サッカー日本代表がベスト8以上を目指すのであればグループリーグから効率的に勝利する必要があり、戦術にはバリエーションが必要となる。ここで言うバリエーションとは「常に相手の弱点を攻め、自分たちの得意な形に持ち込む戦術」のことだ。
6月の2試合は格下とも言える相手だが、日本代表が今後必要となる戦術を全て試さねばならない重要な試合である。
目指す戦術に近づいている日本代表が今回行うべき戦術とは
恐らく押し込み続ける試合展開を予想し、優先順位を作ってみた。日本代表は押し込める状況でも意図的にディフェンスラインを下げ、戦術の確認を行うべきだろう。
今現在の日本代表は、体格では世界に、足元の技術は南米に、戦術では欧州(と南米)に負けており、日本代表が欧州に勝てても南米に勝てない理由は「足元の技術と戦術の両方で負けているから」だが、ベスト8以上に入るためにはどこかで上回る必要がある。
①あらゆる高さからカウンターを狙う戦術
前回の2023年アジア杯では戦術がゼロに近いほど退化してしまったが、その乱れた戦術を戻すことから始める。
W杯のベスト8を狙うことを考えると、やはり体格や技術で明らかに劣る日本代表は、ハイプレスを基本としたカウンターサッカーが良い。
相手からボールを奪った瞬間、どの高さからも素早くカウンターを行いシュートへとつなげるのだ。
南米や欧州を上回れる一瞬の機会こそがカウンターだろう。
②アタッキングサードでのシステム変更(疑似カウンターの進化)
格下から同格相手に押し込んだ状態で行う『疑似カウンター』をさらに進化させ、これを日本代表の攻撃戦術の最終形態とする。
左右にボールを振り分けることで相手DFラインを左右に広げ、中央のスペースが広がれば仕掛けられようになる。
中央での攻撃ができるようになれば今まで日本代表の「得点を挙げられないCF(センターフォワード)」が解消されることになるだろう。
そもそも世界レベルで得点を挙げられたらどこの国も苦労はしないのだが・・・(¯。¯;)ブツブツ
【参考】疑似カウンターとは
③ミドルサードでビルドアップのシステム変更
これらはカタールW杯からアジア杯以前まで積み上げた戦術である。
そこに加えて今回はポジショニングの精度を上げることが目標となり、特にミドルサードではMFとDFのポジショニングが重要となる。
【攻撃戦術の要素】
ラインコントロール、偽SB、DMのポジショニング、疑似カウンター、相手ディフェンスラインのコントロール
④ディフェンシブサードでビルドアップのシステム変更
全選手のポジショニングが重要だが、特にディフェンスラインとDMのポジショニングが重要となる。
日本がビルドアップのためのシステム変更ができない理由は、DFのボールタッチの技術やフィジカルで負けており、何よりも連携するべきポジショニングが取れないため。
仮に日本代表がこのシステム変更を使わないとしても、組織でベスト8以上を目指すのであれば、各選手には格下や同格相手だけにでも、このシステム変更ができるほどのポジショニング能力が必要となる。
【参考】GK(ディフェンシブサード)からのビルドアップ
※本来GKからビルドアップを始める際は④→③→②の順にシステム変更を行うのだが、今回は格下が相手なので優先順位をこのように設定した。
選手の戦術に対する理解が低い!?適応能力が足りない
戦術の理解度が最も表れやすい技術が、システム変更や味方と入れ替わる際に各選手に必要となるポジショニングだろう。
ポジショニングは「4231から433などいる場所が変わるだけ」、「流れで味方と入れ替わるだけ」と思うかもしれない。しかし実際は自分のマークを引き連れながら行い、常にボールが動く流動的な状態の中で行う技術だ。
日本代表選手たちは、所属するチームで周りのポジショニングが上手い選手たちにより修正されるのだが、日本代表選手のみとなると修正できる選手がいなくなるのだ。
今回の代表戦では勝つことが当然であり、日本代表が今後どのような戦術で最終予選に進めるのかを決める大事な試合となる。
仮にWGやSHがドリブルで仕掛けて単純に得点を挙げたとしても、決して楽観は出来ない。
日本はサッカー後進国なのだから。
【2024年6月W杯2次予選】