
北中米ワールドカップのグループステージ初戦で、日本代表は強豪オランダ代表と対戦します。 初戦の結果は、チュニジア戦・スウェーデン戦の戦い方にも大きく影響するため、森保ジャパンにとって非常に重要な一戦になります。
この記事では、日本代表がオランダ戦をどのように戦うべきかを、スタメン予想、ビルドアップ、守備ブロック、カウンター、そして試合中の交代戦術から考えていきます。
オランダ戦は、単純にベストメンバーを並べればよい試合ではありません。 相手に押し込まれる時間帯をどう耐えるか、ボールを奪った後にどう前進するか、後半にどのような交代カードを切るかが大きなポイントになります。
- 日本代表がオランダ戦でベストメンバーに近い形を使う理由
- オランダ戦のスタメン予想
- オランダのポジショニングで空きやすい場所
- 日本の左サイドが狙いたいハーフスペース
- 押し込まれた時の4-4-1-1守備ブロック
- 鈴木彩艶のロングパスを活かす考え方
- 3-4-2-1、4-2-3-1、4-3-3への交代戦術
- サッカー日本代表の試合日程
- オランダ戦はベストメンバーで臨む
- オランダ戦のスタメン予想と試合展開
- オランダ戦の基本戦術|高さ別にカウンター攻撃の始め方を整理する
- 前進できない時は4CB化で後方の安全を作る
- カウンターとトランジションとポゼッション
- 日本代表の勝機はオランダの攻撃後に生まれるスペースにある
- 両サイドのWGが左右非対称の動きでマークをずらす
- 偽WBからのシャドー化|同サイド圧縮の進化
- オランダ戦の交代戦術
- まとめ:オランダ戦は大会全体の流れを決める初戦
オランダの戦術分析や交代戦術、各戦術へのリンクが未完成でかなり雑になっていますが、これで一旦完了とします。
オランダ戦が盛り上がるように楽しんで頂ければ幸いです。
森保監督が築きあげてきた日本代表が勝ち進めますように!
サッカー日本代表の試合日程
親善試合
・5月31日(日)19:25〜…日本代表 vs アイスランド(東京:国立競技場)
北中米ワールドカップ(W杯)-グループステージ
・6月15日(月)05:00〜…日本代表 vs オランダ代表(アメリカ:ダラス)
・6月21日(日)13:00〜…日本代表 vs チュニジア代表(メキシコ:モンテレイ)
・6月26日(金)08:00〜…日本代表 vs スウェーデン代表(アメリカ:ダラス)
北中米ワールドカップ(W杯)-ノックアウトステージ
・6月30日(火)02:00〜…日本代表 vs 未定(グループCの1位または2位)
(※ 時間はすべて日本時間)
オランダ戦はベストメンバーで臨む
日本代表が初戦で対戦するのは、強豪国オランダです。
グループステージ初戦から大幅なターンオーバーを行う可能性は低く、基本的にはベストメンバーに近いA+B混成チームで臨むことになるでしょう。
この試合で勝ち点を取れるかどうかによって、チュニジア戦とスウェーデン戦の戦い方は大きく変わります。
勝ち点を取れれば、第2戦以降で一部の主力を休ませる選択肢が出てきます。
一方で、初戦を落とすと、第2戦から勝ち点3を強く求められる難しい状況になります。
オランダ戦は、グループステージ全体の流れを決める試合です。
初戦で勝ち点を取れれば大会運用に余裕が生まれますが、敗れると第2戦以降のメンバー選考がかなり難しくなります。
オランダ代表のメンバーや特徴については、別記事でも整理しています。
▶ オランダ代表の紹介
オランダ戦のスタメン予想と試合展開
この記事は、現時点でのメンバー構成や選手の特徴をもとにした戦術予想です。
実際の起用法は、怪我の状況、コンディション、アイスランド戦での出来、オランダ代表の分析によって大きく変わる可能性があります。
今回のポイントは、DMを佐野海舟ではなく瀬古歩夢にしたことです。
右に堂安律を入れたことで攻撃的になりすぎる可能性を考慮し、4CB化もできる瀬古を採用しました。
スタメン予想1|3-4-2-1でカウンターを狙う
上田綺世
伊東純也 堂安律
中村敬斗 菅原由勢
鎌田大地 瀬古歩夢
伊藤洋輝 板倉滉 渡辺剛
鈴木彩艶
この形では、上田が最前線でポストプレイなどの起点になり、伊東と堂安が2シャドー気味になって攻撃を作ります。
もちろん状況によっては、上田が下がってゼロトップ気味になり、伊東(または前田大然)や堂安が上田を追い越してWG化するなど、多彩な攻撃をする必要もあります。
中村と菅原は、左右の幅を取りながら、守備時にはサイドの戻りも求められる役割です。
ベストメンバーに近いと表現したのは、右サイドを攻撃的な堂安ではなく守備的な菅原にしたことです。
菅原が下がった時に4〜5バックになり、安定したラインコントロールを目指します。
中盤は鎌田と瀬古の組み合わせにすることで、攻撃の組み立てと守備のバランスを両立させる狙いがあります。
最終ラインは伊藤、板倉、渡辺を中心に、オランダの高さやフィジカルに対応する形を想定します。
- 上田のポストプレイを起点にして前線で時間と裏にスペースを作る
- 伊東のスピードでカウンターを狙う
- 堂安、中村が中央とサイドの間で攻撃を作る
- 中村と菅原で左右の幅を確保する
- 鎌田と瀬古で中盤のバランスを取る
オランダがGKから丁寧にビルドアップしてこない場合は、上田を先発にする形が考えやすいです。
上田は前線で起点になれるため、押し込まれた時にもロングボールのターゲットとして使いやすい選手です。
ただし、これでは役割が限定されて、選手それぞれの能力を存分に発揮することが難しくなります。
スタメン予想2|ハイプレス戦術と人海戦術の両立
一般的には1️⃣が採用されると思いますが、2️⃣の配置は、まさに日本代表が行ってきたターンオーバー、交代戦術、両サイドでの人海戦術(渦の動き)、カウンター、システム変更、偽WB、そして4CBなど、カタールW杯以降の集大成と言えるかもしれません。
上田
↱ 前田 伊東 ↰
中村 ↲ ↳ 堂安
鎌田 瀬古
伊藤 板倉 渡辺
鈴木彩艶
※渦の動きの回転方向は任意。
日本代表の基本戦術は、カウンターと両サイドの人海戦術です。
左サイドでは中村と前田、右サイドでは伊東と堂安が両サイドで入れ替わる渦の動きを行い、プレーが切れたら元の配置に戻ることで、相手DFの体力を奪い続けたり、マークの入れ替わりミスを誘発できるかもしれません。
この左右での人海戦術が後半の交代戦術で効果を発揮します。
攻撃では、WBに安定してパスを出せる中村と堂安を配置することで、前田と伊東をWGとして走らせます。
前田と伊東をWGにした場合、WBの中村と堂安がインサイドにも入ってプレイすることを考えれば、十分に攻撃は成り立つでしょう。(後述)
高い位置では鎌田や瀬古が上がってきたら両WBが広がることで、安定したシステムに戻ることができます。
上田
↱ 前田 伊東 ↰
中村 ↲ 鎌田 ↳ 堂安
瀬古
伊藤 板倉 渡辺
このシステムは相手陣地内でポゼッションを行いながら、左右のスペースの空きを作る時に行います。
相手陣地内で左右の人海戦術が行えれば、無駄なロストを避けて相手の体力を減らすことができます。
オランダ戦の基本戦術|高さ別にカウンター攻撃の始め方を整理する
日本代表が狙いたいのは、どの高さからでもカウンターの可能性を残すことです。
ただし、無理に仕掛けてロストを繰り返す必要はありません。高い位置で奪えればショートカウンター、中盤で奪えれば縦へのカウンター、押し込まれた時は前線へ逃がすカウンターを狙います。
そして、カウンターが難しい場合はポゼッションへ切り替え、相手のラインを動かしながら次の疑似カウンターを準備します。
北中米W杯の初戦となるオランダ戦ですが、相当押し込まれることが予想されます。
かなり難しい戦いになるかと思いますが、上手くすれば日本代表が用意したカウンター戦術が噛み合うかもしれません。
日本代表はハイプレス、中盤、押し込まれた状態など、常にカウンターを狙う戦術ですが、無理な仕掛けでボールをロストする必要はありません。
カウンターでの無理な仕掛けを繰り返すことで、押し込まれる時間が長くなる傾向があります。
アタッキングサード|ハイプレスからショートカウンターを狙う
オランダがGKや低い位置からビルドアップをしてくる場合は、ミドルサードの高めを基準としてハイプレスを仕掛けます。
CFWの上田がコースを切り、WGの前田と伊東が両サイドでボールをチェイスし、相手のビルドアップを阻害する方法もあるでしょう。
できる限り長い時間を相手陣地で進めたいところです。
ミドルサード|カウンターからポゼッションに切り替えてロストを減らす
カウンターだけではなく攻撃が難しい場合は、前線からでもボールを下げてポゼッションへと切り替えることで、攻守のリズムを作ることが求められます。
相手陣地内ではワイドプレイとポゼッション
カウンターや速攻を諦めた場合は、相手陣地内で距離間を保ったまま広がるワイドプレイが必要になります。
ワイドプレイは相手陣地内だけに限定して行うことで、ポゼッションへと切り替えます。
たとえ最前線からGKへボールを下げることになっても、無駄なロストを減らす覚悟が必要になります。
全体で下がって疑似カウンター
オランダのプレスによりボールとシステム全体を下げる場合でも、その戻す行為が前田と伊東を活かすための疑似カウンターになります。
最前線からプレスを掛けられた場合、無理に高さを維持するのではなく、あえて全体で下がり、相手のディフェンスラインを上げさせて相手のディフェンスラインをコントロールしたことにします。
背後に空いたスペースを前田、上田、伊東が走り込むことになります。
相手のプレスでも、自分たちのポゼッションでも、全体を下げた時は疑似カウンターを狙うことになります。
相手のラインコントロールの注意点
前田、上田、伊東の3人は常に3人が上がりっぱなしにならないように注意しましょう。
3人が上がり続けると中盤で人が居なくなり重くなるため、ボールとは逆サイドの位置にいる二人が上がることにするなど、決まりを作る必要があります。
ボールが中央のときは上田がポストプレイで下がり、両WGが上がるなど相手のラインコントロールを行います。
前進できない時は4CB化で後方の安全を作る
例えばどうしてもポゼッションできない時、日本代表は距離間を詰めてしまう悪い癖が抜けません。
しかし、4CBと渦の動きが打開策の一つになるかもしれません。
今までの日本代表は前に進めない時間が長いと、両WBが下がって後ろが重くなる(後ろにしか人がいなくなる)傾向があります。
今まではDMの瀬古がCBに入った場合、DMの鎌田が瀬古の位置に入り、数的有利を作ろうとしていました。 しかし、その結果として鎌田がいた元の位置が空いてしまい、そこが相手チームのカウンターの起点になっていました。
上田
前田 伊東
中村 ◯ 鎌田 堂安
伊藤 板倉 瀬古 渡辺
これは、1990年代にビルドアップ時の同サイド圧縮と言われていた戦術に近い形です。完璧な距離間を作っていても、格上相手の正確なプレスに対しては狭くなりすぎてしまい、味方プレスも併発することになりました。
ところが、グアルディオラ監督の作った4CB、偽WBと渦の動きを組み合わせることで、この問題を解決できるかもしれません。
例えば右サイドで瀬古がCBの間に入った時、鎌田が寄るのではなく、渡辺がWBの位置に開いて堂安がインサイドに入ることで中盤での穴を無くし、さらに伊東への縦関係を作ることができます。
上田
前田 伊東
中村 鎌田 瀬古 ←堂安
. ↓
伊藤 板倉 渡辺↗
この4CBと渦の動きを取り入れると、堂安の無理なオーバーラップを減らし、オーバーラップをしないことで生まれるスペースの空きも抑えられます。
DMで同サイド圧縮を行うのではなく、WBのシャドー化で同サイド圧縮を行うイメージです。詳細は後述します。
上田
前田 伊東
中村 鎌田 堂安 ↑
. ⚽️渡辺
伊藤 板倉 瀬古 .
右サイドの伊東はライン裏を狙うか、ポストプレイで堂安か鎌田へ落とし、堂安と鎌田が前を向いて全体を上げます。
堂安に当てた場合は伊東か上田へ、鎌田が上がれば4-2-3-1のシステム変更に近い形になります。
鎌田に当てた場合は、前田、上田、伊東での疑似カウンターの展開を狙います。
特に左サイドの場合がポイントになります。(後述)
ディフェンシブサード|押し込まれた状態でカウンターの出口を作る
オランダ戦では、押し込まれる時間帯も想定する必要があります。
1️⃣の場合は、右サイドの菅原をウイングバックから下げ、5-4-1や4-5-1などの守備陣形も作ることが考えられます。ただし、WBの位置からディフェンスラインまで下がるには時間が掛かります。
しかし2️⃣の場合、4CBとしてかなり安定した形を作れます。
守備時には4-4-1-1に近い形でブロックを作り、ボールを奪ったら上田と伊東を中心にカウンターへ移るイメージです。
上田
伊東
中村 前田 鎌田 堂安
伊藤 板倉 瀬古 渡辺
鈴木彩艶
上田はワントップとしてポストプレイや裏を狙い、ボールサイドとは逆のWG(伊東または前田)がカウンターの中心となってドリブルで相手の隙を突きますが、無理に仕掛け続ける必要はありません。
相手に押し込まれていても、前線に上田と伊東(または前田)を残し、ボールを奪った瞬間に前進する起点にします。
中村と堂安は、ボールを奪った瞬間に幅を取るため広がります。ボールと同サイドのWBはドリブルとパスで前線の2人をサポートし、逆サイドのWBがアイソレーションで3番目のターゲットになれるように前線へ上がります。
3列目の鎌田を中心に、上田と伊東への縦パス、WBへ展開するパスを入れる役割になります。
カウンターとトランジションとポゼッション
後ろでもたつくよりも、前線へ蹴り出して押し上げた状態からプレスを掛ける方が、相手も嫌がるはずです。 また、ハイプレスまで行かなくても中盤からカウンターを狙う方が、日本代表が苦手なビルドアップを避けやすくなります。
4列目は、安定したビルドアップとボールキープのためのポジショニングを取ります。
狭く3CBを作るよりも、DMが間に入ることを想定して広がり、渦の動きを行いたいところです。(前述)
無理につなぐ必要はなく、状況によっては鈴木彩艶のロングパスやDFの前線へのパスに任せても良いでしょう。
前に蹴り出した場合はハイプレスを掛けるなど、チームでの共通意識を設定します。
WBの堂安や中村は、ボールサイドの時はマンツーマンになることが予想されるため、攻守に渡りキーマンになります。
- 4-4-1-1に近い形で守備ブロックを作る
- 上田を前線のターゲットにする
- 伊東をカウンターの中心にする
- 鎌田と瀬古が縦パスの出口を探す
- 無理に後方からつながず、ロングパスも使う
自陣深くからのビルドアップは捨て、ハーフライン付近から勝負する
オランダ戦では、GKを含めた細かいビルドアップにこだわりすぎない方が現実的だと考えます。
GKから丁寧につなぐ形は魅力的ですが、すでにGKを使ったビルドアップを破る守備戦術も多く研究されているため、相手のプレスに引っかかりやすく、失点に直結することになります。
特にシステム変更が苦手な日本代表にとっては、本大会初戦で無理に新しい形を導入するより、安全な選択肢を割り切って選ぶことが重要です。
オランダ戦では、危険を冒して後方からつなぐよりも、鈴木彩艶のロングパスやDFのクリアを活かす方が現実的です。
相手のプレスを受ける場所を自陣深くにしすぎないことがポイントになります。
後方では無理につながず、大きく蹴る選択肢も持ちながら、中盤高めで4-4-2(または4-5-1)の守備陣形を作れる高さからプレスを掛ける方が現実的かもしれません。
日本代表としては、ハーフライン付近から攻撃を作る意識を持ちたいところです。
後方で無理につなぐのではなく、上田やサイドでアイソレーションのポジショニングをするWGに早めにボールを届け、セカンドボールを拾って攻撃につなげる形が考えられます。
日本が押し込まれ続けないためのポイントは、低い位置からのビルドアップはしない、勝負できる場面だけカウンターを仕掛ける、無駄なロストを減らす、相手のプレスを受ける高さを中盤にすることです。
日本代表の勝機はオランダの攻撃後に生まれるスペースにある
オランダ代表は、世界でもトップクラスの選手を揃える強豪国です。
ファン・ダイクを中心とした最終ラインは強力で、単純なクロスやロングボールだけでは簡単に跳ね返されるでしょう。
しかし、強いチームにも必ず隙はあります。
オランダは4-3-3を基本にしながら、相手や試合展開によって4-2-3-1も使うチームです。ビルドアップ時には左SBが中央へ絞り、右のダンフリースが高い位置を取る形が考えられます。
特にオランダのようにサイドバックやボランチが攻撃に関わるチームは、攻撃時にポジションが動くぶん、どこかにスペースが生まれます。
日本代表が狙うべきなのは、オランダの守備が整っている状態ではありません。
オランダが攻撃に移るためにポジションを動かした瞬間です。
日本の勝機は、オランダの守備が崩れるのを待つことではなく、オランダが攻撃のために動いた瞬間のズレを突くことにあります。
🇳🇱 オランダの攻撃パターン|左右で違う怖さ
オランダ代表は、右サイドのダンフリースが高い位置を取る形が大きな特徴です。 右ウイングが内側へ入り、ダンフリースが大外を上がることで、右サイドに厚みを作ります。
この形は非常に強力ですが、当然ながらダンフリースが上がった背後にはスペースが生まれます。 日本から見ると、左サイドの裏です。
ここを中村、伊東、前田のような選手が使えるかがポイントになります。
一方で、オランダは左サイドも強力です。
ガクポが左から中央へ入ってくる形は、得点に直結する怖さがあります。
そのため、日本の右サイドは守備的に構えながら、ガクポのカットインや中央への侵入を警戒する必要があります。
- オランダ右サイド:ダンフリースが高く出て、大外から攻撃に参加する
- オランダ左サイド:ガクポが中へ入り、シュートやラストパスを狙う
- 中央:デ・ヨングを中心に、フラーフェンベルフやラインデルスが攻守のバランスを取る
- 最終ライン:ファン・ダイクを中心に高さと強さがある
🛡️ 日本の守備陣形|右は慎重に、左はカウンターの出口を残す
日本がオランダ相手に勝機を見出すには、まず守備で耐える時間帯を作る必要があります。
右サイドでは、ガクポのカットインや中央への侵入を警戒しながら、菅原や堂安を中心に慎重に対応したいところです。
一方で、左サイドでは中村や前田をカウンターの出口として残せれば、ダンフリースが上がった背後を狙う形が作れます。
⚡ 日本の左サイドがハーフスペースを使えれば勝機が見える
オランダの右サイドは、ダンフリースが高い位置を取ることで大きな攻撃力を持ちます。
しかし、右サイドが高くなるということは、その背後や内側にスペースが生まれるということでもあります。
日本がカウンターで狙いたいのは、単純な大外の裏だけではありません。
中村が大外を走り、その少し内側の左ハーフスペースに伊東、上田、鎌田の誰かが流れる形を作れれば、オランダの守備ラインを横に動かすことができます。
この時に重要なのは、オランダのDFが誰に対応するかです。
大外の選手についていけば、内側のハーフスペースが空きます。
逆に内側を閉じれば、大外の選手が前進できます。 日本はこの二択を相手に迫りたいところです。
上田
前田 伊東
中村◯ 堂安 .
伊藤 瀬古 .
. 鎌田 板倉 渡辺
彩艶
中村から◯の位置(左ハーフスペース)が空くので、そこを起点に中村、鎌田がカウンターを始めるイメージです。
そのためには、前述した右サイドの4CB渦の動きと同様に、伊藤がSBの位置に開き、前田へのパスを意識します。
鎌田はLCBの位置に入り、中村にパスを出せるコースを作ります。
中村や鎌田は、前田、伊東、上田へのパスを狙い、疑似カウンターを常に狙います。
前田、伊東、堂安が開いている場合は、上田が中央に降りてゼロトップの動きからポストプレイを行えば、WGが空いたトップの位置へ走り込むスペースを作れるかもしれません。
試合展開にもよりますが、ここでも無駄なロストは避けたいところです。
日本の勝機は、左サイドの大外だけでなく、その内側にあるハーフスペースを使えるかにあります。
オランダの右サイドが高くなった直後にボールを奪取し、その空いたスペースを起点にできるかがポイントになります。
🎯 まずは相手ディフェンスラインの裏を狙う
オランダの最終ラインは非常に強力です。
ファン・ダイクを中心に、高さ、強さ、カバー能力を持ったDFが揃っています。
そのため日本の単純なセンタリングは、簡単に跳ね返される可能性が高いでしょう。
だからこそ狙いたいのは、相手DFと競り合うボールではなく、相手DFの背後へ走らせるボールです。
特に、オランダのCBを引き出した瞬間を狙います。
押し込まれた時は相手のディフェンスラインが上がっていますが、さらに上田がポストプレイをしに下がります。
その時は、最低でもボールとは逆サイドのWG(伊東や前田)が、上田のいた位置へ走り込む動きが活きます。
. 伊東
前田 上田 .
中村⚽ 堂安 .
伊藤 瀬古 .
. 鎌田 板倉 渡辺
彩艶
WGが裏へ走り、DM(鎌田、瀬古)かWB(中村、堂安)がタイミングよくパスを出せれば、日本にも決定機を作るチャンスが生まれます。
まずはこの攻撃を見せることで、相手のディフェンスラインをコントロールできるようになるでしょう。
日本の勝機は、ファン・ダイクと正面から勝負することではなく、オランダの最終ラインが上下左右に動いた瞬間に、その空いたスペースを狙うことです。
- 左サイド中盤の裏:ダンフリースが上がった背後を中村や前田が狙う
- 左ハーフスペース:大外の中村と内側の◯を同時に使う
- 右ハーフスペース:左SBが動いた後のスペースを堂安や菅原が使う
- 中央の背後:CBが外へ出た瞬間に上田が裏を取る
- セカンドボール:デ・ヨングやフラーフェンベルフが動いた後の中盤で鎌田や瀬古が拾う
- 早いクロス:相手DFが戻り切る前にGKとDFラインの間へ入れる
🔁 左SBが動いた時は、次に空く場所を見る
オランダの左SBが内側や高めの位置を取る場合、その周辺にはスペースが生まれます。 日本から見ると、右サイドの前方やハーフスペースを使える可能性があります。
ただし、オランダがそのスペースをそのまま空けておくとは考えにくいです。
デ・ヨングやフラーフェンベルフが下がって埋める、左CBが外へ広がる、左WGが戻るなど、複数の方法でバランスを取ってくるでしょう。
そのため、日本が狙うべきなのは、最初に空いたスペースだけではありません。 オランダがそのスペースを埋めに来たことで、次にどこが空くのかを見ることが重要です。
- デ・ヨングやフラーフェンベルフが下がる:中盤中央でセカンドボールを拾いやすくなる
- 左CBが外へ出る:CB間が広がり、上田が中央の背後を狙える
- 左WGが戻る:オランダのカウンターの出口が低くなる
両サイドのWGが左右非対称の動きでマークをずらす
左右のWGで重要なのは、攻撃時に左右対称の動きにこだわりすぎないことです。
右WGの伊東は縦への動き、左WGの前田は中村との間に空くスペースを使うことを意識します。
それぞれの状況に合わせて上田も適切な動きを取ることで、相手のマークがずれることを期待します。
偽WBからのシャドー化|同サイド圧縮の進化
ここでWBを中村と堂安にした理由がもう一つあります。
本来、中村や堂安はシャドーができる選手であり、シュートも上手い選手です。
先ほど上記で、このような左サイドのビルドアップを想定しました。
上田
前田 伊東
. 堂安
中村◯ ↖ .
伊藤 瀬古 .
. 鎌田 板倉 渡辺
彩艶
前田や中村にボールが入るタイミングで、偽WBでDM化していた堂安がシャドー付近の位置まで上がることで、後ろにかけていた人数を前にずらします。
前述の逆サイドのDMが寄って行っていた同サイド圧縮を、逆サイドの偽WBが上がることで行います。
中盤以降では、渦の動き「WB(中村、堂安)→DM(鎌田、瀬古)→CB(間に入る)→WB(伊藤、渡辺)」を行い、前田や伊東への縦パスを入れます。そこからDM化した中村(堂安)か瀬古(鎌田)が受けて、疑似カウンターを行います。
さらに逆サイドのWBがシャドー寄りの位置に走り、パスを受けることができれば、前3人(前田、上田、伊東)を活かせるかもしれません。
※堂安が伊東のアイソレーションの邪魔にならない(プレイエリアに入らない)ように、あえて遅れて入っていく選択肢もあります。
自然と遅れるはずですが、無理に入ろうとするとリスクは高くなります。ここぞのタイミングで仕掛けることになるでしょう。
堂安がシャドーに走った場合は、瀬古が右のスペースなどをカバーする必要があるため、全体がボールの位置に合わせて動くことが重要です。
重複しますが、攻撃中は左右で前田と中村、伊東と堂安が入れ替わりの人海戦術を行うことができます。
これら全ては日本代表が今まで行ってきた、かつ、現在できる限りの戦術であり、オランダ代表にカウンターを決める方法を考えた戦術です。
左右非対称で中村と鎌田の攻撃力を活かす
この展開は左右で行うことができますが、左右対称に行う必要はありません。
上田
. 前田 伊東
◯ ↖
中村 鎌田 堂安
伊藤 板倉 瀬古 渡辺
彩艶
対称に行った場合は中村がシャドーの位置に入ることになりますが、瀬古がCBの位置に入り、伊藤と板倉が左に寄ることで中村と鎌田を共存させることもできます。
◯の位置が空いている場合は前田がポストプレイを行い、鎌田(もしくは堂安)が受けて疑似カウンターを狙います。
これらの戦術は、全体の距離間を保てた状況で行うものです。
そのため、やはり鍵は日本代表の苦手な距離間になるでしょう。
オランダ戦の交代戦術
オランダ戦では、試合展開、各選手の体力、相手の状況によって交代選手を変える必要があります。 リードしているのか、追いかけているのか、押し込めているのか、押し込まれているのかによって、切るべきカードは変わります。
- 3-4-2-1を継続して、同じ構造のまま選手の特徴を変える
- 4-2-3-1に変えて、鎌田をトップ下に置く
- 4-3-3に変えて、遠藤航をアンカーとして使う
3-4-2-1を継続するプラン
3-4-2-1を継続する場合は、システムそのものを変えずに、選手の特徴を入れ替える形になります。
たとえば、前田を投入して前線からの守備強度を上げる、鈴木唯人を入れて2シャドーに変化を加える、久保建英を入れて右サイドの攻撃力を高めるといった交代が考えられます。
- 菅原 or 堂安 → 久保
- 前田 → 鈴木唯人
- 伊東 or 堂安 → 菅原
このプランの良いところは、チーム全体の配置を大きく変えずに、前線のスピードや守備強度を変えられることです。 一方で、試合の流れそのものを大きく変えたい場合は、システム変更も必要になるかもしれません。
4-2-3-1にシステム変更するプラン
4-2-3-1に変更する場合は、鎌田をトップ下に置き、伊東と久保を左右に配置する形が考えられます。
上田
伊東 鎌田 久保
田中碧 瀬古
伊藤 板倉 渡辺 菅原
鈴木彩艶
この形では、鎌田が中央で攻撃のつなぎ役になり、伊東と久保が左右から仕掛けます。 中盤は田中と瀬古で支え、守備時には4-4-1-1や4-4-2に近い形へ移行しやすくなります。
4-2-3-1のメリットは、守備時の形が分かりやすいことです。 一方で、両サイドの選手が下がりすぎると、上田が孤立する可能性もあります。 そのため、鎌田がどの高さでボールを受けられるかが重要になります。
4-3-3にシステム変更するプラン
4-3-3に変更する場合は、遠藤航をアンカーとして使う形が考えられます。 遠藤を中盤の底に置くことで、守備の安定感を高めながら、鎌田と瀬古を少し前に出しやすくなります。
上田
伊東 久保
鎌田 瀬古
遠藤
伊藤 板倉 渡辺 菅原
鈴木彩艶
このシステムでは、ミドルサードで遠藤がセンターバックのような位置に下がり、3-4-3、あるいは5-4-1に近い形へ変化できます。
上田
伊東 久保
鎌田 瀬古
伊藤 菅原
板倉 遠藤 渡辺
鈴木彩艶
もちろん、これは理論上の話なので、実際にうまくいくかは分かりません。 ただし、押し込めている状況であれば、鎌田や瀬古が前に上がることで、攻撃に厚みを出せる可能性があります。
アタッキングサードで鎌田が上がった状態
攻撃時に押し込めている状況では、鎌田がアタッキングサードまで上がる形も考えられます。 この状況では、伊東と久保が左右に開くことでアイソレーションを作り、ドリブルで仕掛ける形ができます。
中央には上田と鎌田が入り、クロスのターゲットになります。 サイドで1対1を作りながら、中央にも人数をかける形です。
上田
伊東 鎌田 久保
伊藤 瀬古 菅原
板倉 遠藤 渡辺
押し込むといっても、板倉、遠藤、渡辺はハーフライン付近にいることになります。 状況に応じて、1人がボール回しのために少し前に出る程度になるでしょう。
これはあくまで流れの中でのイメージです。 実際の試合では、相手の配置やボールの位置によって大きく変わります。
オランダ戦の交代を見る時のポイント
交代を見る時は、「誰が入ったか」だけでなく、「チームの形がどう変わったか」に注目すると分かりやすくなります。
- 3-4-2-1を続けるのか
- 4-2-3-1にして鎌田をトップ下に置くのか
- 4-3-3にして遠藤をアンカーに置くのか
- リード時に守備を固める交代なのか
- 追いかける展開で攻撃の枚数を増やす交代なのか
まとめ:オランダ戦は大会全体の流れを決める初戦
オランダ戦は、日本代表にとって非常に重要な初戦です。 ここで勝ち点を取れるかどうかによって、チュニジア戦とスウェーデン戦の戦い方は大きく変わります。
基本的にはベストメンバーに近い形で臨み、守備時は4-4-2や4-4-1-1で耐えながら、ボールを奪った後は上田と伊東を中心にカウンターを狙う形が考えられます。
また、試合展開によっては、3-4-2-1を継続するだけでなく、4-2-3-1や4-3-3へ変化する交代戦術も重要になります。 オランダ相手に勝ち切るためには、先発だけでなく、後半の修正力も問われるでしょう。
オランダ戦を見る時は、スタメンだけでなく「押し込まれた時にどう守るか」「ボールを奪った後に誰へ預けるか」「交代でチームの形が変わるか」に注目すると、森保ジャパンの狙いが見えやすくなります。



