W杯カタール大会に向かい、日本代表の戦術を考える。ビリーとしてはポゼッションよりもまずはカウンターを主体とした「奪取、展開、速攻」を心がけてほしい。ちなみに岡田監督のスローガンは「接近、展開、連続」である。
W杯後にメインサイトからサッカーの記事を独立させ加筆修正を行っているため、時系列が入り乱れることになります。ご了承くださいませ。
「日本人らしい戦術」とは何か
はるか昔ビリーがまだ28歳になる前だったと思うが、とある選手に「全員の才能を活かしきることが戦術である」と教えたところ、TVで話されて著作権を奪われてしまったことがある。
名監督のイビチャ・オシム氏以来日本人は「日本人らしい戦術」を求めさまようが見つからない。オシム氏は「日本人の性格面」から「全体で連動できる組織的な動き」に日本人らしさを見出していたが、ビリーも同様に思う。
日本人らしい組織的な連動性とは何か
1974年のサッカーW杯でオランダ代表が用いた戦術の俗称をトータルフットボールと言うらしく、俗称だけあって明確な定義は存在しないそうだ。
人によっては「激しいポジションチェンジを繰り返し全員攻撃と全員守備を行う流動的なサッカーだ」と言う。
今思えば何故か分からないがビリーの中でトータルフットボールは『ありとあらゆる攻撃的な選択肢を用い、全員で守備を行う』という勝手な思い込みであり、「日本人が普段から行う規律的な行動をサッカーにそのまま落とし込めればトータルフットボールは出来る」と思っていた。
攻撃の基本はカウンターと速攻
歴代の日本代表監督が歴代の日本代表監督は取り入れようとしたが、日本人の戦術レベルが低すぎてできなかった戦術を組み合わせ、更に日本人らしさを組み込み新しい戦術『改良型カテナチオ』を作った。
冒頭の通り基本は『奪取、展開、速攻』であり、攻撃は『奪取』の守備から始まるのだが、まさに超攻撃的な戦術であり、守っている時も攻めるような感覚である。
後半からの「交代戦術」でスピードスターを投入
W杯において日本はほぼどのチームから見ても格下であり、日本が押し込まれた時にはカウンター戦術が有効となるだろう。
そこで相手よりも先手を打って後半頭から日本の誇るスピードスター達を投入する。
前半でスタミナを消耗した相手DFに対し、日本代表が後半からスピードスター達を投入することで特に瞬発力の差を活かして得点を狙う。
ラインコントロールによりミドルサードで構え、相手ディフェンスラインの裏を空けておき、後半から入ったスピードスターが仕掛けてゴールを奪うのだ。
カウンターができなければポゼッションサッカーに
カウンターに失敗した後はこの交代戦術が機能しなくなるわけではない。
まずはMF三人が全体のバランスをコントロールし、全体を上下左右へと動かす。
続いてラインコントロールと合わせて全体を上げすぎず、センターサークル付近で試合を展開する。
そしてラインの裏を交代戦術で投入した三人が狙う事になる。
変則のシステム433はMFがバランスをとる
赤字の「三笘、浅野、伊東」はアイソレーションで独立させているため、MFの三人「鎌田、守田(田中碧)、遠藤」がフィールド全体のバランスを取ることになる。
- トップ下の鎌田は三人の連携であるフォローやパス回しなどの舵取り。
- 遠藤は守備と攻撃のバランス取り。
- 守田(田中碧)は守備的なバランスとキープレイヤー潰し。
といったような役割となる。
ビリーは誰が攻撃的、守備的なのか知らないのでイメージとなる。
ラインコントロールは試合展開による
自軍ディフェンスラインの高さは試合展開によって異なる。
カウンターや速攻など、相手ディフェンスラインの裏を狙う場合は押し込みすぎると逆に攻めにくくなる。
しかし勝っている状態であれば押し込んだ状態でポゼッションサッカーを展開すれば、相手を封殺することもできる。
ディフェンスラインを上げすぎないことも戦術の一つ
アメリカ対ウェールズでは、お互いがラインコントロールをしたことでセンターサークル付近で釣り合った状態ができた。
※ちょうどよい写真があったので、後から追加。
全体のシステムを押し込みすぎず、間延びせずに全体をコントロールすることも、カウンターやラインの裏を攻めやすくする戦術だと言える。
ラインコントロールが攻撃の鍵となる
ラインを上げて相手を押し込みすぎると、相手選手と自分たちでまるで通勤時の電車の様に混み合い、センタリング以外の攻撃の選択肢が無くなる。
上図左ではCFが相手のPAに入っていないことを強調したかっただけで、ディフェンスラインがハーフラインにすら到達していないのは縮尺の関係。
上図右ではPAにFWが入り込んでおり、これではラインを上げすぎということ。