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サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)をビギナー(初心者)でも分かるように分析します!

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⑩【2022年カタールW杯】クロアチア戦まで日本代表の戦術の変化とは

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 サッカー日本代表はアジアで格上の状態でありながらいつもギリギリの試合を演じ、某絶叫系解説者が「アジア予選では何が起きるか分からない」といつも言う印象が強いことに違和感を感じてきた。

【カタールW杯】クロアチア戦までの日本の戦術とシステム(フォーメーション)

絶叫系解説者・松○安太郎氏

カタールW杯では惜しくもクロアチアに破れてベスト16になったが、日本代表はどのようにして勝ってきたのだろうか…

【カタールW杯・アジア予選】日本代表の戦術に進化が見えない

 世界ではラインコントロールを復活させ、昔ほどではないにしてもオフサイドトラップの戦術を戻して数大会が過ぎていた。
しかしカタールW杯のアジア予選での日本代表は、未だマンツーマンを続けるディフェンスラインにも驚きを隠せなかった。

 アジアの中では未だ経済大国である日本は選手が安定して成長し、自力が増すことで勝ち進んだと言える状態だった。

【カタールW杯・グループステージ】急激に進化する日本代表の戦術と変化

 世間では「2敗(ドイツ、スペイン)1分(コスタリカ)」、ビリーはあわよくば「2勝(ドイツ、コスタリカ)1分(スペイン)」か「1勝(コスタリカ)、2分(ドイツ、スペイン)」と予想。

噂だが森保監督の予想は「1勝(コスタリカ)1敗(ドイツ)、1分(スペイン)」か「2勝(コスタリカ、スペイン)1敗(ドイツ)」と聞いた。

 正直日本代表選手の能力を考えれば勝てない相手ではないと踏んでいたのだが、どうやら名前にビビっていたようだ。
選手たちも後から「相手をリスペクトしすぎていた(ビビってペナルティエリア前までドン引きして前に出れなかった)」と表現しており、日本語と横文字はなんて便利なんだろうかと思ったほどだ。

ドイツ戦前半で気づき、ハーフタイムで修正し、後半から仕掛け出す

 各国は特に前半を「選手の体調や相手のシステムと戦術を見分けるため」に費やすのだが、森保監督は加えて日本の戦術の古さも確認したようだ。

前半途中からすでに対策を立て始めたかの様に見えたが、今思えば森保監督はカタールW杯開幕と同時に試合開始前から何パターンも想定していたのだろう。

日本代表は大会中に必要最小限で戦術の進化を始めたのだった。

森保監督には日本人らしい戦術が見えている!?343のプレス戦術

 今まで日本代表のシステムと言えば4231が主流だったが、森保監督は突如としてJリーグ監督時代に慣れ親しんだシステム343へと切り替えた。

前線からプレッシャーを掛けるハイプレス戦術では343とWBのシステムの方が適していると判断し、切り替えたそうだ。

この英断がカタールW杯で日本代表の戦術を急速に発達させるきっかけとなる。

343のシステムとWBをアイソレーションにし、ドリブラーたちが仕掛けることでメンバーの良さが爆発したのだ。

先駆けた『交代戦術』が世界を圧倒!?過酷な環境すらも味方につけた

 343のシステムをさらに素晴らしいものとした戦術が交代戦術だろう。

今大会は5人(脳震盪+1人)交代できるルール変更を活用し、前半ではハイプレス戦術に適した前田が、後半からは三笘のドリブルや浅野のカウンターにより局所的に圧倒するのだった。

先発は長友と前田、交代戦術の三笘と浅野が大成功

 過酷な環境や日程、そして体力的に3戦連続で三笘や浅野を先発させて差別化させるには無理があった。

交代戦術として前半は相手DFの体力を前田が奪い、後半の浅野がスピードを生かしてカウンターを仕掛け、見事戦術通りの結果をもたらした。

長友を先発させて安定させ、三笘の体力を温存させた。
後から分かったことだが、三笘はビルドアップへの参加が極端に苦手なため長友がいかに優秀な選手であったかが分かる。

 ビリーとしては三笘、浅野、伊東を後半から順次投入する想定だったのだが、伊東の有り余る体力を優先してスタメンとしている印象だった。

だがそのせいでラインコントロールを失うことにもなったのだった。

 この選手交代による局所的勝負に気合と根性を合わせて勝つ、これが現在の日本サッカーであった。

【カタールW杯・ノックアウトステージ】クロアチアの卓越した戦術

 予選を見て大した能力は無いと分析し、クロアチアは消耗していたせいもあり日本を突き放すほどの体力が残っているようには見えなかった。

しかし実際クロアチアには付け焼き刃では勝てない伝統とも言える程の実力の差があった。

 大げさに言えば、日本はカタールW杯が始まってから「自分達のサッカー」から脱却し始めたばかりだが、クロアチアは常に数パターンを持ち、相手が苦手とするスタイルに変える。

世界でもシステムや戦術を変えないチームの方が珍しいが、日本がサッカーの戦術において後進国である理由が確信に変わった気がした。

クロアチアの幅広い戦術で日本代表の良さが消される

 日本代表は交代戦術をメインにしていたため、前半ハイプレス戦術、後半からはアイソレーションによる仕掛け、試合を通してゾーンプレスを予定していた。

ところがクロアチアはハイプレスとゾーンプレスを簡単に破る戦術を行った。

基本システムは同様のまま、単純にクロアチア選手の距離を広くすることで日本選手のマークマン以外が近寄れないゾーンプレス破りを行ったのだ。

一見簡単そうに見えるゾーンプレス破りだが、「1対1で絶対に負けず、パスも強く正確に出す」必要がある。

試合を見返すと分かるが、クロアチア代表選手と比べると日本代表選手たちが下手に見えるほどなのだ。

 日本代表にゾーンプレス破りの戦術は無いため、日本代表が計画していたゾーンプレスを逆にやられることで交代戦術も機能しなくなり、モドリッチによるカウンターを狙われる試合展開となった。

 日本はベスト8を目前に、ここで負ける事となった。

森保監督と日本代表は高評価を得たが…

 大会後に森保監督は全監督中3位の評価をされ、日本代表への評価も上々だったことからも、想定以上にドタバタする日本代表の内情を感じる人はあまり居ないように感じた。