トルコ代表は、FIFAランキング(2024年4月4日)で40位。UEFA(欧州サッカー連盟)内の順位では22位。
トルコ代表は、戦術やフィジカル面で日本代表と瓜二つ。
- 【EURO2024】トルコ代表のメンバー
- 【6/18 第1戦】トルコ 対 ジョージア(3-1)
- 【6/22 第2戦】トルコ 対 ポルトガル(0-3)
- 【6/27 第1戦】トルコ 対 チェコ(2-1)
- 【7/6 準々決勝】トルコ 対 オランダ(1-2)
【EURO2024】トルコ代表のメンバー
監督
ヴィンチェンツォ・モンテッラ
GK(ゴールキーパー)
1 メルト・ギュノク(ベシクタシュ)
12 アルタイ・バユンドゥル(マンチェスター・U)
23 ウールジャン・チャクル(トラブゾンスポル)
DF(ディフェンダー)
2 ゼキ・チェリク(ローマ)
3 メリフ・デミラル(アルアハリ)
4 サメト・アカイドゥン(パナシナイコス)
13 アフメッジャン・カプラン(アヤックス)
14 アブドゥルケリム・バルダクチ(ガラタサライ)
18 メルト・ミュルドゥル(フェネルバフチェ)
20 フェルディ・カドゥオール(フェネルバフチェ)
MF(ミッドフィールダー)
5 オカイ・ヨクシュル(WBA)
6 オルクン・コクチュ(ベンフィカ)
10 ハカン・チャルハノール(インテル)
15 サリフ・エズジャン(ドルトムント)
16 イスマイル・ユクセク(フェネルバフチェ)
22 カーン・アイハン(ガラタサライ)
FW(フォワード)
7 ケレム・アクトゥルコール(ガラタサライ)
8 アルダ・ギュレル(R・マドリー)
9 ジェンク・トスン(ベシクタシュ)
11 ユスフ・ヤズジュ(リール)
17 イルファン・ジャン・カフベジ(フェネルバフチェ)
19 ケナン・ユルディズ(ユベントス)
21 バルシュ・ユルマズ(ガラタサライ)
24 セミフ・クルチソイ(ベシクタシュ)
25 ユヌス・アクギュン(レスター)
26 ベルトゥ・ユルドゥルム(レンヌ)
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【6/18 第1戦】トルコ 対 ジョージア(3-1)
- 対戦相手のジョージア代表の戦術分析
システム 4-2-3-1
使用戦術
- なんとなくのラインコントロール
- ゾーンプレス対策のワイドプレイ
- ワントップでのカウンター
試合展開
欧州サッカー連盟の順位1桁に比べるとラインコントロール、ポジショニング、パスの精度と強さ、連動性など全てにおいてアラが目立つ。
戦術らしい動きは特に無く、ラインコントロールのルールが改正された後のようなサッカー。
直近で見たフランス代表と比べるとボールに近寄りすぎたりポジショニングや動き直しが遅く、まるで日本代表を見ているかのような動き。
ボールに寄ってしまい味方と重なるため必要なポジションで人がないことが多い。
【守備戦術】
- なんとなくのラインコントロールからゾーンプレスというよりごちゃつかせて奪うような印象。
【攻撃戦術】
- ボールを展開する時に、アンカーが日本代表の遠藤のようにディフェンスラインに入ってしまうため、中盤がポッカリと空きサイドからしか展開が出来ない。
- ロングパスの精度が低く、裏を狙って通るような精度は滅多に出ないため、サイドから繋いで押し上げるしかない。
- 押し込むとPAの味方はボールウォッチャーになり止まってしまい、動き直しをしないためにパスワークが無くなる。
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【6/22 第2戦】トルコ 対 ポルトガル(0-3)
- 対戦相手のポルトガル代表の戦術分析
システム
使用戦術
- ハイプレス
- GKからつなげるためのシステム変更とビルドアップ
- 相手のゾーンプレスをかいくぐるワイドプレイ
- 相手のラインコントロール
- どこからでもカウンターを狙う速攻戦術
試合展開
どちらかと言えばトルコ代表の方が得点機会は多く見えたのだが、採算に渡り最後のシュートを外し続ける。
前半1点を取られてもなお善戦を見せるトルコだったが、GKへの不用意なバックパスから自殺点を献上してしまう。善戦をしていただけに、前半30分前のこの1点が重い足かせとなってしまった。
その後は強い当たりと言うよりも最早ラフプレイが目立ち、足の裏を見せたスライディングや、全身で足を刈るようなスライディングが目立つことになった。
【守備戦術】
- グループリーグ1試合目とは変わり、突如としてラインコントロールを行う。
- ポルトガルがワイドプレイを採用することでゾーンプレスはできず、ハイプレスを掛けることが精一杯。そのためカウンターを受けることが多く、DFにファールが増えていった。
【攻撃戦術】
- 1試合目とは変わり、他国の戦術を見たのかGKからのビルドアップのシステムを採用していた。必ずしも行うわけではなく、出来ると判断した時のみ。
- ワイドプレイでも味方同士必要以上に重なることはなく、一方的に押し込まれることはなかった。
第2戦からトルコに戦術的な動きが戻り、お家芸とも言えるカウンターが戻った。
しかしシステム変更、パスワーク、ドリブル、何よりも最後のシュートで「雑で良いところ」と「丁寧であるべきところ」に差を作ることが出来ず、ポルトガルとの差となってしまった。
これが「トルコがFIFAランキングで40位にとどまる理由」なのかもしれない。
【6/27 第1戦】トルコ 対 チェコ(2-1)
- 対戦相手のチェコ代表の戦術分析
【7/6 準々決勝】トルコ 対 オランダ(1-2)
- 対戦相手のオランダ代表の戦術分析
システム DF5-4-1
使用戦術
【守備戦術】
【攻撃戦術】
- 相手のラインコントロール
- WGを孤立させるアイソレーション
- どこからでもカウンターを狙う速攻戦術
試合展開
【守備の特徴】
- 5-4-1のカテナチオを形成。
- 上げすぎず、下げすぎず安全なラインコントロールを行うことで、ライン裏を取らせないようにする。
- ハイプレスを行わず、ミドルサードで待ち構えてカテナチオを行う。
【攻撃の特徴】
- オランダ相手に割り切ったのかワイドプレイを意識して行うわけではなく、常にカウンターを狙って大雑把にでもシュートを打って、センタリングを上げて、とはっきりとした攻撃を行う。
- 点を挙げてからは中盤の選手がボールを持ちながら回せるようになった。距離感は近く、ワイドプレイと呼べるような距離感ではない。しかしアイソレーションを行っているために逆サイドの選手へ渡ると、結果として全体を大きく動かせる。
- 中盤にボールを持てる選手が3人ほどいるのだが、ポジショニングが悪いためにワイドプレイができない。もしくはオランダのゾーンプレスが激しいため成り立たないようだ。
トルコはカウンターのイメージが強く、その試合展開はEURO2024でも変わらなかった。しかし大会中にフランスやスペインの良さを可能な限り取り入れ、可能な限りの進化を見せた。
ただ一つ足りなかったのは、シュートやセンタリングで一手早まったり雑になる様に見えた。恐らく逆にカウンターを受ける危険を避けるために味方の上がりを待てなかったのだろう。
総合力ではオランダに劣っていたが、先制点を挙げ、中盤でも互角にやり合う場面もあり、後は最後だけと言える試合展開だった。