ビギナー向け!サッカーの戦術ブログ

日本代表の分析を中心に、基礎からトレンド、最新で難しい戦術もサッカー初心者向けに分かりやすく解説!知れば試合観戦が楽しくなる!無料で見れるサッカー配信も紹介中!

同サイド圧縮とは?日本代表のサイド攻撃が詰まる理由と改善策

※ 当サイトの記事には、プロモーションが含まれます。
※ 当サイトの戦術内容を引用された場合は、公開する媒体で引用の明示と該当ページへのリンクを貼ってください。
【ads by google】

同サイド圧縮とは?日本代表のサイド攻撃が詰まる理由と改善策

 日本代表の攻撃を見ていると、サイドに人数を集めて前進しようとする場面があります。これは一見すると、味方同士の距離が近く、パスをつなぎやすいように見えます。しかし、集まりすぎると逆に攻撃が詰まってしまうことがあります。

この記事では、ボールサイドに人数を集める同サイド圧縮とは何か、なぜ日本代表の攻撃が詰まりやすくなるのか、そして味方プレスとの関係について整理します。

なお、現在のサッカー解説では、同サイド圧縮は守備側がボールサイドへ人数を寄せて奪いにいく意味で使われることが多いです。この記事では、筆者の記憶にある1990年代の攻撃戦術としての同サイド圧縮を中心に整理します。

この記事で分かること
  • 同サイド圧縮とは何か
  • 同サイド圧縮のメリット
  • 同サイド圧縮で攻撃が詰まる理由
  • 味方プレスとの関係
  • ドリブルが得意な選手の良さを消してしまう理由
  • 同サイド圧縮を武器に変える方法
同サイド圧縮という言葉の由来と現在の意味

 今となっては、同サイド圧縮という言葉を誰が命名したのかは分かりません。

ただ、筆者ビリーの記憶では、1990年代の日本サッカーにおいて、近い距離でパスコースを作る考え方が広まった背景には、1992年にサッカー日本代表監督へ就任したハンス・オフト監督の影響があったように感じています。

オフト監督期には、コンパクトトライアングルスモールフィールドといった考え方が広まり、日本サッカーに「近い距離でパスコースを作る文化」が根づいていったと考えています。

 筆者の記憶では、当時の同サイド圧縮とは、攻撃時にフィールドの片側へ選手を寄せ、全体をコンパクトに保ち、パスをつなぐ選手同士が三角形を作りながら、小さくパスをつなぎ続ける形として理解していました。

ところが、4-4-2や4-4-1-1の凸型守備を移動させながらディフェンスラインを上下させる、筆者が改良型カテナチオと呼ぶ守備戦術が一般的になった以降、サッカー全体では中央を固め、サイドへ誘導して奪う守備が主流になっていきました。

その流れの中で、現在では同サイド圧縮という言葉は、攻撃側が片側に寄ってパスをつなぐ形ではなく、守備側がボールサイドへ人数を寄せ、同じサイドでプレスをかけて奪いにいく守備戦術として使われることが多くなっているようです。

この記事での同サイド圧縮は、現在一般的に使われる守備戦術ではなく、攻撃側がボールサイドへ集まる攻撃戦術として話を進めます。

同サイド圧縮とは?サイドに人数を集める攻撃戦術

 同サイド圧縮とは、ボールがあるサイドに味方の人数を集め、短い距離でパスをつなぎながら前進する攻撃戦術の考え方です。

たとえば、左サイドにボールがある時に、左サイドバック、左ウイング、中央のミッドフィルダー、トップ下などが近い距離で関わります。これにより、ボールホルダーの近くにパスコースを作り、相手のプレスを避けながら前進しようとします。

同サイド圧縮のイメージ(例:左サイド)

 CF
LW AM
⚽️WB DM DM WB
CB CB CB

 左サイドに人数を集めて短いパスで前進するイメージで、かつてはこの様なシステムがフィールドの左サイドで行われていました。

同サイド圧縮のメリット|短いパスと即時奪回

 同サイド圧縮そのものは古い戦術ですが、悪い戦術ではなく、使い方によっては今でも有効になります。

メリット同サイド圧縮が有効な理由
  • 近い距離でパスをつなぎやすい。
  • ボールを失っても、近くの味方がすぐに奪い返しやすい。
  • 相手を片側に寄せることで、逆サイドにスペースを作れる。
  • 狭い場所での連係が得意な選手を活かせる。
  • 相手の守備を一方向へ動かしやすい。

つまり、同サイド圧縮は「人数を集めて詰まる戦術」ではなく、本来は相手を片側に寄せた状態でパスの出口を作り、相手のいないスペースへ展開する戦術です。

問題は、人数を集めた後にどこへ展開するのか誰が距離を取って出口になるのかが整理されていない状態です。

同サイド圧縮が通用しにくくなった理由

 同サイド圧縮は、味方同士で距離間を統一することボールサイドに集まった後で中央や逆サイドに向けて起点を作れないことに難しさがあり、また4-4-2の守備陣形へ整理されたことで守備が片側に寄り過ぎることが無くなりました。

4-4-2(凸型)の守備陣形、筆者が改良型カテナチオと呼ぶ守備が確立されて以来、同サイド圧縮は相手チームと技術差がない限り通用しにくくなりました。

逆サイドの出口がないまま人数だけ集めると、味方プレスによって攻撃が詰まりやすくなります。

守備陣形が進化する以前の同サイド圧縮

 以下では守備陣形が確立される以前の話をまとめてみました。

特に重要になるのは、味方同士の距離間味方プレス、そしてサイドアタッカーのドリブルコースが消えてしまう問題です。

同サイド圧縮で攻撃が詰まる理由|プレーの選択肢がパスだけになる

 同サイド圧縮で攻撃が詰まる原因の一つは、プレーの選択肢がパス中心になりやすいことです。

本来であれば、三笘薫、伊東純也、久保建英、中村敬斗のような選手は、1対1の状況を作ることで大きな武器になります。

ところがボールサイドに味方が集まると、相手DFも同じ場所へ集まります。
その結果、サイドアタッカーがドリブルで仕掛けるスペースが消えて、プレーの選択肢がパスだけになってしまいます。

弱点同サイド圧縮で攻撃が詰まる理由
  • ボールサイドに味方が集まりすぎる。
  • 味方についている相手DFも同じサイドへ集まる。
  • サイドアタッカーのドリブルコースが消える。
  • プレーの選択肢がパス中心になりやすい。
  • 結果として、ドリブルが得意な選手の良さを消してしまう。
距離間が保てない理由|近すぎる距離間が味方プレスになる

 同サイド圧縮で攻撃が詰まる一番の理由は、味方が集まりすぎることで、相手守備も同じ場所へ集まってしまうことです。

味方がボールへ近づけば、その味方のマークマンも一緒に近づきます。

その結果、ボールを持っている選手の周辺に味方も相手も集まり、プレーエリアがどんどん狭くなります。

同サイド圧縮で攻撃が詰まる原因は、味方が近づきすぎることで、相手守備まで同じ場所へ連れてきてしまうことです。

独自用語「味方プレス」とは?
  • 味方がボールへ近寄る。
  • その味方のマークマンも近づく。
  • ボール保持者のプレイエリアが狭くなる。
  • パスコース、ドリブルコースがなくなる。
  • 結果として、味方が味方にプレスをかけたような状態になる。

同サイド圧縮では、味方が近い距離で関わるため、味方プレスが起きやすくなります。そのため、誰がボールへ近づき、誰が距離を取るのかを整理しておく必要があります。

同サイド圧縮を現代サッカーで武器に変える方法

 4-4-2の守備陣形を相手に同サイド圧縮を成立させるには、ボールサイドに関わる人数を最低限にし、逆サイドにアイソレーション疑似カウンターの起点を作る必要があります。

同サイド圧縮を活かすための整理

  • ボールサイド:2〜3人でキープする。
  • 中央:こぼれ球、縦パス、逆サイド展開の起点を作る。
  • 逆サイド:アイソレーションの位置を取り、疑似カウンターの出口になる。
  • 最終ライン:カウンターを受けた時のリスク管理をする。

 同サイド圧縮で相手を片側に寄せ、逆サイドにスペースを作る。
そのスペースへサイドチェンジを入れれば、疑似カウンターに近い状況を作ることができます。

つまり、現代サッカーで同サイド圧縮は「同じサイドで完結させる戦術」ではなく、逆サイドへ展開するための準備として使うべきです。

現代の同サイド圧縮は…(例:左サイド)

     CF

 LW  CM   WB

WB⚽️ DM DM 

  CB CB CB

 全体がボールサイドに寄るのではなく、赤文字4人に限定し、DM二人とCM、もしくはCBが右サイドのアイソレーションで待つWBかCFにボールを素早く出すことで、疑似カウンターの中に同サイド圧縮を組み込むイメージにする。

これは、日本代表がブラジル代表に初勝利した2025年10月の試合で、後半に見せた戦術に近いと考えています。

まとめ|同サイド圧縮は逆サイド展開で武器になる

 1990年代の同サイド圧縮は攻撃戦術であり、ボールサイドに人数を集めて前進する戦術でした。

近い距離でパスをつなぎやすく、ボールを失っても即時奪回しやすいというメリットがあります。

しかし集まりすぎると味方プレスが起こり、ドリブルコースやパスコースが消えてしまいます。その結果、ドリブラーの良さを消すことになりました。

現代サッカーでも活かすポイントは、ボールサイドに集まった後に、中央や逆サイドへの起点を作ること。

味方プレスを避け、逆サイドのアイソレーション疑似カウンターへつなげられれば、かつて同サイド圧縮と呼ばれた攻撃戦術は、日本代表の武器にもなるでしょう。