2015年八百長疑惑で告発されたアギーレ前監督に代わり、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身でフランス人のヴァヒド・ハリルホジッチ氏が監督に就任。ハリルホジッチのエリア戦術で2018年W杯ロシア大会を目指す。
ハリルホジッチ監督はアギーレ前監督の超攻撃的なサッカーを継承し、組織戦術の堅守速攻に加え、選手に1対1の強さ「デュエル」を求めてさらなる戦術の強化を目指す。
ハリルホジッチ監督のエリア戦術とは
2005年のルール変更からラインコントロールが廃れて以来、守備戦術は世界中で見直されてきた。
アギーレ前監督はかつての「底から押し上げるようなラインコントロール」ではなく、「中盤のラインにディフェンスラインが合わせるような曖昧なラインコントロール」だが、ハリル監督のエリア戦術にラインコントロールは含まれているだろうか。
目指す堅守速攻型のハリルホジッチ戦術は継承されていた!?
歴代の日本代表監督の中で、特に外国人監督は堅守速攻を掲げてきた。
オシム監督は日本人を「外人と比べて体は小く器用、その他精神面で強調性がある。勿論『当たり強さ』もあれば良いが、追求したものではない」と分析し、協調性の高さから全員で攻撃、全員で守備をするトータルフットボールを掲げた。
トルシエ、オシム、タケーシ・オカーダ、ザッケローニ、アギーレなど外国人監督たちは全員「日本人らしいサッカー」は堅守速攻にあると判断した。
堅守速攻は全員が連動して動く協調性が欠かせない戦術であり、サッカーの理想戦術と言える。
歴代の名監督たちが、『協調性が強い日本人はサッカーの理想を追い求めることができる』と判断しているのだ。
ラインコントロールの無いカテナチオとゾーンプレス
未だ日本にラインコントロールの文化は無いものの、ハリルホジッチ監督はサッカーの理想的な戦術、堅守速攻に近づける方針のようだ。
アギーレ前監督まで未完成だったカテナチオの完成と、追い込むエリアを相手に合わせて更に細かく分け、ゾーンプレスを加える。
オーストラリアと対戦した試合を見ると、すでに相手はラインコントロールを意識していた。
日本代表もラインコントロールの意識がないわけではないが、相手に対して自陣側からマークに付くので、未だにマンツーマンに近い。
結果中盤で走る距離を伸ばすことでゾーンプレスを掛ける『根性プレス』のままであった。
日本代表が目指すべき戦術「日本人らしいサッカー」とは
・ラインコントロールを加えたカテナチオとゾーンプレスの守備戦術。
・ショートカウンターとカウンター、速攻とポゼッションのオフェンス戦術。
実現すればスペインサッカーの戦術『ティキタカ』にカウンターを加えたような戦術になる。
「日本人らしさ」と日本人選手たちの限界
そもそも「日本人らしさ」とは何か?
歴代の日本代表監督は「日本人らしさ」を協調性と判断し、堅守速攻を「日本人らしい戦術」としていた。
しかし実際は、スペイン代表に憧れた選手が「ポゼッションサッカーに酔いしれ」、いつの間にか「自分たちがしたいだけのサッカー」にすり変わり、ラインコントロールを始め「選手が新しい戦術への挑戦」を「日本人らしくない」と逃げている。
これが「俺たちのサッカー」の実態である。
アギーレ前監督では鳴りを潜めていた「俺たちのサッカー」だが、ハリルホジッチ監督でまた顔を出すことになる。
世界と渡り合うための「デュエル」
千葉県内の国内組だけで行われた代表合宿で体脂肪率が計測され、体脂肪12%を超える選手には警告、11%台は要注意など日本代表選手のコンディショニング(体調管理)に疑問が出された。
一部では「12%以上の選手は、今後、代表に呼ばない」とまで言われたらしい。
世界トップレベルと瞬発力で競う1対1の『デュエル』で対等以上の結果を出すためには、過剰な体脂肪がおもりと考えられるからだ。
過剰な体脂肪はおもりと同じ
本来常に走り回る競技、特にサッカーなどでは、正しいコンディショニングを行っていると体脂肪率が勝手に下がるはずなのだ。
しかしサッカー選手をしながら体脂肪率が増えるということは、正しいコンディショニングが行えていない証拠。
世界を渡り歩いてきたハリルホジッチ監督の経験上、その体脂肪率の目安が12%なのである。
体脂肪の減らし方と安全基準
注意しなければならないのは体脂肪を減らし方。
筋肉量を減らさずに体脂肪率を下げ、減らしすぎないことが重要となる。
また10%を下回ると免疫力が落ち、回復力も著しく落ちる。
【ボディデザイン講座】のすすめ
一般人の適正体脂肪率は日本代表選手などアスリートとは異なります。
正しいコンディショニング(体作り、体調管理)について『ボディデザイン講座』を作りました。