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⑧【W杯 歴代監督の紹介】日本代表 岡田監督のポゼッションサッカーを分析する

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岡田監督の就任から目標どおり、ボール保持率(ポゼッション)は着実に上がっていたが、思うような結果にはつながらなかった。ここで『岡田監督のポゼッションサッカー』を分析してみよう。

日本代表 岡田監督 戦術の分析「攻撃戦術は点を取るためにある」

 サッカーの目的は点を取ることで、点を取るには相手の陣形が整う前に攻めるか、整った陣形を崩す必要がある。

前者はカウンターや速攻を指し、後者を実践するために岡田監督が選んだ戦術が「ポゼッションサッカー」であった。

※カウンターとは「ボールを奪ってから相手のディフェンスが整う前に攻撃すること」、速攻とは「タッチ数を最小限に減らし、シュートまで行くこと」。

岡田監督の戦術「ポゼッションサッカー」の特徴

 岡田監督は「(日本人から見た)日本人らしいポゼッションサッカー」を目指し、ボールの保持率以外で幾つもの特徴が出た。

オシム前監督から継承するはずだったボールを奪取してからのカウンターや速攻が消えた。

ボールを最後尾で回しすぎて、攻める時は相手の守備は準備万端。

前線でポストプレイをしても、パスは攻めるためではなく保持するためだけ。

ペナルティエリアにいるFWたちもシュートではなくパス回しに専念した。

「カウンターや速攻」が無くなった結果

 日本代表のカウンターや速攻の優先度は低く、ディフェンスラインでのパス回しが基本。

そのため相手は日本代表にボールを奪われようとも万が一のカウンターさえ潰せばディフェンスラインでパス回しを始めてくれたため、現代のカテナチオと呼ばれる4411のディフェンスラインを作る時間に余裕があり、難しい中盤でのプレスが不要になったのだ。

「整った陣形を崩す戦術」がポゼッションサッカーのハズだった

ポゼッションサッカーは、中盤や前線で整った陣形を崩してシュートを打つはずだった。

しかし、実際は最後尾のディフェンスラインでボールを回し続けることが多く、前線の選手にボールが渡っても守備よりキープを選択しました。

この原因はどこにあったのだろうか

 上記1~4の原因は、戦術的要素が足りなかったことに起因し、日本人の特徴である「器用さと俊敏性、そして弱冠優位に立てる持久力を活かしたポゼッションサッカー」を意識しすぎた結果でした。

ボールを保持する意識は高かったものの、仕掛けるタイミングを合わせてシュートまで攻めきることができなかったのです。

ボールの保持率が上がった理由は相手の戦略だった

 相手はカテナチオが出来た段階でディフェンスラインをゆっくり引き、日本代表全体のポジションは高くなりましたが、相対的にボールの位置は低くなりました。

日本代表のディフェンスラインの裏には広大なスペースが空いており、対戦国にとってショートカウンターやカウンターが成立しやすくなりました。

この現象は相手が強ければ強いほど顕著に現れ、俗に言う「ボール回しをさせられた結果」、ボールの保持率が上昇しただけでした。

結局悪い意味での日本人らしさが出た

 独断と偏見かもしれませんが、「日本人から見た日本人らしさ」とは、「協調性ではなく、周りに流されるだけ、または他人任せ。はっきりした決断が出せず、優柔不断で決断が遅い」ことを表現した戦術に見えました。岡田監督の掲げたスローガンの「接近・展開・連続・(根性)」は、結果としてカウンターや速攻を無くし、試合中にキープゲームをすることになりました。