なでしこジャパンとの決勝戦以外で、アメリカ代表の試合を見ていないので正確なことは言えないが、アメリカは相当ななでしこ対策をしてきたようだ。
アメリカ代表のなでしこ対策
サッカーは一般的に間延びすると長いパスが増えるため、間に敵も入りやすくなりボールを取られやすくなる。
そのため全体的にまとまって移動しながら、短いパスを多様し、できればパス回数とボールタッチを減らす事が目標である。
アメリカのゾーンプレス対策は間延び
なでしこジャパンは攻守両面で数的優位を作るのだが、アメリカの対策は間延びだった。
アメリカは3人の攻撃陣を前方に配置し、トップ下と呼ばれる普通なら2人ぐらいいそうな中盤を空けた。
なでしこジャパンの守備陣もスペースを空けることになる。
アメリカはその中盤二人分を守備に回し、なでしこのカウンターや数的優位を作らせないようにしたのだった。
間延びは最高のなでしこジャパン対策だった
アメリカの攻撃陣は3人でも体格で勝るため、ポストプレイなど長いパスが一度でも通ればなでしこは簡単にはボールを奪い返せない。
さらにアメリカが間延びをしているということは、パスが通った瞬間にディフェンスに戻る距離が増え、より一層走行距離を増やされることになる。
なでしこジャパンの俊敏性や瞬発力を削ることで攻撃させないこともできる。
選手層が薄く交代戦術を使えないなでしこに対し体格で大きく勝るアメリカ代表は、あえて間延びをすることでなでしこ対策を成立させたのだった。
大会と戦術の相性
決勝までなでしこはアメリカよりも1日休養日が少なく、日程もかなり不利であった。
走行距離が多いなでしこの戦術にとって回復日は一番必要な要素だが、日程ばかりは変えることができない。
体格で劣る日本の組織戦術
正直一試合ならばアメリカに勝つこともできるだろう。戦術的にも技術的にもなでしこは世界で1位だったと思う。
しかし、大会形式では疲労の蓄積は無視することができない。
全てを尽くしたなでしこジャパン
日本人にとって淘汰された戦術と見事な試合運び、そして不利な日程などの要素があっても準優勝までこぎつけたのだから、ものすごい結果だ。
しかしこれでも批判する人がいることに驚く。
これだけの実績を残した選手たちの何を批判するのだろうか。