サッカーの戦術ブログ

サッカー日本代表がW杯ベスト8の壁を打ち破る為の戦術(タクティクス)を分析します!水・土曜日の19時更新目標!

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超攻撃型の守備戦術『改良型カテナチオ』

 現在のカテナチオバイタルエリア手前で待ち、攻めてきた相手を各エリアに追い込む守備戦術だった。

守備のエリア戦術「現代のカテナチオ」とは

 

カテナチオゾーンプレスを合わせた改良型カテナチオ

 堅守速攻の守備戦術と言われるカテナチオだが、最新のトレンドでは『押し上げるラインコントロールゾーンプレス』を組み合わせた、更に攻撃的なカテナチオが存在する。

可変システムで行う改良型カテナチオ

 改良型カテナチオを最もわかりやすい433のシステムで説明する。

  1. カテナチオを作る。
  2. ラインコントロールによりディフェンスラインを上げる。
  3. 全体の高さによりシステムを変更し、数的優位を作り続ける。
  4. 全体でゾーンプレスを掛け続ける守備戦術。

図1.433のシステムでアンカーがCBに加わる

相手の陣地でポゼッションを目指すチームに最適な攻守一体の戦術である。

  • 利点
    ポジションを入れ代わる必要はあるが、全体で走る距離を分担できる。
  • 欠点
    全体が上下する際にディフェンスラインとアンカーでマークの受け渡しや下がるタイミングが難しくなる。

大きなシステム変更無しで行う改良型カテナチオ

攻撃的なSBと言われるWBのシステム352だと、難しいシステム変型を行わずにできる。

図2.352のシステムでWBが上下する

 図2で左側のディフェンス時に両サイドのWBがディフェンスラインに加わるため3~5バックに変型する事になる。

  • 利点
    全体が意識的にシステム変型を行うことがなく、両サイドのWBがより大きく上下するだけで変型することができる。
  • 欠点
    走る距離を両サイドのWBが二人で分担し、攻撃時と守備時の切り替えるポジショニングが難しく、ディフェンスラインの裏が弱くなるもろさもある。

システム変型は数的優位を作る戦術

システム変型をすると数的優位(有利)になる理由を以下の写真で説明する。

図3.W杯ROUND16「アルゼンチン対オーストラリア」
 アルゼンチンの352(3232)でWBのシステム

超攻撃型の守備戦術『改良型カテナチオ

 ラインコントロールゾーンプレスを組み合わせた改良型カテナチオにより高い位置でボールを奪うと、ショートカウンターができるようになる。
そのためカテナチオよりも攻守一体となった堅守超攻撃型の守備戦術と言える。
※中盤以降でボールを奪うのは、カテナチオと同じ。

ゾーンプレスとラインコントロール

 攻撃側は袋小路に追い込まれると自陣のディフェンスラインやキーパーへボールを戻すことになる。
守備側は合わせてラインを上げることになり、さらに押し込むことになる。

カウンターはしづらくなる!?

 押し込みすぎると相手のディフェンスラインの裏が無くなるため、カウンターは成立しづらくなる。
相手によっては自陣でラインコントロールを上げすぎないように調整する必要もある。

相手のカウンターは受けやすくなる!?

 改良型カテナチオはポゼッションに実力差がなければ成立しない戦術でもあるが、一旦押し込めれば数的優位を作りやすいためカウンターの危険は少なくなる。

ただしラインを上げすぎると、自陣のディフェンスラインの裏全てが走り込むスペースとなるため危険と言える。

そのため勝っている状況など試合展開によってディフェンスラインの高さを設定する必要がある。