
日本代表はスウェーデン戦をどう戦うべきか。オランダ戦で見えたスウェーデン代表の弱点、グレアム・ポッター監督の特徴、グループF突破条件、1位通過の条件を整理しながら、森保ジャパンが狙うべき疑似カウンターとポゼッション戦術を分析します。
親善試合
・5月31日(日)…日本代表 vs アイスランド代表(東京:国立競技場) 1-0 勝利
北中米ワールドカップ(W杯)-グループステージ
・6月15日(月)…日本代表 vs オランダ代表(アメリカ:ダラス) 2-2 引き分け
・6月21日(日)13:00〜…日本代表 vs チュニジア代表(メキシコ:モンテレイ)
・6月26日(金)08:00〜…日本代表 vs スウェーデン代表(アメリカ:ダラス)
北中米ワールドカップ(W杯)-ノックアウトステージ
・6月30日(火)02:00〜…日本代表 vs 未定(グループCの1位または2位)
(※ 時間はすべて日本時間)
日本代表はスウェーデン戦をどう戦う?オランダ戦から見えた弱点と森保ジャパンの戦術予想
日本代表は、グループステージ第3戦でスウェーデン代表と対戦します。
ここまで日本代表は、オランダ代表と引き分け、チュニジア代表に勝利し、グループ突破に近づいています。
一方のスウェーデン代表は、初戦でチュニジア代表に大勝したものの、第2戦ではオランダ代表に1-5で敗れました。
スウェーデン代表は、イサクとギョケレシュを中心とした前線の破壊力を持つチームです。しかし、オランダ戦ではサイド守備、先制された後のバランス、前線に良い形で入らない時の攻撃に課題を見せました。
日本代表としては、スウェーデンの前線を恐れすぎるのではなく、無駄なロストを避けたポゼッションと疑似カウンターで試合をコントロールしたいところです。
スウェーデン戦で日本代表が目指したいのは、ボールを持つことそのものではなく、相手の攻撃回数を減らしながら疑似カウンターを作ることです。
スウェーデンは前線の破壊力がありますが、サイド攻撃の組み立てや守備の横移動には課題があります。日本はそこを突きたいところです。
- オランダ対スウェーデン戦で見えたスウェーデン代表の弱点
- スウェーデン代表監督グレアム・ポッターの特徴
- 日本代表がトーナメントに進出するための条件
- 日本代表が1位通過するための条件
- スウェーデン戦で必要なポゼッションの意図
- ビリー戦術として日本代表がどう戦うべきか
- 日本代表はスウェーデン戦をどう戦う?オランダ戦から見えた弱点と森保ジャパンの戦術予想
- 現在のグループF順位と日本代表の突破条件
- オランダ対スウェーデン戦の分析|5-1大敗で見えたスウェーデン代表の弱点
- オランダ戦で見えたスウェーデン代表の弱点
- 海外メディアの評価から見るスウェーデン戦の注意点
- スウェーデン代表監督グレアム・ポッターとは何者か
- ポゼッションサッカーの意図とは何か
- 日本代表の攻撃はなぜ未完成なのか
- ワールドカップでは大会中の成熟が大きな鍵になる
- 日本代表とスウェーデン代表のシステム図
- 日本代表はスウェーデン戦をどう戦うべきか
- まとめ|スウェーデン戦は疑似カウンターとロスト管理が重要
現在のグループF順位と日本代表の突破条件
まず、スウェーデン戦の意味を整理します。
現在のグループFは、オランダ代表と日本代表が勝点4で並び、スウェーデン代表が勝点3で追う展開になっています。
日本代表は、スウェーデン戦に勝つか引き分ければ、グループ2位以内が確定し、トーナメント進出を決めることができます。
- 1位:オランダ 勝点4 得失点差+4 総得点7
- 2位:日本 勝点4 得失点差+4 総得点6
- 3位:スウェーデン 勝点3 得失点差0 総得点6
- 4位:チュニジア 勝点0 得失点差-8 総得点1
日本代表がトーナメントに進出するための条件
日本代表にとって最も分かりやすい条件は、スウェーデン戦で負けないことです。
勝てばもちろん突破、引き分けでもスウェーデンを勝点で上回るため、グループ2位以内が確定します。
- 日本がスウェーデンに勝利:勝点7となり、グループ2位以内が確定
- 日本がスウェーデンと引き分け:勝点5となり、スウェーデンを上回るため2位以内が確定
- 日本がスウェーデンに敗戦:勝点4のまま。スウェーデンに抜かれるため、オランダ対チュニジアの結果や3位通過枠を見る必要がある
今大会は各組3位のうち成績上位チームもトーナメントに進めますが、3位通過は他グループの結果にも左右されます。
そのため、日本代表としては、スウェーデン戦を「負けても可能性がある試合」ではなく、引き分け以上で自力突破を決める試合として考えたいところです。
日本代表が1位通過するための条件
日本代表がグループFを1位で突破するためには、オランダ代表との比較が重要になります。
現在、日本とオランダは勝点と得失点差で並んでいます。
ただし、総得点ではオランダが日本を1点上回っています。
そのため、日本が1位通過を狙う場合は、スウェーデン戦でオランダを得失点差、または総得点で上回る必要があります。
- 日本が勝利、オランダが引き分け以下:日本が1位になる可能性が高い
- 日本が勝利、オランダも勝利:日本はオランダより大きな点差で勝つ必要がある
- 日本とオランダが同じ点差で勝利:総得点の比較になる。現在はオランダが1点上回っているため、日本は最終戦でオランダより多く得点したい
- 日本が引き分け、オランダが敗戦:日本が勝点で上回り、1位通過できる
- 日本が敗戦:1位通過は難しくなる
日本代表が1位通過を狙うなら、スウェーデン戦は「勝つこと」に加えて、得失点差と総得点も意識した試合になります。
ただし、無理に得点を狙ってロストを増やすと、イサクやギョケレシュにカウンターの機会を与える危険があります。
スウェーデン戦で一番大事なのは、まず負けないこと
日本代表は1位通過を狙える位置にいます。
しかし、スウェーデン戦で最も重要なのは、まず負けないことです。
1位通過を意識しすぎて無理な攻撃を増やすと、スウェーデンの強力な前線に攻撃機会を与えてしまいます。
日本代表としては、無駄なロストを避けながらポゼッションし、相手の攻撃回数を減らし、試合をコントロールすることが重要になります。
- 最優先:負けないこと。引き分け以上で突破を決める
- 次の目標:勝利して1位通過の可能性を高める
- 得失点差:オランダより大きな点差で勝てれば1位通過に近づく
- 注意点:得点を急ぎすぎて無駄なロストを増やさない
- 理想:ポゼッションで相手の攻撃回数を減らし、疑似カウンターで得点を狙う
オランダ対スウェーデン戦の分析|5-1大敗で見えたスウェーデン代表の弱点
スウェーデン代表を分析するうえで重要なのが、オランダ代表との第2戦です。
スウェーデン代表は初戦でチュニジア代表に5-1で勝利しましたが、第2戦ではオランダ代表に1-5で敗れました。
スコアだけを見ると大差の試合ですが、日本代表にとって重要なのは「スウェーデンがなぜ崩れたのか」です。
スウェーデン代表は、初戦のチュニジア代表戦ではイサクとギョケレシュを中心に強烈な縦の攻撃を見せました。しかし、オランダ代表戦ではその強みを十分に出せず、逆にオランダのサイド攻撃、前線の圧力、中央への侵入に苦しむ展開になりました。
- オランダ代表:ブロビー、ガクポを中心に5得点
- スウェーデン代表:エランガの1得点のみ
- 試合展開:オランダが早い時間帯に先制し、スウェーデンの守備プランを崩した
- ポイント:スウェーデンは前に出た後の背後、サイド守備、失点後の修正に課題を見せた
オランダは4-3-3でスウェーデンを左右に揺さぶった
オランダ代表は、基本的に4-3-3をベースに、サイドからスウェーデンの守備を動かしていきました。
特に右サイドでは、SBやWGが幅を取り、スウェーデンのSH・SB・CBの間にズレを作っていました。
スウェーデンは中央に強い選手を揃えていますが、横に動かされると守備ラインと中盤の距離が広がりやすくなります。
オランダはそこを見逃さず、サイドから押し込み、中央へ入ってくる形で得点につなげました。
- サイドで幅を取る:スウェーデンの守備を横に広げる
- SB・WGで前進する:相手SBとSHの間にズレを作る
- 中央へ差し込む:CB前やボランチ脇を使う
- 早い先制点:スウェーデンの守備プランを崩す
スウェーデンは前線の強さを出す前に守備が崩れた
スウェーデン代表の最大の強みは、イサクとギョケレシュを中心とした前線の迫力です。
この2人が前を向くと、ポストプレイ、裏抜け、ドリブル、シュートまで一気に持っていけます。
しかし、オランダ戦では早い時間帯に失点したことで、スウェーデンは本来の形を作る前に試合を追いかける展開になりました。
前に出れば背後を使われ、下がればオランダにボールを持たれる。スウェーデンはその中間をうまく整理できず、守備の距離間が崩れていきました。
スウェーデンは、前線の2枚が怖いチームですが、その2枚に良い形でボールが入らなければ怖さは半減します。
日本代表は、スウェーデンの前線を恐れすぎるよりも、そこにボールを入れさせない守備と、奪った後の疑似カウンターを狙いたいところです。
スウェーデンのサイド攻撃は強みになりにくい
スウェーデン代表は、中央のパワーや前線の個の能力は強力です。
一方で、サイド攻撃で相手を細かく崩す形は、そこまで強いチームではありません。
サイドにボールを出しても、そこからコンビネーションで崩すというより、クロスや早めの縦パスで前線に届ける形になりやすいです。
そのため、日本代表としては、中央で不用意に奪われるより、あえて外へ誘導して守る方が安定する可能性があります。
- 最警戒:イサク、ギョケレシュへの縦パス
- 注意:中央で奪われた後のショートカウンター
- 警戒:早めのクロス、セットプレー、セカンドボール
- 比較的守りやすい形:サイドで持たせて、中央を閉じる守備
オランダ戦で見えたスウェーデン代表の弱点
オランダ戦から見えたスウェーデン代表の弱点は、大きく3つあります。
1つ目は、サイドに振られた時の守備です。
2つ目は、先制された後の守備バランスです。
3つ目は、前線にボールが入らない時の攻撃の単調さです。
弱点1|サイドに振られると守備の距離間が崩れる
スウェーデンは中央の強度が高い一方で、サイドから横に揺さぶられると、守備の距離間が崩れやすくなります。
オランダはサイドで幅を取り、スウェーデンのSHとSBを引き出しながら、CBとボランチの間を狙っていました。
日本代表も、真正面から中央を崩しに行くより、まずサイドにボールを動かして、スウェーデンの中盤と最終ラインを横に動かしたいところです。
左サイドで保持
↓
中央を経由
↓
右サイドへ展開
↓
守備ブロックが横にズレる
↓
逆サイド・ハーフスペース・裏抜けを狙う
弱点2|先制されると前に出て背後を使われる
スウェーデンは先制されると、前線の強さを活かすために、少しずつ前へ出てきます。
しかし、その時に中盤と最終ラインの距離が空くと、背後やハーフスペースを使われやすくなります。
オランダ戦では、早い先制点によってスウェーデンの守備プランが崩れ、前に出たところをさらに突かれました。
日本代表も、まずは無理に大量得点を狙うより、先制点を取ってスウェーデンを前に出させることが重要になります。
弱点3|前線に良い形で入らないと攻撃が単調になる
スウェーデンの攻撃は、イサクとギョケレシュに良い形で入ると非常に怖いです。
しかし、そこまでの配球を止められると、サイドからのクロスや早めの縦パスに頼る形になりやすくなります。
日本代表は、前線の2人を完全に抑え込むというより、そこへ良い状態でボールを入れさせないことを考えたいところです。
スウェーデン戦では、前線の2人を恐れすぎて下がりすぎるより、中盤で配球を制限することが重要です。
日本代表は、中央のパスコースを切りながら、サイドへ誘導して守る形を作りたいところです。
海外メディアの評価から見るスウェーデン戦の注意点
海外メディアの評価を見ると、スウェーデン代表と日本代表の現状がかなり分かりやすく見えてきます。
まず、スウェーデン代表については、オランダ戦の1-5という結果以上に、守備の崩れ方が大きな問題として見られています。
オランダ代表は、ブロビーとガクポを中心に、スウェーデンの守備を何度も破りました。特にブロビーは開始直後からスウェーデンの最終ラインに圧力をかけ、早い時間帯の2得点で試合の流れを一気にオランダへ引き寄せました。
スウェーデンは、前線の破壊力がある一方で、先制された後の守備バランスとサイド対応に大きな不安を残しています。
日本代表は、スウェーデンの前線を恐れすぎるのではなく、相手の守備が崩れる時間帯をどう作るかを考えたいところです。
スウェーデンは若さと未熟さを露呈した
海外メディアでは、スウェーデン代表について「若さ」や「経験不足」が出た試合としても見られています。
スウェーデンは初戦のチュニジア戦では5-1で勝利しましたが、オランダ戦では逆に5失点しました。
これは、単純に守備力が低いというより、試合の流れが悪くなった時にチーム全体で修正する力がまだ十分ではないことを示しているように見えます。
日本代表としては、ここを狙いたいところです。
- 早い時間帯に先制される:守備ブロックを保ちにくくなる
- 前線に急ぎすぎる:中盤と最終ラインの距離が空く
- サイドに振られる:SH・SB・CBの間にズレが生まれる
- 守備が横に動かされる:中央や逆サイドにスペースができる
日本代表は好調に見えるが、完成したわけではない
一方で、日本代表については、海外メディアからかなり高い評価を受けています。
チュニジア戦では、上田綺世が2得点を決め、鎌田大地が早い時間帯に先制点を奪い、伊東純也も得点しました。
久保建英が不在の中で、鎌田大地と伊東純也が攻撃面で存在感を見せたことも評価されています。
ただし、ここで注意したいのは、チュニジア代表がかなり不安定な状態だったことです。
チュニジアは初戦でスウェーデンに大敗し、監督交代直後の状態で日本戦を迎えました。つまり、日本の4-0勝利は素晴らしい結果ですが、それだけで日本代表の攻撃が完成したと見るのは早いでしょう。
日本代表は結果だけを見ると好調ですが、チーム戦術としてはまだ完成していません。
特に、同サイド圧縮から逆サイドへ展開する形、無駄なロストを避けるポゼッション、相手のラインを動かして疑似カウンターを作る形は、スウェーデン戦で改めて問われることになります。
スウェーデン戦で一番怖いのは「日本の空回り」
海外メディアの評価だけを見ると、日本代表はかなり良い流れに見えます。
しかし、ワールドカップでは、1試合の大勝が次の試合の保証になるわけではありません。
むしろ、チュニジア戦でうまくいった感覚のまま、スウェーデン戦で中央に強引なパスを入れたり、無理なシュートやセンタリングを増やしたりすると、スウェーデンの前線に攻撃の機会を与えることになります。
日本代表は、チュニジア戦の勢いを持ち込みながらも、スウェーデン戦ではより冷静に、無駄なロストを避けたポゼッションを行う必要があります。
- 4-0勝利を過信しない:チュニジアは監督交代直後で不安定だった
- 上田綺世の好調を活かす:ただし無理なクロス連発にはしない
- 鎌田大地と伊東純也を活かす:久保不在時の攻撃の軸として重要
- 中央で雑に失わない:スウェーデンの前線に攻撃回数を与えない
- ポゼッションを整理する:支配率ではなく、疑似カウンターの準備として使う
スウェーデン代表監督グレアム・ポッターとは何者か
スウェーデン代表を見るうえで、監督のグレアム・ポッターにも注目する必要があります。
ポッター監督はイングランド人ですが、スウェーデンとの関わりが非常に深い指導者です。
特に有名なのが、スウェーデンのエステルスンドでの成功です。ポッターはエステルスンドを下部リーグから押し上げ、国内カップ優勝、さらにヨーロッパリーグ出場まで導きました。
その後はプレミアリーグでもブライトン、チェルシー、ウェストハムなどを率ちましたが、評価が分かれる時期もありました。
それでも、スウェーデン代表監督としてワールドカップ出場を決めたことで、再び評価を高めています。
- 国籍:イングランド
- スウェーデンとの関係:エステルスンドで長く指揮し、大きな成功を収めた
- 人柄:選手の成長、チーム文化、心理面を重視するタイプ
- 戦術:ポゼッション志向、可変システム、相手に応じた柔軟な配置変更
- 現在の課題:代表チームで細かい戦術を短期間に落とし込めるか
人柄は「人を先に見る」タイプの監督
ポッター監督は、単なる戦術家というより、選手やチーム文化を重視する監督として知られています。
エステルスンド時代には、選手の人間的な成長やチーム全体の一体感を大切にしながら、クラブを大きく成長させました。
この意味では、スウェーデン代表にとってポッター監督は、単に戦術を教える監督ではなく、低迷していたチームに自信を取り戻させる存在でもあります。
スウェーデン代表は、ポッター監督のもとで「もう一度立て直すチーム」としてワールドカップに臨んでいます。
そのため、日本代表はスウェーデンを単なる大柄な2トップのチームとして見るのではなく、試合中に修正してくるチームとして警戒したいところです。
好む戦術はポゼッションと可変システム
ポッター監督の戦術的な特徴は、ポゼッションと可変システムです。
ブライトン時代には、相手に応じてシステムを変えながら、ボールを保持して試合をコントロールするサッカーを目指していました。
また、4バック、3バック、WBを使った形など、試合ごとに配置を変える柔軟性も特徴です。
ただし、クラブチームと代表チームでは事情が違います。
クラブでは日常的に練習できますが、代表では準備期間が限られます。そのため、スウェーデン代表では、ポッター監督の細かいポゼッション戦術を完全に落とし込むよりも、イサクとギョケレシュの2トップを活かす現実的な戦い方が中心になりやすいでしょう。
- ポゼッション:ボールを保持して試合を落ち着かせる
- 可変システム:相手に応じて4バック・3バックを使い分ける
- 守備:中央を閉じ、相手の攻撃方向を制限する
- 攻撃:前線の個を活かしながら、配置で前進する
- 代表での現実:短期間のため、細かい戦術より2トップの破壊力に頼りやすい
ワールドカップでの評価は大きく揺れている
今大会のポッター監督への評価は、大きく揺れています。
初戦のチュニジア戦では、スウェーデンは5-1で快勝しました。
イサクとギョケレシュの2トップが機能し、攻撃面では大きなインパクトを残しました。
しかし、第2戦のオランダ戦では、逆に1-5で大敗しました。
この試合では、スウェーデンの守備の脆さ、サイド対応、先制された後の修正力が大きな課題として見えました。
スウェーデン代表は、良い時は5-1で勝てるチームですが、悪い時は1-5で崩れるチームでもあります。
日本代表は、スウェーデンの前線を恐れすぎるのではなく、ポッター監督が修正しにくい展開を作ることが重要になります。
日本代表が狙うべきポッター対策
ポッター監督は、試合中に修正してくるタイプの監督です。
そのため、日本代表は単純にスウェーデンの2トップだけを警戒するのではなく、ポッター監督がどのように修正してくるかも考える必要があります。
特に注意したいのは、前半の途中や後半開始からの配置変更です。
日本が中央を閉じてスウェーデンをサイドへ誘導できたとしても、ポッター監督が中盤の枚数を増やしたり、エランガやクルセフスキを使ってサイドから前進させたりする可能性があります。
- 早い先制点を狙う:スウェーデンの守備プランを崩す
- 中央を閉じる:イサクとギョケレシュへ良い形で入れさせない
- サイドへ誘導する:細かい崩しよりクロス中心にさせる
- 配置変更に注意する:後半開始や交代後のシステム変更を警戒する
- 無駄なロストを避ける:スウェーデンに攻撃回数を与えない
- 疑似カウンターを狙う:スウェーデンが前に出た瞬間に背後を突く
ポゼッションサッカーの意図とは何か
スウェーデン戦では、日本代表が無駄なロストを避けたポゼッションを行えるかが重要になります。
ただし、ここで言うポゼッションは、黄金期のバルセロナやスペイン代表のように、GKから細かくつないで相手を完全に支配するサッカーではありません。
バルセロナの黄金期では、メッシ以外は浮き球をほとんど使わず、グラウンダーのパスを中心にビルドアップしていました。
世界中のチームがその形を模倣しようとしましたが、同じレベルで再現するのは簡単ではありません。日本代表が目指すべきポゼッションも、バルセロナをそのままコピーすることではないでしょう。
日本代表にとってのポゼッションは、ボールを持つこと自体が目的ではなく、相手の攻撃機会を減らすための手段です。
特にスウェーデン戦では、相手に攻撃の回数を与えないことが重要になります。中央で無理に失うよりも、ボールの失い方を管理しながら疑似カウンターにつなげることが理想です。
無理なプレーは相手に攻撃機会を渡す行為になる
相手陣地での無理なシュート、無理なセンタリング、強引な縦パス、成功確率の低いダイレクトパスは、すべてチャンスに見えるかもしれません。
しかし、失敗すれば相手ボールになります。
これは相手にボールを奪われたというより、自分たちから相手に攻撃の機会を渡しているのに近いプレーです。
特にスウェーデンのように前線に強力な選手がいるチームに対しては、攻撃の回数をプレゼントすること自体が大きなリスクになります。
- 無理なシュート:ブロックされてカウンターを受ける
- 無理なセンタリング:相手CBに跳ね返され、セカンドボールを拾われる
- 強引な縦パス:中央で奪われ、前線へ一気に運ばれる
- 無理なダイレクトパス:味方の準備ができず、相手ボールになる
ボールを下げることは逃げではなくラインコントロールになる
ポゼッションでは、ボールをCBまで下げる場面があります。
この時に重要なのは、ただ後ろに下げて間延びすることではありません。
FWやWGも一緒に少し下がることで、相手のディフェンスラインを前へ引き出すことができます。
相手の最終ラインが上がれば、その背後にはスペースが生まれます。
つまり、CBにボールを下げることは、攻撃をやり直すだけでなく、相手のラインを上げさせて、ライン裏のスペースを作るためのラインコントロールにもなります。
日本がCBへ戻す
↓
FW・WGも少し下がる
↓
スウェーデンのDFラインが押し上がる
↓
ライン裏にスペースが生まれる
↓
上田・前田・伊東・中村・堂安が背後を狙う
日本代表が目指すべきポゼッション
日本代表が目指すべきポゼッションは、相手を完全に押し込んで支配するサッカーではありません。
目的は、相手の守備ブロックを動かしながら、無駄なロストを減らし、相手の攻撃回数を減らすことです。
特にスウェーデン代表は、前線のイサクやギョケレシュに良い形でボールが入ると危険です。
だからこそ、日本代表は中央で雑に失うのではなく、サイド、逆サイド、後方への作り直しを使いながら、相手に良いカウンターの形を作らせないことが大切になります。
- 無駄なロストを避ける:中央で強引に失わない
- 相手の攻撃回数を減らす:不用意にボールを渡さない
- 相手を横に動かす:サイドと逆サイドを使って守備ブロックを動かす
- 作り直しを恐れない:無理なら後方へ戻して攻撃をやり直す
- ライン裏を作る:CBへ戻しながら相手のDFラインを押し上げさせる
- 疑似カウンターを狙う:相手が前に出た瞬間や守備がズレた瞬間に縦へ入れる
- 守備への準備を残す:奪われてもすぐにカウンターを受けない配置を保つ
ポゼッションは疑似カウンターの準備でもある
スウェーデン戦のポゼッションは、ボール保持率を高めるためのものではありません。
ボールを持ちながらスウェーデンの守備を動かし、相手が前に出た瞬間、または横にズレた瞬間に、縦へ速く入れるための準備です。
つまり、日本代表が目指すべきなのは、バルセロナのようにすべてを支配するポゼッションではなく、疑似カウンターを作るためのポゼッションです。
ポゼッションの目的は、相手に攻撃の機会を渡さず、自分たちが良い形で攻撃する準備を整えることです。
スウェーデン戦では、無理なロストを避けながらボールを動かし、相手が動いた瞬間に疑似カウンターを狙う形が理想になります。
日本代表の攻撃はなぜ未完成なのか
ここで、日本代表の現状にも触れておきたいと思います。
日本代表は、距離間がうまく取れない場面があるため、同サイドに人数を集める同サイド圧縮を採用しています。
そして、逆サイドのWGをアイソレーションで待たせる形を作ります。
この狙い自体は悪くありません。
同サイドに相手を集め、逆サイドに広いスペースを作り、そこへ素早く展開できれば大きなチャンスになります。
しかし、問題はそのためのポジショニングがまだ十分に整っていないことです。
逆サイドのWGへ素早く届ける配置ができていない
距離間を保つためには、選手のポジショニングの技術が必要になります。
逆サイドでアイソレーションを行うWGに素早くパスを回すためには、ボール保持者、サポート役、逆サイドへ展開する中継役の位置が整理されていなければなりません。
しかし、現在の日本代表は、その配置がまだ完成しているとは言い切れません。
そのため、同サイドに人数をかけても、逆サイドへ素早く展開できず、攻撃が停滞する場面があります。
- 同サイドに人数を集める:相手を片側に寄せる狙いはある
- 逆サイドWGを待たせる:アイソレーションの形は作れる
- 中継役の位置が不安定:逆サイドへ素早く届ける配置が足りない
- 結果:横展開が遅れ、攻撃が停滞しやすい
本来はチュニジア戦で精度を高めるはずだった
本来であれば、チュニジア戦でこの攻撃の精度を高める必要がありました。
しかし、チュニジア戦では十分に完成度を見せることができませんでした。
2戦を終えた現在、日本代表は好調のように見えるかもしれません。
しかし、チーム戦術の成熟という意味では、すぐにでも足元をすくわれかねない状況とも言えます。
現在の日本代表は結果だけを見ると順調ですが、攻撃の完成度という意味ではまだ未完成です。
特に、同サイド圧縮から逆サイドのWGへ素早く届ける形が整っていないことは、スウェーデン戦以降の大きな課題になります。
日本代表が本来目指している攻撃の形
日本代表が本来目指しているのは、どの高さからでも疑似カウンターを作り、両サイドから攻め込める形です。
高い位置では、WGとWBの渦の動きによって相手DFを消耗させます。
ビルドアップでも、WB、DM、CBが連動して渦の動きを行い、縦のパスコースを作ることが理想になります。
しかし、現状ではその習得度がまだ低く、攻撃の選択肢が限定されているように見えます。
- 高い位置:WGとWBの渦の動きで相手DFを消耗させる
- 中盤:同サイド圧縮から逆サイドのWGへ展開する
- ビルドアップ:WB、DM、CBの渦の動きで縦パスを通す
- 仕上げ:相手がズレた瞬間に疑似カウンターを成立させる
チュニジア戦で見えた縦パスの形
チュニジア戦では、CBが左右に広く開き、中央から縦のボールを入れる形が見られました。
たとえば、田中碧から鎌田大地へ縦パスを入れるような形です。
上田
鎌田 伊東
中村 堂安
田中 佐野
伊藤 板倉 冨安
この形で縦のパスが通っている間は、前にボールを運ぶことができます。
しかし、一度相手にきついマークを付けられると、同じ形だけでは前進できなくなる可能性があります。
そのため、左サイドで言えば、中村敬斗、田中碧、伊藤洋輝が関わる渦の動きが必要になります。
ビルドアップで必要になる渦の動き
ビルドアップで必要になるのは、単にCBを広げることではありません。
左サイドであれば、田中碧がCBの位置に入り、伊藤洋輝がSBの位置に開きます。
中村敬斗は中へズレてDMの位置に入り、鎌田大地がWGの位置から落ちてくる。
このように、それぞれの選手が少しずつ位置を入れ替えながら、相手のマークをズラすことが重要になります。
上田
鎌田 伊東
中村 堂安
伊藤 佐野
田中 板倉 冨安
この形では、SBの位置に上がった伊藤洋輝から鎌田大地へボールを入れ、そこから中村敬斗へ落とすような流れを作ることができます。
また、中村敬斗から鎌田大地、田中碧から佐野海舟や堂安律へ展開する形も考えられます。
つまり、この渦の動きが成立すれば、ビルドアップの選択肢は大きく増えます。
- 伊藤洋輝 → 鎌田大地:外から内へ縦パスを入れる
- 鎌田大地 → 中村敬斗:落としで中央の前向きを作る
- 中村敬斗 → 堂安律:逆サイドへ疑似カウンターを作る
- 田中碧 → 佐野海舟:中央で作り直す
- 田中碧 → 堂安律:逆サイドのシャドー気味の位置へ展開する
逆サイドの堂安律が上がれば疑似カウンターが成立する
さらに重要なのは、逆サイドの堂安律の位置です。
左サイドで渦の動きを作っている間に、右サイドの堂安律が状況を見ながらシャドーの手前まで上がることができれば、疑似カウンターの形が見えてきます。
たとえば、中村敬斗から堂安律へ展開し、そこから伊東純也へつなぐことができれば、相手の守備が横にズレた瞬間を突くことができます。
左サイドの渦の動きで相手を動かし、逆サイドの堂安律から伊東純也へつなげれば、ポゼッションから疑似カウンターを作ることができます。
これが成立すれば、日本代表はボールを持ちながら相手を動かし、相手の守備がズレた瞬間に一気に縦へ入れる攻撃が可能になります。
WB堂安とWG伊東は右サイドの攻守を同時に担う
ただし、パスミスやパスカットを完全になくすことはできません。
そのため、堂安律と伊東純也は、中央から右サイドにかけて疑似カウンターの準備をしながら、同時にカウンターを受ける準備もしておく必要があります。
佐野海舟も右サイド寄りでボールの展開に関わりながら、堂安律や伊東純也のフォローに入ることが重要になります。
パスカットをされて急なトランジションが起きた時は、伊東純也と堂安律のうち戻りやすい方が戻ります。
この時も、ポジションにこだわりすぎるのではなく、戻りやすい選手が先に戻り、もう一方が次の守備位置を取ることで、右サイドでも渦の動きを守備に応用できます。
- 攻撃時:堂安律が内側、伊東純也が外や裏を狙う
- 展開時:佐野海舟が右サイド寄りでサポートする
- ロスト時:戻りやすい方が先に戻り、もう一方が次の守備位置を取る
- 狙い:攻撃の渦の動きを、守備への切り替えにもつなげる
ディフェンシブサードからミドルサードで選択肢を作れるか
日本代表にとって特に重要なのは、ディフェンシブサードからミドルサードにかけてのビルドアップです。
このエリアで渦の動きができなければ、ビルドアップの選択肢が少なくなります。
単純な縦パスだけでは、相手にマークを修正された時に前進できなくなります。
一方で、WB、DM、CBが連動して位置を入れ替えられれば、相手のマークをズラしながら前進することができます。
この渦の動きはかなり万能です。
伊藤洋輝から鎌田大地、中村敬斗から鎌田大地、田中碧から佐野海舟や堂安律といった複数の展開を作ることができます。
- 縦パスだけでは読まれやすい:マークを付けられると前進できない
- 位置を入れ替える必要がある:相手のマークをズラす
- 複数の出口を作れる:鎌田、中村、佐野、堂安へ展開できる
- 疑似カウンターへつながる:相手がズレた瞬間に逆サイドを使える
渦の動きには距離間を保つ技術が必要になる
ただし、この渦の動きを成立させるには、日本代表が最も苦手としている距離間を保ち続ける必要があります。
選手同士が近すぎれば、相手の守備にまとめて捕まります。
逆に遠すぎれば、パスが通らず、サポートも間に合いません。
つまり、渦の動きは単に選手が入れ替わるだけではなく、常に適切な距離を保ちながら、相手のマークをズラす技術が必要になります。
日本代表が勝ち上がるためには、疑似カウンターや渦の動きそのものよりも、それを成立させるための距離間を保てるかが重要になります。
各グループで勝ち抜いている強豪国は、この距離間を保つことができています。
日本代表が大会中に進化するためにも、この部分の改善は欠かせません。
ワールドカップでは大会中の成熟が大きな鍵になる
ワールドカップのような長期大会では、大会前の完成度だけでなく、大会中にチームとしてどれだけ成熟できるかが大きな鍵になります。
1試合ごとに相手が変わり、勝ち点状況が変わり、選手の疲労や怪我の状況も変わります。
その中で、チーム戦術を修正しながら勝ち残れるかどうかが重要になります。
進化するのは日本代表だけではない
大会中に調整と修正を繰り返して進化するのは、日本代表だけではありません。
スウェーデン代表も、オランダ代表にサイドから崩されたことで、日本戦ではサイド守備や守備ブロックの横移動を修正してくる可能性があります。
つまり、日本代表は「オランダがスウェーデンを崩した形」をそのまま使えばよいわけではありません。
相手も修正してくる前提で、その上をいく攻撃の整理が必要になります。
スウェーデン戦で問われるのは、日本代表が相手の修正を上回る形で、渦の動き・ポゼッション・疑似カウンターを使い分けられるかです。
オランダ戦で見えたスウェーデンの弱点は狙い目ですが、ポッター監督が何も修正しないとは考えにくいでしょう。
疑似カウンターに行ける時は速く、無理ならポゼッションへ戻す
日本代表が狙いたいのは、距離間を保ったまま渦の動きでビルドアップを行い、相手のマークをズラして疑似カウンターの形を作ることです。
ただし、すべての攻撃が一気にゴールまでつながるわけではありません。
形が悪い時、縦パスが通らない時、相手の守備が整っている時は、無理に攻め切るのではなく、ポゼッションへ切り替える必要があります。
その時に重要になるのが、ディフェンスラインまでボールを戻して攻撃を作り直す判断です。
これは逃げのバックパスではありません。
CBまでボールを戻し、FWやWGも少し下がることで、相手のディフェンスラインを前に引き出すことができます。
相手のラインが上がれば、その背後にはスペースが生まれます。
そこから再びカウンター、または疑似カウンターを狙うことができます。
- 距離間を保つ
近すぎず遠すぎない配置で、パスコースとサポートを作る。 - 渦の動きでビルドアップする
WB、DM、CBが位置を入れ替え、相手のマークをズラす。 - 疑似カウンターを狙う
相手の守備がズレた瞬間、逆サイドやライン裏へ速く入れる。 - 形が悪ければポゼッションへ切り替える
無理なシュート、クロス、縦パスで相手に攻撃機会を渡さない。 - CBまで戻してラインコントロールする
相手のDFラインを上げさせ、再び背後やサイドを狙う。
R32以降を見据えた成熟が必要になる
スウェーデン戦は、グループステージ突破を決めるための試合です。
しかし、日本代表が本当に問われるのは、その先のラウンド32以降です。
グループステージでは、相手の状態や試合展開によって勝ち点を取れることもあります。
しかし、トーナメントでは、相手も日本代表の特徴を分析し、同サイド圧縮、逆サイドのアイソレーション、疑似カウンターへの対策を用意してくるでしょう。
その時に、渦の動きでビルドアップを作れず、ポゼッションで相手の攻撃回数を減らせず、疑似カウンターにもつなげられなければ、R32を突破すること自体が難しくなります。
日本代表が勝ち上がるためには、攻撃の形を持つだけでなく、形が悪い時に作り直せることが重要です。
疑似カウンターに行ける時は速く、無理ならポゼッションに戻す。この切り替えができるかどうかが、スウェーデン戦だけでなくR32以降の大きな鍵になります。
- 無駄なロストを減らせるか:相手の攻撃回数を減らす
- ポゼッションを整理できるか:ボール保持を疑似カウンターにつなげる
- 同サイド圧縮を使いこなせるか:逆サイドへの展開まで作る
- ラインコントロールできるか:CBへ戻した時に相手のDFラインを上げさせる
- 試合中に修正できるか:前半の課題を後半に改善できるか
スウェーデン戦は、日本代表が勝ち点を取りに行く試合であると同時に、攻撃の未完成さをどこまで修正できるかを見る試合でもあります。
このチーム戦術の遅れが、試合展開にどのように影響するのか。
そこは、かなり重要な見どころになるでしょう。
日本代表とスウェーデン代表のシステム図
ここからは、日本代表とスウェーデン代表の基本配置を整理します。
日本代表は上向き、スウェーデン代表は下向きで見ると、両チームが向かい合う形になり、中央での攻防やサイドへの誘導が分かりやすくなります。
オルセン
クラフス ヒエン リンデロフ グズムンド
クラウソン スヴァンベリ ラーション エランガ
イサク ギョケレ
小川航基
中村敬斗 鎌田大地 堂安律
田中碧 瀬古歩夢
鈴木淳之介 伊藤洋輝 谷口彰悟 菅原由勢
鈴木彩艶
日本代表は中央で無理に奪われるのではなく、スウェーデンをサイドへ誘導し、中央の前線2枚に良い形で入れさせないことが重要です。
そのうえで、ボール保持時には無駄なロストを避け、相手のラインを動かして疑似カウンターを狙いたいところです。
日本代表はスウェーデン戦をどう戦うべきか
ビリーの戦術案としては、スウェーデン戦では疑似カウンターと、無駄なロストを避けたポゼッションを軸にしたいところです。
スウェーデンは前線に強力な選手がいますが、サイド攻撃の組み立てはそこまで強くありません。
そのため、日本代表は無理に中央をこじ開けるのではなく、ボールを保持しながら相手を動かし、奪われてもすぐカウンターを受けない位置で攻撃を作る必要があります。
- 無駄なロストを避ける
中央で強引に縦パスを入れすぎず、失い方を管理する。 - 相手の攻撃回数を減らす
不用意にボールを渡さず、スウェーデンの前線に攻撃機会を与えない。 - ポゼッションで相手を動かす
ボールを持つこと自体が目的ではなく、スウェーデンの守備ブロックを横に動かす。 - CBへの戻しでラインを操作する
FWとWGも下がり、相手のDFラインを上げさせて背後のスペースを作る。 - 疑似カウンターを狙う
相手が前に出た瞬間、または守備が横にズレた瞬間に縦へ速く入れる。 - サイドに誘導して守る
スウェーデンの中央攻撃を消し、サイドからの単調な攻撃にさせる。 - 交代戦術で前線の強度を上げる
前田大然、伊東純也、塩貝、後藤、鈴木唯人らを使い、後半にスピードと高さを足す。
試合展開により、疲労が蓄積していそうな選手を変える。
スウェーデンのサイド攻撃は持たせても怖くない
スウェーデンは中央の前線に入ると非常に怖いですが、サイドで細かく崩す攻撃はそこまで強くありません。
そのため、日本代表は中央を閉じながら、スウェーデンをサイドへ誘導する守備が有効になる可能性があります。
サイドで持たせても、クロス対応とセカンドボール回収を準備できれば、中央で奪われて一気にカウンターを受けるよりはリスクを抑えられます。
- 中央:イサク、ギョケレシュへの縦パスを消す
- サイド:持たせても慌てず、クロス対応を準備する
- セカンドボール:田中碧、瀬古歩夢、佐野海舟で回収する
- 奪った後:中村敬斗、堂安律、前田大然、伊東純也で疑似カウンターへ移る
瀬古歩夢を中心に4CB化・3-4-2-1へ可変する
試合展開によっては、瀬古歩夢を中心に4CB化や3-4-2-1へ可変する形も使いたいところです。
スウェーデンは前線の2人が強いため、守備時にCBの枚数を増やせる形は重要になります。
ただし、最初から守備的になりすぎると、日本がボールを持つ時間を失い、スウェーデンの前線に押し込まれる可能性があります。
そのため、序盤とスウェーデンの圧力が強い時間帯だけ4-2-3-1や5バック、相手陣地では3-4-2-1に変化するのが良いでしょう。
相手陣地では3-4-2-1で無駄なロストを減らす
スウェーデン戦では、いきなり攻撃的に出すぎるより、まずは4-2-3-1で試合を安定させたいところです。
中盤での不用意なロストは、イサクやギョケレシュへのカウンターにつながります。
そのため、田中碧、佐野海舟、瀬古歩夢、鎌田大地らを使いながら、ボールの失い方を管理することが大切です。
序盤は4-2-3-1で距離間を保ち、中央でのロストを減らしながら、疑似カウンターの形を作りたいところです。
小川
中村 堂安
淳之介 菅原
鎌田 田中
伊藤 谷口 瀬古
鈴木彩艶
スウェーデンの前線に押し込まれた時は、瀬古歩夢を最終ライン側に置き、3バック気味にして対応する形も考えられます。
またこのメンバーで疑似カウンターを行う際、菅原がシャドーのいちに入るよりも、田中が縦の位置で移動するか、堂安が中に入り、菅原が上がる方が良いでしょう。
小川
中村 堂安 菅原
淳之介 田中
伊藤
鎌田 谷口 瀬古
鈴木彩艶
堂安と田中、菅原が距離間を保ちつつ、トランジションに警戒する必要があります。
この時距離間を難しく考えるのではなく、変則的な4-2-3-1になったと考えて、田中が右再度全般のスペースを埋めることを考えると単純に考えられます。
そのためこのメンバーで考えるときは4-2-3-1を基本として、3-4-2-1を可変システムとすると準備がしやすくなります。
自らスペースを消して狭く感じるときは、相手陣地で中央を固めた4-3-3でも良い
小川
中村 堂安
鎌田 田中
瀬古
淳之介 伊藤 谷口 菅原
鈴木彩艶
相手FW二人に瀬古、伊藤、谷口が付き、鈴木淳之介と菅原が上下で前をサポートする形。
※瀬古と谷口が入れ替わっても良い。
後半は前田大然と伊東純也で疑似カウンターを強める
後半にスウェーデンが前へ出てきた場合、日本代表は前田大然と伊東純也を使って、疑似カウンターの威力を高めたいところです。
スウェーデンは前に出た時、背後のスペースを消し切れない場面があります。
そこに前田大然や伊東純也のスピードを入れられれば、オランダが突いたような背後のスペースを日本も狙えます。
- 前田大然:背後へのランニングと前線からの守備
- 伊東純也:右サイドからの縦突破とクロス
- 小川航基:相手CBと競る高さ、終盤のターゲット
- 佐野海舟:セカンドボール回収と守備強度
これらはあくまでも想定であるため、試合の流れと疲労でメンバーを代えることになります。
まとめ|スウェーデン戦は疑似カウンターとロスト管理が重要
オランダ対スウェーデン戦を見ると、スウェーデン代表は前線の破壊力がある一方で、サイドに振られた時の守備、先制された後のバランス、前線に良い形で入らない時の攻撃に課題があることが分かります。
日本代表としては、スウェーデンの前線を恐れすぎて下がるのではなく、まずは4-2-3-1で距離間を保ち、無駄なロストを避けながらポゼッションしたいところです。
そして、スウェーデンの守備ブロックを横に動かし、相手が前に出た瞬間に疑似カウンターを狙うことが重要になります。
ビリーの戦術案としては、スウェーデン戦は「ボールを持つ試合」ではなく、疑似カウンターを作るためにボールを持つ試合です。
さらに、ポゼッションによって相手の攻撃回数を減らし、CBへの戻しやFW・WGの下がる動きによって相手のラインを操作できれば、日本代表はより安全にスウェーデンの弱点を突くことができます。
ただし、日本代表の攻撃はまだ完成していません。同サイド圧縮から逆サイドのWGへ素早く展開する形、ボールを下げた時のラインコントロール、大会中にチームとして成熟していく意識は、まだ大きな課題として残っています。
スウェーデン戦は、引き分け以上でトーナメント進出を決められる重要な試合です。
そして、1位通過を狙うなら、オランダとの得失点差や総得点も意識する必要があります。
しかし、得失点差を意識しすぎて試合を壊してしまえば本末転倒です。
だからこそ、日本代表は、無理に攻め急ぐのではなく、相手の攻撃回数を減らすポゼッションと、疑似カウンターを両立させる必要があります。
スウェーデン戦を見る時は、「日本が無駄なロストを避けられるか」「スウェーデンの前線に良い形で入れさせないか」「ポゼッションから疑似カウンターを作れるか」「大会中にチームとして成熟できるか」に注目すると、試合の狙いが分かりやすくなります。