大きな大会では前試合からいかに修正が出来るかでチームが変わる。U-23日本代表はラインコントロールとポゼッションサッカー、疑似カウンターの正確性を上げられるだろうか。
【パリ五輪 サッカー男子】U-23日本代表の戦術を分析
男子サッカーの試合で審判団が珍しく全員女性。
日本代表のスタメン 攻撃4-3-3、守備4-4-2
細谷
斎藤 山田
荒木 山本
藤田
大畑 西尾 高井 関根
攻撃戦術
- 【ディフェンシブサード】
速攻が潰された時は藤田譲瑠チマが中心となりGKからしっかりとビルドアップ行う。 - 【ミドルサード】
藤田譲瑠チマからポストプレイ役のターゲットが3人ほどおり、素早く展開することで相手を押し込む。 - 【アタッキングサード】
無駄なボールのロストを避けたポゼッションも目指す。
守備戦術
- 第1戦からラインコントロールを修正し細かい上下を行うが、試合開始15分程度からか、マリ代表のFWと一緒に下がり出してしまう。
マリ代表のスタメン
攻撃戦術
GKからしっかりとビルドアップする日本代表に対し、マリ代表は堅守速攻速攻を目指す。マリ代表はシュートとセンタリングを単純に行うことでシュート回数を増やす。
- 【ディフェンシブサード】
GKから正確にビルドアップも行うが、中盤の選手に素早く出し、早い縦へのパスから一気に上ることを目指す。
ドイツのライプツィヒのような速攻を目指している様に見える。 - 【ミドルサード】
ゾーンプレスを掛ける日本代表に対し、一人一人がポストプレイとして強いためキープしてラインの裏へ早くつなげる。
まるでフランスA代表のようにつなげると思ったら、マリ代表のほぼ全選手がフランス出身だそうだ。そりゃ強いわけだ。 - 【アタッキングサード】
ラインの裏への単純なパスを増やし、シンプルに枠内のシュートを増やすことを目指す。
守備戦術
- 細かいラインコントロールの上下は見られないが、乱れることがない。
シンプリに縦を目指すパスが回せるのは、ディフェンスラインが安定しているからのようだ。
試合展開
グループリーグ第1戦から連携が見違えたU-23日本代表。
試合中に味方同士の距離が近くなりすぎるシーンが幾つもあったが、ボールの展開とともにすぐに修正し、ワイドプレイに近い状況に修正していた。
ビルドアップ
完全なワイドプレイではないが藤田譲瑠チマがANC(アンカー)としてディフェンスラインから展開し、ポストプレイのターゲットが2~3人いることでビルドアップが機能している。
中盤でのポストプレイと前三人の役割
CFWが相手ディフェンスラインに入っているのなら両WGのボールサイドがビルドアップへ、両WGが相手ディフェンスラインに入っているのなら、中盤でCFWがビルドアップに加わりポストプレイを行い、中盤で数的有利を作る。
試合を見た感想
シュートへのパスが通らないのは、1本のパスを我慢することが出来ずに雑になることがあるからだろうか。
身体能力の強さからシュートの撃ち合いになると勝てないと判断し、もう少し相手陣地内でポゼッションサッカーを選択し、枠内へのシュートを増やした方が良かった気もする。
次の試合までの課題
- ラインコントロールは全体で上下する、できれば基本を「4-4-2のカテナチオ」から「3-4-1とマンツーマン2人の守備戦術」に昇華させたい。
※マンツーマン二人とは、ボールホルダーに近い人、キーマンへ付く人が一人ずつの状態。 - ミドルサードでの距離間は一定にする必要が無いため、狭く、広くを交互に行っても相手はゾーンプレスをしにくくなる。
また中盤でのワイドプレイは、無理にダイレクトプレイをすることがあるので、落ち着いて持って良い。 - ボールウォッチャーにならないための動き直しを確認する。
CFWと両WGが相手のディフェンスラインへほぼ入りっぱなしになるので、CFか両WG二人のどちらか、もしくは1~2人に変え、必ず1人はビルドアップに加わることで数的有利を作る。
ボールサイドがビルドアップに加わるのか、前に立つのか、入れ替わるのか、ポストプレイをするのかなどを決めること。 - 前線でボールのロストを避けるためのポゼッションへの切り替えと、相手のディフェンスラインをコントロールし上下させながら裏のスペースを作り、疑似カウンター。
- 流れからCBやSBが上がり後ろが足りなくなった場合は、WG(SH)やDMがDFのポジションへ入ること。
下がるポジションチェンジもしっかりと行うように。