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サッカーのシステム変更が招く危険性:無駄なスペースがカウンターアタックの起点に!?

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SBのポジションチェンジによりできるスペース

極端な例.SBがポジションチェンジを行い前線で数的有利を作る

 サッカーの試合では効率的な攻撃のため、数的有利を作るためのシステム変更(フォーメーションチェンジ)を行う。しかしこのシステム変更がスムーズに行われないと、ピッチ上に「無駄なスペース」が生じて大きなリスクを伴うことがある。

システム変更で無駄なスペースが生まれる理由

 特に注意すべきは、守備から攻撃へのシステム変更の時間、続いて数的有利を作るためのシステム変更中の時間。システム変更中にボールを奪われると、相手チームに決定的なカウンターアタックのチャンスを与える可能性が高くなる。

 極端な例を冒頭の図で紹介すると、SBが上がりきったことで広いスペースが生まれ、そこを起点に攻撃されることになる。

また図のようにSBだけが大きくポジションチェンジをすると、システムが大きく崩れてカバーがしにくくなるため、トレンド戦術としては全員が少しずつポジションチェンジを行いシステム変更をしている。

システム変更中は選手間の距離が変わる時間

 選手それぞれがシステム変更を行う間、全員が完全に同時に動けるわけではないため、わずかな時間差で無駄なスペースができる。
特にポジショニングが苦手な選手がいると距離間が変わり、そこが無駄で危険なスペースになりかねないのだ。

※一人が意図的に無駄なスペースを作り、そこへパスを出して味方を走り込ませてシステム変更を行う戦術(ティキタカ)もある。

無駄なスペースがカウンターアタックの温床に

 システム変更時に生まれるスペースは、相手チームの高速カウンターの格好の起点や舞台となる。特に絶対的なパサーやスペースに走り込むスピードのある選手がいる場合、自チームの守備が整う前にゴール前に迫られ、失点に繋がるリスクが急上昇する。

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急なトランジションの連続で組織的守備が崩壊

 「守備から攻撃へのシステム変更(ポジティブトランジション)中」は、特にカウンターを意識するため相手のポジショニングに合わせてランダムなポジショニングをしていることが多い。

その際にボールをロストすると再び「攻撃から守備へのシステム変更(ネガティブトランジション)」が必要になるのだが、ランダムな状態から決められた守備陣形に戻ることがとても難しい。

特にディフェンシブサードでトランジションが連続すると混乱するが、この際に4-4-2などの守備陣形を基本とする場合は、近くの列に収まるしかない。

 カウンターはチームの決まり事だが、一人でもポジションがズレることで選手間の連携が途絶え、個々の選手の能力に頼らざるを得ない守備の状況になり、失点のリスクが高まることになる。

複雑なポジションチェンジが選手の判断ミスを誘発

 システム変更中は、ボールホルダーから何番目に関与するか、どこにポジションを取るか、どのようにボールを動かすかなど、判断を迫られる場面が増える。この状況で焦ってズレたり判断を誤ると、ボールを失ったり、マークが外れたことで相手に決定的なパスコースを与える可能性が高まる状況になっていく。

そのためチーム内で明確なシステム変更を決めておく必要がある。

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システム変更中の無駄なスペースを防ぐには?

 システム変更は選手全員の練度が上がればシャビ・アロンソ監督の言うような「攻守の中間的なポジショニング」もすることになるが、以下ではまず、システム変更を実践する中で、初期段階の実践方法を紹介する。

スムーズなシステム変更の徹底

 チームでボールの高さに合わせたシステム変更を共通認識とし、ポジショニングをはっきりと行う。
また選手全員が同じタイミングで意図するシステム変更ができるように練習する。

 「システム変更によりどこにスペースができるのか」をあらかじめ認識し、誰がカバーをするのかも決めておくと良い。

選手間の連携を強化

 システム変更の際に、選手間でしっかりとコミュニケーションを取り、お互いの位置関係を確認する。上手くポジションチェンジを行おうとするよりも、お互いのポジションをはっきりとする方が安全と言える。

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素早い攻守のトランジション(攻守の切り替え)

 ポジティブトランジション(ボールの奪取)では、相手チームが組織的な守備陣形を築く前に素早く攻撃に転換してゴールを狙う。

 ネガティブトランジション(ボールのロスト)では、相手の攻撃をディレイ(遅延)させることで守備陣形を整える時間を作ることが出来る。
(簡単に言うとカウンターをさせないように時間を掛ける。)

システム変更はプレイが切れた状態で行う

 難しく説明したが、最も簡単かつ安全にシステム変更を行う方法がある。

スローイング前やフリーキックなどプレイが止まったタイミングでシステム変更すれば、カウンターを受けるリスクが大幅に減らすことができる。

ディフェンシブサードにおけるポジティブトランジションの際も、再びボールをロストするぐらいならラグビーのようにボールを大きく蹴り出してプレイを切り、ディフェンスラインを押し上げて守備陣形を作った状態でやり直せば、守備陣形のまま押し込むことすらできる可能性がある。

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「システム変更とカウンターの危険性」のまとめ 

 サッカーのシステム変更は、数的有利を作るために重要な戦術だが、同時に大きなリスクも伴う。特にトランジションの局面では、システム変更時にできた無駄なスペースがカウンターアタックの温床となり、失点に直結することになる。スムーズなシステム変更と選手間の連携を密に行い、このリスクを最小限に抑えることができれば勝利に近づくだろう。
攻守の切り替え「トランジション」とは