サッカーで戦術やシステム(フォーメーション)の話をする際に略記や略称を使うことが多いため書いておく。驚くことに人によって呼び方が異なることもあるため、話で疑問に思った際はここで確認を!
サッカーの大まかなポジションは4つ
ポジションは大まかにFW、MF(OM、DM)、DF、GKの4つに加え、左右へと分かれます。
ポジションの分け方を簡単に説明します。
- 前を向いたままボールを左右に大きく展開するのが得意な人はDF。
- ボールをキープし上下左右と展開させるプレイが得意な人はMF。
- 後ろ向きからボールを貰い、ゴールへ向かうプレイが得意な人はFW。
このように各ポジションでプレイの割合が変わるため、各自得意なプレイスタイルによってポジションの適性が分かれます。
加えてボールの高さや全体の高さによってドリブルやパスといったプレイの割合も変わることでポジションの適性も変わります。
1. フォワード(CFW、FW)
FWであれば最後仕掛けるためのドリブルが増えるため、相手の守備戦術に対する適応力やゴールを決める能力が高い選手向け。
特にマークをはがす動きや カウンターへの素早い切り替えや正確なシュートが必要になります。
またロングパスが得意な選手が居れば相手ディフェンスラインの裏への走り込むプレイも増えます。
ウィング(WG)
ストライカーとサイドハーフの中間的なポジションで、孤立した状態から一人ドリブルで仕掛けられる人向け。
2. ミッドフィールダー(MF)
CMF:セントラルミッドフィールダー
SH:サイドハーフ
DMF:ディフェンシブミッドフィールダー
ボールをキープし、攻撃と守備のバランスをとる選手。
仕掛けるためにはパスの精度や戦術的な判断力が重要です。
MFならば中盤でドリブルによりパスコースを作ったり、周りにつなぐためのパスも多くなります。
DMFは、ディフェンスラインとの中継役として後ろ向きの状態でパスを貰い前を向くことに難しさがある。
一度前を向くと左右や中央への展開役となり速攻など攻撃での最終ラインと呼ぶ人も多く、DMFが押し上げることで数的優位を作ることもできる。
OMFは攻撃の指揮者とも言われ、DMFからボールを受けて前を向く。
そしてこのシステムであればFWやWG、SHといった攻撃陣に対してシュートへのラストパスを出す役割を担う。
本人もドリブルで仕掛けてシュートを狙うべきポジションとなります。
アンカー(AN、ANC)
ディフェンシブミッドフィールダーとセンターバックの間のポジション。 ほぼ4-3-3のシステムでしかお目に掛かれない。
3. ディフェンダー(DF)
CB:センターバック
SB:サイドバック
主に相手の攻撃を阻止するための選手。 体力や守備のスキルが必要です。
DFならばボールを持った位置は低いためパスが多く、ドリブルで仕掛ける割合を下げなければなりません。
ウィングバック(WB)
サイドハーフとサイドバックの中間的ポジションで、攻撃的なSBとも言われます。
WGはFWとSHの中間で、最後の仕掛ける際にドリブルで独立した動きが多いことが特徴的。
最近では三笘選手が有名で、単独でドリブルで仕掛けて相手を崩しシュートまで繋げたり、切り崩したあとにセンタリングを行うなど味方を活かすことも出来る。
4. ゴールキーパー(GK)
ゴールを守る選手。 素早い反応と確かなセーブが求められます。
最近ではGKからボールをキープしながら展開するシステム変更まで行われており、GKの役割が増えている状況で、高いボールタッチの能力も要求されています。
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各システムでのポジションの名称と略称
図では左右対称に書かれることが多いが、例えば左はWGだが、右はSHなどチームによって左右非対称であることもある。
4231のシステム
ポジションを知らない人にとって厄介な話が、大まかにFW、MF、DFと三つの大きなくくりの中に、さらに細かい言い方があることだろう。
Lの表記はLeft(レフト、左)、RはRight(ライト、右)。
FW:フォワード、トップ
4231の場合純粋なFWは中央の一人のみで、よくトップなどと呼ばれたりする。
MF:ミッドフィルダー、ハーフ
・SH:左 or 右サイドハーフ
・OM:オフェンシブミッドフィルダー、トップ下
・DM:ディフェンシブミッドフィルダー
中盤という意味で「ミッドフィルダー、ハーフ」と言われる。
DF:ディフェンダー、バック
・SB:サイドバック
・CB:センターバック
・WB:ウィングバック
DFの人数を表す際に4バックや3バックなどと表現することが多いため、知らない人を混乱させる。
WBはSHとSBの中間的な役割で攻撃的はSBとも言われ、守備をするときはDFとなり、攻撃をするときはSHとなるイメージ。
GK:ゴールキーパー
言わずとしれたサッカーでも唯一手をメインに使えるポジション。
世界の最先端の戦術やトレンド戦術ではフィールドプレイヤーの一人としてDFとボール回しに参加するようになっているが、日本代表のGKはいまいち参加できていない気がする。
今後はどんどんフィールドプレイヤーの一人として機能することになるだろう。
433と4141のシステムの図
WG:ウィング
・LWG:レフトウイング
・RWG:ライトウイング
CFW(センターフォワード)とSH(サイドハーフ)の中間的存在で、両サイドでFWの人を左右のウイングと言ったりする。
433(4141)と4123のMF
433と4123を分けて考える場合、特にMF3人を分けて考えることがある。
4141や4123の場合は前の二人のDMをCMF(セントラルミッドフィルダー)やOMF(オフェンシブミッドフィルダー)と言うこともある。
この図では攻撃時に前二人のDMFのどちらかがOMF(オフェンシブミッドフィルダー、トップ下)にポジションチェンジして、4231にシステム変更することを考えてDMFとした。
三人目のDMFのアンカー
アンカーと言うポジションは時代によっても異なるのだが、現代では特に二人のDMとCBの間にいる3人目のDMをアンカーという。
アンカーがDMとCBをできると、433から343へのシステム変更が出来るようになる。
433と4141のシステム変更
433のシステムは守備時はしっかりと守り、攻撃時はシステム変更を行うことで前線に人数を増やすことでより攻撃的なシステム変更ができる。
ただし、全員が複数のポジションを正確にこなす必要がある。
図.433から4231と343へのシステム変更の例
・433から4231へのシステム変更(上図左側)
二人のDMのどちらかとアンカーが一列上がった4231へのシステム変更。
ディフェンスの二列は作りやすいが、前線に人数を増やす際はSBがあがるなどさらにシステム変更が必要になることから、味方同士でも連携が取りづらくなる。
・433から343へのシステム変更(上図右側)
上図右側は、アンカーだけが残り、全体が一列上がる343のシステム変更。
ディフェンスラインがアンカーを吸収することで大きく開く。SBとしてのオーバーラップや、状況に応じて三人のCBの内側に入りDMFのような役割をすることを偽SB(にせサイドバック)と言う。
偽SBの動きは昔から存在していたのだがグラウディオラ監督がバイエルン時代にポジショニングを明確にし、SBなのにサイドに位置しないことから偽SBと命名したらしい。
343と352のシステムの図
WB:ウィングバック
SHとDM、SBの中間に位置するようなポジションで、攻守ともに参加できてサイドが得意な人がなる印象が強い。
三笘選手が注目されたことでWBのポジションが再注目されたが、古くから存在していたポジション。
守備にも回るが、特に攻撃時にドリブルで仕掛ける人がなる印象が強い。
最後は独立させて仕掛けるアイソレーションの戦術と相性が良い。
【参考】アイソレーションと疑似カウンターとは
ポジションの番号
ポジション番号は、国やシステム(フォーメーション)によっても異なるため目安でしかない。
多くのパターンを知っている人ほど会話で混乱するのため、システムを説明する時にポジション番号で呼ぶと混乱の元となる。
1番:ゴールキーパー
2番:右サイドバック
3番:左サイドバック、センターバック、右サイドバック
4番:センターバック、右サイドバック
5番:センターバック、守備的ミッドフィルダー
6番:守備的ミッドフィルダー、左サイドバック
7番:右サイドハーフ、右ウイング、攻撃的ミッドフィルダー
8番:攻撃的ミッドフィルダー、守備的ミッドフィルダー
9番:センターフォワード
10番:攻撃的ミッドフィルダー、センターフォワード
11番:フォワード、左ウイング、左サイドハーフ