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サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)をビギナー(初心者)でも分かるように分析します!

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【11月24日】スペインvsコスタリカ

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グループE第1戦目。会場はアルトゥママスタジアム。スペインにとってコスタリカは、ワールドカップ緒戦で最も楽な相手と思われる。

スペインは世界ランキング7位。
12大会連続16回目の出場。今大会も優勝候補の一角。
このコスタリカ戦でワールドカップの戦術確認と他の試合では出れないであろう選手の経験、体力の温存、つまりはウォーミングアップをしてくるだろう。

コスタリカは世界ランキング31位。
3大会連続6回目の出場。ベスト8経験国。

目立つようなスター選手はいないが、組織的にまとまったミスの少ない印象。
コスタリカはどこまで食い下がれるだろうか?

圧倒的実力差のスペイン対コスタリカ

 コスタリカはどこまで食い下がれるだろうか…
なんとスペインは専門のセンターバックが居ないそうだ。
ヨーロッパの1部レベルになるとサイドバックをできる人は大抵センターバックもできるので問題は無いだろう。

スペインは伝統?の4-3-3。
全員がヨーロッパのオールスターと言えるようなメンバーで、主にレアル・マドリーバルセロナのメンバーが中心。

コスタリカは改良型でもカテナチオでもなく2列に並んだだけの4-4-2。
相手FWよりも下がっていることで中盤で人数が圧倒的に足りなくなり、相手に中央のスペースを与えている。(写真あり)
中盤はバルセロナレアルマドリーの選手であるため、余裕を作れば作るほど芸術的なパスが出ることになる。

スペイン代表は中盤ががら空きのため、ボール回しをし続ければ自動的に相手の体力を削ることができる。
さらに先制点も序盤に決めたため、追い回してくるコスタリカに対し時間が経てば経つほど余裕ができることになるだろう。

日本対ドイツの前半同様にラインを下げすぎているため、早々に追加点を入れられてしまった。
ABEMAの解説ではすでにディフェンスラインが混乱し、統率がない状態だという。

先制後はコスタリカがボールを持つことすらほぼ無し

前半25分を過ぎた頃にはスペインは個人技で遊びだしているように見えてきた。
相手の間に顔を出すことをひたすら行い続け、黄金期のバルセロナと言えばイメージできる人は多いだろう。

コスタリカは気づくとマークがズレており、そのズレは気づくとポジションから外れてしまっている。
するとスペースが生まれるため、そこで前を向いてパスやドリブル、あわよくばシュートをすることになる。

もし番狂わせを起こそうとするのであれば、コスタリカはラインコントロールからラインを上げるしか無かっただろう。
それはアルゼンチン戦で行ったサウジアラビアの「改良型カテナチオオフサイドトラップ」である。

後半 ワールドカップのウォーミングアップを始めるスペイン

 スペインは完全にワールドカップで必要となる今後の予行演習を始めた。
ポジションを自由に入れ替え、本来あるべき理想的な連動性を思う存分に活用する。

まるでワールドカップ前に行う確認の練習試合を本番で行っているように見える。

日本はこれを目指すのだが、決定的に違う動きはコスタリカの間に顔を出すだけ。
またコスタリカのディフェンスラインに入っても直ぐに落ちてきてボールを触りに来る。
中盤と前線の選手はまずこれを意識する必要がある。

また後半はコスタリカもラインコントロールがしっかりしている。

コスタリカはラインコントロールもしているが捕まらないスペイン

 後半32分を経過したスペインボール保持率は73%だそうだ。
無理なパスや不要な仕掛けによるボールロストはほぼ無く、本当にお手本となるようなスタイルだ。

 コスタリカは勇敢にラインコントロールも始めるが、5バックをしているためにどうしても中盤でのプレスが足りない。
最初から数的優位ができている状態で、世界最高峰の足技を持った選手たちからボールを奪うことはできない。

コスタリカは後半中盤を厚くするために4バックに戻るが、スペインはスペースがなければ横に開き、裏に走るようなポストプレイを見せてディフェンスラインを攻撃側が動かす。

画像を見てもらえれば分かる。
ボールをDFに戻し攻撃をやり直す時は、フォーメーション通りに綺麗にポジションを取る、基本に忠実で綺麗なサッカーと言えるだろう。
日本は立ち止まってボールを見ているだけで、ポジションに帰らない。

聞き間違いでなければコスタリカは試合を通してシュートが一本もなし。
スペインのボール保持率は71%で、ほぼ全てがコスタリカ陣地内でのボール回し。
正直この試合は、他の試合では出れないであろう若い選手の思い出作りの試合となった。

日本戦での予想

スペインは緒戦で相当体力を温存できたので、恐らくグループステージ3戦目の日本戦では余裕を持って対戦することになるだろう。

日本とスペインの決定的な違い

何度も重複するが、日本に足りない戦術はラインコントロール
次に相手の間に顔を出す動き。
相手のディフェンスラインから落ちてボールに関与する動き。
ポジション代えたときにそのポジションの動き。
右図のようにサイド攻撃をしていても逆サイドが綺麗にポジションをとっている。

これができるようになれば勝率は35~40%にまで上がるような気がする。

器用な日本人ができるスタイルは『トータルフットボール

スペインは数的優位を作り、ダイレクトプレーと足元の技術により打開していくスタイル。

対する日本はスペインを目標にはしているが、自分たちの良さを消すべきではない。
ビリーの私見を含めるが、本来器用な日本人のスタイルはトータルフットボールのはず。

カウンターを試行し、駄目ならポゼッションに切り替える。
3バックのラインコントロールで相手FWを無力化し、両サイドのWBが上下動することで中盤を厚くする。
中盤がパスを上下左右に振りながらボールをポゼッションし、ポストプレイにより相手のディフェンスラインを動かし、長いボールが使えそうなら裏をつく。

単純に考えて『トータルフットボール』ができる民族である。

日本がスペインに勝つためには

 トータルフットボールを行いつつ、若干のフィジカル、各ポイントで局所的に1対1で上回れれば勝てるかもしれない。