イタリア代表は、FIFAランキング(2024年4月4日)9位で、 UEFA(欧州サッカー連盟)内の順位では7位。
イタリア代表のメンバー
監督
ルチアーノ・スパレッティ
GK
1 ジャンルイジ・ドンナルンマ(パリSG)
12 グリエルモ・ビカーリオ(トッテナム)
26 アレックス・メレト(ナポリ)
DF
2 ジョバンニ・ディ・ロレンツォ(ナポリ)
3 フェデリコ・ディマルコ(インテル)
4 アレッサンドロ・ボンジョルノ(トリノ)
5 リッカルド・カラフィオーリ(ボローニャ)
6 フェデリコ・ガッティ(ユベントス)
13 マッテオ・ダルミアン(インテル)
15 ラウル・ベッラノーバ(トリノ)
17 ジャンルカ・マンチーニ(ローマ)
23 アレッサンドロ・バストーニ(インテル)
24 アンドレア・カンビアーゾ(ユベントス)
MF
7 ダビデ・フラッテージ(インテル)
8 ジョルジーニョ(アーセナル)
10 ロレンツォ・ペッレグリーニ(ローマ)
16 ブライアン・クリスタンテ(ローマ)
18 ニコロ・バレッラ(インテル)
21 ニコロ・ファジョーリ(ユベントス)
FW
9 ジャンルカ・スカマッカ(アタランタ)
11 ジャコモ・ラスパドーリ(ナポリ)
14 フェデリコ・キエーザ(ユベントス)
19 マテオ・レテギ(ジェノア)
20 マッティア・ザッカーニ(ラツィオ)
22 ステファン・エル・シャーラウィ(ローマ)
25 マイケル・フォロルンショ(ベローナ)
【6/16 第1戦】イタリア 対 アルバニア(2-1)
- 対戦相手のアルバニア代表の戦術分析
システム 3-4-3
画面の予想では4-2-3-1だが、実際は3-4-3。
守備時はハイプレス時は4-1-4-1、自陣では4-4-2。
使用戦術
- 改良型カテナチオ(カテナチオ+ハイプレス+ラインコントロール)
ボールの高さによって守備陣形を変える。※後述 - GKからつなげるためのシステム変更とビルドアップ
GKの前に3人が広く並び、3-4-3(3-2-4-1)のシステムを作るタイプ。 - 相手の改良型カテナチオをかいくぐるワイドプレイ
- 相手のラインコントロール
- WGを孤立させるアイソレーション
- どこからでもカウンターを狙う速攻戦術
- 勝ち越してからはポゼッションサッカーへと切り替える
試合展開
開始30秒前、PAへ不用意なスローインから失点する。まるでキックオフをやり直すかのような光景だった。
試合開始直後の得点でアルバニアの気が緩んだのか、マークが甘くなったところでイタリアが得点を挙げた。
【守備戦術】
- 高い位置では4-1-4-1、自陣では4-4-2へとシステム変更をする。
相手がGKからビルドアップを始めるため、ハイプレスを掛けると中盤ががら空きになってしまう。そのための4-1-4-1だと思われる。 - 流れで守備のシステムを変更するのではなく、プレイが切れるごとにボールの高さによってシステムを変更した状態から守備を始める。
- 4-4-2などで左SBがマンツーマンのために上がると、右SHが下がり右SBの位置へ入り、常に4-4-2の形を作り続ける。(俗に言う「つるべの動き」。)
- 勝ち越しているせいかラインコントロールが甘く、間延びし中盤にスペースが空く。
【攻撃戦術】
- ビルドアップ時は左SBが一列上がり、3-4-3(3-2-4-1)の様な状態を作る。
- ボールが右サイドにあると左SB(3番ディマルコ)は最初から高めのポジションなど自由に動く。
- イタリアが勝ち越してからはアルバニアがディフェンスラインを下げるためライン裏へのロングボールが非常に少なく、イタリアはボールの無駄なロストを避けるためにポゼッションサッカーへと切り替えた。
監督の戦術なのか明確ではないが、イタリアは試合状況によって戦術を変えていた。それはビリーも思うのだが、優勝を狙う場合、最小限の体力消費で試合を運ばなければ怪我をしたり、各試合で選手が最高のパフォーマンスを出し切ることが出来ないからだ。
体力消費を抑える戦術と言えば、試合ごとにスタメンを5人以上などを変えるターンオーバーや、試合中に最大5人を交代させる交代戦術、そして今回イタリアが行った「勝ち越した場合はポゼッションサッカーに切り替え、無駄なボールのロストを減らす戦術」である。
ポゼッションサッカーはシュートの回数は減るが、打たれる回数も減らすことで相手の得点機会を減らす戦術でもあるため、本来は「体が小さく器用で体力がある日本人」の特徴にはぴったりである。しかし、ポジショニングが正確でなければ出来ないため、日本代表にとっては実現が難しくなっている。
【6/30 ラウンド16】イタリア 対 スイス(0-2)
- 対戦相手のスイス代表の戦術分析
システム 4-3-3
使用戦術
- 積極的なラインコントロールだが、揃っていない。
- GKからのビルドアップとシステム変更
4CBがお椀型になるタイプ、GKの前に3CBが並ぶタイプ。 - ワイドプレイ
- 相手のラインコントロール
- WGを孤立させるアイソレーション
試合展開
ビルドアップが出来ないためにスイスに一方的に押し込まれ続ける。ドリブル突破が出来た時のみ攻め込むことが出来る。
選手にシステム変更とポジショニングの意識が足りない。
【守備の特徴】
- カテナチオの本家本元のイタリアだが、DFのラインコントロールが揃わない。
またDMの列も揃って上下動出来ないために、ラインコントロールの効果が薄い。 - 前半から早くもライン裏へのスルーパスを恐れ、ラインを下げてしまう。
- 最初からPA前まで下がってしまうため、押し込まれっぱなし。
- ラインコントロールが低い状態からハイプレスを掛けるために間延びしてしまい、スイスが中盤でポストプレイをしやすいエリアを作ってしまうため、相手の脅威になれない。
【攻撃の特徴】
- CBがGKを挟みGA(ゴールエリア)の両サイド、SBがPAよりも外に立つ。
ボールを展開してもSBの上がりが遅い、動き直しが遅く味方と重るため、スイスのプレスを避けることが出来ない。 - 中盤で適切なポジショニングとポストプレイが出来ないために、スイスのプレスを抜けることが出来ない。
- 攻撃時にも選手が後ろへ下がることが多く、そのままボールウォッチャーになるため攻めきる前にミスでボールを失う。
- 後半ワイドプレイの幅を若干狭めた途端にボールが繋がりだす。
どうやらイタリアにワイドプレイは合わなかったようだ。 - グループリーグの時同様に、ワイドプレイになりすぎない距離感を保ち、味方とポジションが重なりながらも積極的にボールを動かすことでビルドアップを成立させたが、2点取られてから目を覚ましても遅すぎた。
グループリーグではかなりキレイなボール回しに見えたが、スイス相手には全く通用しない。
というのも、イタリアの中盤のポジショニングが悪く、ポストプレイと連動してSBの上がりがないために瞬間的にでも数的有利を作れない。
高い位置でも最終ラインでしかボールを回すことが出来ず、ライン裏へボールを放り込むパワープレイのような攻めがやっと。