ビエルサラインとはアルゼンチンの指導者ビエルサ氏が提唱したラインで、ゴールポストとPAの角を結んだ直線のこと。個人が単独で仕掛ける際のエリア戦術と言える。
ポケットとはグラウディオラ監督が提唱したエリア戦術の一つで、ゴールエリアの外側からPAの内側のこと。選手やチームの特徴を活かすエリア戦術と言える。
※PAはペナルティーエリアのこと。
ゴールに直結するビエルサラインとは
ビエルサラインとは図の黄色の線のことで、図のエリアからシュートの得点率を表している。
ビエルサラインの外では得点率が著しく下がる(全部で15%)と言われるため、状況に応じたプレイの選択が求められる。
アイソレーションや疑似カウンターと相性が良い戦術!?
2024年現在までの日本代表では、ボールとは逆サイドのWG(ウィング)やSH(サイドハーフ)を孤立させるアイソレーションと言う戦術を採用している。
【参考】
・WGやSHを孤立させるアイソレーション
・擬似的にカウンターを仕掛ける「疑似カウンター」とは
ビエルサラインで分かれる3つの選択肢
WGやSHを三笘や伊東、久保といったアタッカーでイメージすると分かりやすい。
アイソレーションで待つ両サイドのWGやSHが仕掛ける際、簡単に3つの選択肢がある。
- 縦の突破からセンタリング
- 斜めに侵入し、シュートかパス、ショートセンタリング
- 中に切れ込んで巻いたシュート
2が丁度ビエルサライン上のプレイだと思うと分かりやすい。
味方がいれば1か2。ドリブルで内側に入る十分なスペースがあれば2か3となる。
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『ポケット侵入』はグラウディオラ監督のエリア戦術
ビエルサラインにも見て取れるように、得点率の高まる上記画像の位置をグラウディオラ監督はポケットと命名した。
このポケットの位置を攻撃の起点とするために、この位置までボールを運ぶ戦術を「ポケット侵入」として戦術を組み立てる。
ポケットは攻撃の起点となるエリア
昨今ではビエルサラインを意識しDF(ディフェンダー)がドリブラーを追い込むエリアを想定する。
逆にドリブラーは得点率が下がるエリア(図のポケット内でビエルサラインの上側)へ最初から入りやすいハズだと想定する。
グラウディオラ監督はこのポケットを「ドリブラーが単独で仕掛けるエリアではなく、味方を活かす攻撃の起点になるエリア」と認識しているようだ。
『ポケット侵入』によりディフェンスを崩す
動画では20秒から「シメオネ監督の3-5-2」の話でレーン、34秒からはポケットの話題。
以下の動画は2のビエルサライン上でのプレイ。
動画をもっと簡単にすると…
難しく説明されている様に感じるが、上記動画で古橋の得点シーンはほぼポケット内で行われている。
- ビエルサラインの外側からポケット内へ走り込む
- ビエルサライン上から中央にいる味方へ少し長い距離を出し、相手ディフェンスラインの視線を誘導(ミスディレクション)し自分のマークを外す
- パスに釣られたディフェンスラインの間から裏へと走り込む
- ビエルサライン上でボールを貰い直し、得点率の高い位置へ入ってシュート
個人的に本当に大切なポイントは視線誘導(ミスディレクション)だと思う。
このような視線誘導をいたるところで繰り返す戦術がティキタカだ。
【参考】スペイン伝統のティキタカとは