サッカーの戦術を理解し、適切に指導することは、選手の成長にとって重要です。本記事では、学生や育成指導者が知っておくべき基本的な戦術やトレーニングについて解説します。
年代別のフィジカルトレーニング
選手の年代に応じた適切なフィジカルトレーニングを行うことが重要です。成長期にはゴールデンエイジと呼ばれる年齢ごとに特に育ちやすい能力があります。そのためそのトレーニングを中心に行うと良いでしょう。
▶年齢別のトレーニングとゴールデンエイジとは
またどの年齢にも共通する体調の管理法(コンディショニング)がトレーニング全ての基礎となるため、早いうちからの習得がオススメです。トレーニングの効果を発揮するためには、体調の管理が重要になります。
▶スポーツパフォーマンスを発揮する体調の管理法はボディデザイン講座
幼児〜小学生(6〜12歳)
- 体を動かす楽しさを重視
- 走る、跳ぶ、投げるといった基本動作の習得
※体がどの様に動くのかを早い内から覚える。 - 自重を使った軽いトレーニング
中学生(13〜15歳)
- 柔軟性とバランス感覚を養うトレーニング
- 持久力とスプリント能力を高める
- 軽めの筋力トレーニング(自重スクワット、プランクなど)
高校生以上(16歳〜)
- 競技レベルに応じた筋力トレーニング
- 高強度インターバルトレーニング(HIIT)
- 持久力とスプリント能力の強化
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基礎的なボールを扱う技術
サッカーの基礎となるボールを扱う技術を身につけることは、試合でのパフォーマンス向上に直結します。
▶サッカーのドリブルやリフティング、フェイントなどの個人技
ドリブル
- インサイド・アウトサイドを使い分けたドリブル
- 相手を抜くためのフェイント
- スピードに乗ったドリブルの練習
パス&コントロール
- インサイドキックを使った正確なパス
- トラップの基本(足元・スペースへのトラップ)
- ワンタッチパスの練習
シュート
- インステップキックでのパワーシュート
- インサイドキックでの正確なシュート
- ワンタッチシュートのトレーニング
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よくある複数人で行うドリル
育成指導者が実践しやすい、複数人で行うドリルを紹介します。
ロンド(鳥かご、ボール回し)
スペイン代表やバルセロナは勿論のこと、日本代表も部分的に目指すポゼッションサッカーを習得するにはどうしても重要になる練習法。
- 3対1、4対2などの状況設定
- パス&ムーブの意識を高める
- プレッシャー下でのボールコントロール向上
▲クリックすると動画が読み込まれます。
ポゼッションゲーム
ロンド(鳥かご)の発展形として、フィールドの高さを意識しながらシステム変更を行い、ボールをキープしながら攻め上がる。
- 5対5や6対6でのボールキープ
- スペースの活用を意識する
- トランジション(攻守の切り替え)のスピードアップ
シュートドリル
単純なシュート練習をはじめ、シュートやセンタリングなどバイタルエリアへの侵入からポケットなど戦術的な取り決めを行い、チームとして攻撃のイメージを共有する。
- 2対1のカウンターシュート練習
- クロスに対するシュート練習
- 1対1の決定力向上トレーニング
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ポジショニングの基本
試合での立ち位置や動き方を学ぶことで、チーム全体の戦術理解が深まります。まずは全員がFW、MF、DF、GKなどの基本的なポジショニングから始め、続いて様々なシステム(フォーメーション)でのポジショニングへと続けて覚えると良いでしょう。
ディフェンスのポジショニング
- マークの原則(ゾーンディフェンス vs マンツーマン)
自分のゾーンに入ってきた相手の正面に立ち、1対1の状況を作る。 - パスコースを消す動き(コース切り)
相手とボールの間に入り、1対1の状況から前方向へのパスコースを消す。 - 連携してスペースをカバーする動きと距離間の習得
ボールとは逆サイドの相手を無視し、パスコースを消して数的有利な状況を作る。この時味方との距離間が重要となる。
ミッドフィルダーのポジショニング
- 攻守切り替えの準備(トランジションの意識)
攻撃を組み立てながら数的な守備のバランスを取る。
▶シャビ・アロンソ監督とトランジションの意識
※ここではMFとして攻守の切り替えを意識する。 - 味方とトライアングルを作る連携の意識
常に左右の展開ができるようなポジショニングと体の向き、パスのもらい方と出し方を意識する。 - パスコースを確保するための動き
間に顔を出すことは勿論のこと、味方とマークマンと遠すぎず近すぎない距離間を意識する。
フォワードのポジショニング
- ビルドアップ時のポストプレイ
ビルドアップ時の低い位置で味方が上がる時間を作るため、前線でボールを一時的に扱う動き。 - 大きく裏へ抜けるタイミングやカウンター
相手の高いディフェンスラインから、大きなパスで裏へ抜けてボールを貰うタイミングや動きの習得。 - ディフェンダーの間からボールをもらう
相手チームの間を抜けてくるパス(スルーパス)をもらうタイミングや動きの習得 - ゴール前でのポジション取りと決定力強化
相手を背負った状況や1~複数人にマークされた状態からのシュート。
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戦術を理解するためのポジショニング
戦術を理解することで、試合中の意思決定やプレーの精度が向上します。指導者は選手が戦術的な判断を身につける手助けをすることが重要です。
10歳ぐらいからなら一つずつ教えようとする前に、当サイトを読んでもらうと早いでしょう。
▶サッカーの基本戦術とは
以下で紹介する練習への意識は、全てのポジションを練習する時間と一つのポジションを専門的に行う時間を設けることで、チームが組織として戦術が実行できるように意識しましょう。
守備戦術
- ゾーンディフェンスからマンツーマンへの移行
ラインコントロールを習得するまでは、ワイドプレイ対策にもなるゾーンディフェンスを習得する。
▶ワイドプレイ、ゾーンディフェンスとは - ディフェンスのラインコントロール
まずは全員がラインコントロールの動きを知る事から始める。
▶ラインコントロールとは - 全体でラインコントロール
ラインコントロールは全体で上下することで真の効果を発揮する。
▶カテナチオ、ハイプレス、改良型カテナチオ、真・カテナチオ
攻撃戦術
- スペースを作り出す動き方
相手チームの組織的な守備に対して意図的にスペースを作り出し、ゾーンプレスを抜け出し展開する意識。 - 5レーンの意識
ビルドアップ、サイド攻撃と中央突破の使い分け、味方との距離間、数的有利を作るシステム変更などを意識する。
▶グアルディオラ監督のポジショナルプレーと5レーンとは - ゴールへの意識
ビルドアップからフィニッシュまでのパスワークをチームの共通イメージとして作る。
ビルドアップ
- ディフェンシブサード
後方から数的有利を作り組み立てるため、システム変更のポジショニング。
▶GKからのビルドアップのシステム変更 - ミドルサード
数的優位を作るシステム変更とポジショニング - アタッキングサード
ハイプレスの回避とポゼッションをするパス回しのためのポジショニング
トランジション(攻守の切り替え)
- ボールを失った直後のプレッシング
- 守備から攻撃への素早い切り替え
※ここでは全体で攻守の切り替えを意識する。 - 相手の隙をつく速攻の考え方