心となり、ボールとは逆サイドでドリブラーが待ち構える算段だ。

連携攻撃を活かすシステム変更

 システムの図や連携を考えると常に左右対称を考えがちだが、実際は左右非対称でもビルドアップできれば良い。

ビルドアップのためのポジションチェンジとシステム変更、ポジショニング
※冨安が怪我をする前に書いていたので図の「冨安→伊藤」へ変更。

例えば上図左側では343で線対称だが、名前が赤い選手たちが最後ドリブルで仕掛けるためのシステムである。

常に全員がではなく誰か一人がアイソレーションのポジショニングをとり、ドリブルで仕掛けられるビルドアップが目標となる。

アイソレーションのポジショニングとは、「ディフェンスラインの裏を取る」か「フリーになってドリブルで仕掛ける」ためのポジショニングを行い、周りは合わせてビルドアップをする。

三者三様の得意分野を活かすためのビルドアップ

 上図左側から右側に移行するビルドアップでは以下の流れとなる。
まずSBの伊藤と菅原が一列上がる。

伊東
三笘 久保 堂安
伊藤 守田 遠藤 菅原
瀬古  板倉
シュミット

上図右側からさらにSB(冨安、菅原)が中に絞り、さらに守田が上がり、かなり押し込めた状態では偽SBを採用する。

久保 伊東
三笘  守田  堂安
伊藤 遠藤 菅原
瀬古  板倉
シュミット

森保監督は守田ではなく鎌田がCMFに入るためにこのシステムを試したのだが、鎌田がDMFに適正を見せなかった。
しかし現時点ではこのシステムが最終目標と言えるだろう。

コロンビア戦の終盤ではこのメンバーでこのシステムを試したようだが、中央に入った守田がCMFの役割をこなせていなかった印象がある。 

これからの日本代表は「戦術久保」が中心に!?

 上図右側であれば久保がCMFとして中央に残ってパス役になった方が現実的と言え、三笘伊東堂安の誰か一人がアイソレーションとして仕掛けられれば良い。

 久保がCMF、三笘SHになることで4231のシステムに。

伊東
三笘 久保 堂安
守田 遠藤
伊藤 瀬古 板倉 菅原
シュミット

押し込めて守田がCMFに上がった場合は久保も仕掛ける側に回るが、久保はディフェンスラインから、中盤、前線でのビルドアップ全てに関わることになる。

 

これからは「戦術久保」が中心になる!?

 現在好調の久保は全てのポジションにおいて適応ができていたことからも、今後の中心は久保になる可能性も高まったと言える。

世界レベルではこの状態を「戦術久保」と呼び、メッシやモドリッチなどと同様の戦術となる。

 

 

交代戦術も健在!?日本代表メンバーは人材の宝庫だった

 怪我で離脱したメンバーや招集外までを考えると、現状の日本代表の未来は恐ろしく明るいと分かった。

新生森保ジャパンの掲げる戦術も急速に進化中であり、システム変更や連携の練度が上がれば世界トップレベルと渡り合えるのではないかと過度な期待さえしてしまう。

DFも人材の宝庫だと分かった

 今回のキリンチャレンジカップで菅原が代表でも充分通用することが証明されたので、瀬古や角田が代表レベルで通用すると日本代表の層は急激に厚いことになる。

本来居るべき冨安は本職が右SBで、日本代表ではCBをこなす。

アーセナルでは左右のSBまでをこなす選手であるため、日本代表ではDFとしてどこでも出来る。

 すると日本代表でDFを出来る選手は、酒井宏、板倉、冨安谷口、伊藤、菅原、角田、瀬古と2チーム出来るほどである。
※太字は招集外。

MFはいつも余るほど豊富

 日本代表では10年以上前の黄金世代から人材が豊富である。
現在では三笘、久保、中島翔哉、鎌田、南野、堂安、伊東、守田、遠藤、田中碧、柴崎岳とあり余っている。
※太字は招集外。

FWは戦術で選ぶか交代戦術か

 正直FWはどこの国も特別な選手を欲しがり、日本だけ居ないわけではない。

目標とする戦術が完成すれば今回右SBを菅原、右SHを堂安が居たことで所属チームと同様に伊東を中央のFWとして起用しても良いのではないだろうか。

伊東は現在調子も良く、カタールW杯でWGやSH、WBで起用され、幅広いプレイが行える。

次回大会でも同じことが言えるとは限らないが、現状では恐ろしい体力を持ち合わせているため、交代戦術では勿体ない存在と言える。

日本代表の作成可能なシステム

 上記までの日本代表レベルのメンバーであればあらゆるシステムを作ることが出来る。

メンバーは調子の良い人や個人的に見てみたい人、ウルグアイ戦を見た内容から選んでみた。

森保ジャパンのメインシステムは343か433

 今回のDF招集メンバーは長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹を世代交代のためか呼ばず、中心となるはずの冨安も大怪我で離脱し急遽4バックとなったと予想される。
もしCBの人数が揃えば三笘や久保、伊東の単独突破を活かすためのシステムとして、今後は343、もしくは343へシステム変更ができる433が主流となるだろう。

伊東
久保   堂安
三笘      菅原
守田 遠藤
冨安 谷口 板倉
シュミット

三笘と伊藤が入れ替わることも想定すると、伊藤のパスから久保と伊東がターゲットとなることも出来る。

伊東
久保   堂安
三笘 守田 遠藤 菅原
谷口
冨安      板倉
シュミット

 復数のポジションをこなせるポリバレントの谷口や瀬古がCBで中央にいれば、GKから中盤のビルドアップで谷口(瀬古)がDMになり、数的有利を作れるようになる。
残念ながら現在の日本代表では、このGKから展開するシステムは不採用。

日本代表が最も活用したシステム4231

 現在調子の良い伊東、久保、三笘を左サイドに配置し、攻撃時は三人が独立して仕掛けることができる。
ディフェンス時は久保や堂安が下がれば自然と4411のカテナチオに移行でき、無駄なシステム変更が不要なシステム。

伊東
久保 鎌田 堂安
守田 遠藤
冨安 瀬古 板倉 菅原
シュミット

連携攻撃とアイソレーションを活かす日本代表のシステム433

 今回は吉田の世代交代や冨安の怪我によりCBが足りなくなったためにCBが3人の343は試せなかったが、以下のシステムも見てみたい。

伊東
久保    堂安
守田 遠藤
田中碧
三笘 瀬古 板倉 菅原

押し込み具合によっては433にシステム変更ができる。

伊東
久保  堂安
三笘      菅原
守田 遠藤
瀬古 田中碧 板倉

このメンバーであれば右SBの菅原を無理に上げる必要はなく、上2つの中間で4231に落ち着けることも出来る。

伊東
三笘 久保 堂安
守田 遠藤
瀬古 田中碧 板倉 菅原

冨安が入れば何とも頼もしいシステムになるのではないかと胸が膨らむ。
瀬古と板倉が逆だろうか?

オプションになりえるシステム433

 仮にFW伊東であれば、南アフリカW杯で本田圭佑がやったようなゼロトップシステムもできるようになる。さらに伊東の場合本田圭佑よりもスピードが早く体力もあるため、前方でパスのターゲットになりながら相手DFを撹乱し、久保と堂安のアイソレーション戦術を引き立てることも出来る。
また左SBを三笘にすることで久保を追い越したときのアイソレーションも出来る。

 状況に応じて久保や鎌田がトップ下に入ることでひとつ上の4231になるが、上との違いは遠藤と鎌田を下げることで格上相手に対してビルドアップに掛ける人数を多めに設定したシステム。

伊東
久保     堂安
守田  鎌田
遠藤
三笘 冨安 板倉 菅原
シュミット

押し込めれば変形するかもしれない442

 こちらはSBの伊藤と菅原が高めの位置に上がりパサーとして機能した場合、三笘、久保、鎌田、堂安らがターゲットとなるシステム。
余程押し込めたりしない限りこういった状況にはならないだろうが、伊藤と菅原の能力を活かすことができればSBからシュートまでのビルドアップが出来るだろう。

久保 鎌田
三笘     堂安
守田 遠藤
冨安 瀬古 板倉 菅原
シュミット