サッカーの戦術ブログ

 オフサイドのルール変更とともに進化するサッカーの戦術(タクティクス)を分析します。水・土曜日の更新を目指しています!

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【12月5日】ベスト16 イングランド対セネガル

イングランドは世界ランキング5位。 ビリーの世代ではイングランドと言えばベッカムなのだが、もう居ない。 驚異の得点力を誇り、予選のグループリーグではスペインと並び3試合で9点。 全ポジションとも安定感を誇り、どのポジションも穴が無い。

セネガルは世界ランキング18位。 セネガルはキーパーからつなぐことがなく、最初から大きく蹴り上げてルーズボールを拾ってから攻めるまるで小学校低学年や体育でよく見る珍しいスタイル。 時折パスを繋ぐが縦へのパスが多く、そこから無理やりドリブルで進み続ける。 「前に前に」のスタイルは良く言えばドイツの『ライプツィヒ』のようだが、あまりにも単純。 これだけで世界ランキング18位とは恐ろしい。

総合力のイングランド、圧倒的身体能力のセネガル

解説の山本昌邦氏は「トーナメント緒戦がどれだけ難しいか監督は知っていると思います。」というが、この手の人はいつでも難しいという。 まるでボジョレーヌーボーの「今年は過去一番の出来」などバリエーション豊かな褒める表現に近い。

前半の戦い「組織と個の戦い!?」

グループリーグでセネガルの試合を見る余裕が無かったのでこの試合で初めて見る。 イングランドセネガルのディフェンスラインの穴をつき2得点を挙げた。

マークが外れてよく穴があくなぁと思っていたが、解説によるとセネガルはグループリーグで鉄壁のディフェンスを誇っていたそうだ。

4試合目でようやくミスをしたぐらいらしいが、イングランドはそこを見逃さなかった。

イングランドの戦術

【オフェンス】 出ている選手の特徴を活かそうとするヨーロッパ特有のトータルフットボールで、サイドから展開して中央も様子を見ながら攻めていく。 無理な攻めよりも、一度下げて攻めを作り直す最近のヨーロッパのスタイル。

前半セネガルからボールを奪えない時間帯もあったが、動揺することもなくただひたすら自分たちのサッカーを貫き通した。

【ディフェンス】 ラインコントロールからプレスを掛けるが、ゾーンプレスというほどではない。 しかし穴が無く、ゾーンディフェンスからマンツーマンへの切り替えが絶妙。

セネガルの戦術

【オフェンス】 セネガルはまるで「猪突猛進」が似合うようなアフリカ人特有の個人で打開し続けるスタイル。 イングランドの選手を相手にしても全く当たり負けしないどころか押し返す強さを持つ。 体の強さ、瞬発力、体力…とどれを見ても異常に高く、スポーツ界がアフリカを発達させたくない理由が何となく分かる。

中盤はパスでつなぐ文化が無いのか、ボールが来ないと後ろの選手以外はほぼ全員がボールウォッチャーになる。

【ディフェンス】 ラインコントロールからプレスを掛ける改良型カテナチオに見えるが、そうでもない。 1対1が長引いた結果としてゾーンプレスになっているだけで、あくまでも個人の能力でプレスを掛けている。

後半の戦い

セネガルは前半改良型カテナチオ(ラインコントロールからゾーンプレス)で体力を消耗したのか、攻守において足が止まる。

スペインと比較すると分かり易いが、イングランドはカナダ同様に選手間の距離を広くとり、グランドいっぱいでポゼッションをする。 恐らくこれがゾーンプレス対策なのだろう。

ゾーンプレス対策

グループリーグを見る限り、両国ともラインコントロールを行うと中央の狭い領域でプレスを掛け合う試合を幾つか見た。

しかし押し込まれたりプレスに勝てないと判断した場合、ラインを思い切って引き、グラウンドいっぱいに開いてポゼッションをするようだ。

これだと敵味方とも選手間の距離があまりにも広いために、数的優位が発生しない。 常にマンツーマンが基本であり、敵のディフェンスは必ず残っている。 さらに味方はキーパーが居る分人数が優利になるのだ。

ジリ貧になることもあるが、ラインの裏をつくカウンターが成立しやすいことも確かである。

抜群に安定しているイングランド

爆発力は感じないのだが、日本で言えば「長友はボールタッチが雑だな…」といったことが無く、どのポジションも抜群に安定している。

選手が全員同じ顔に見えるビリーからすると、あまりにも全員のボールタッチが滑らかなので、ポジションを入れ替わってもボールタッチに全く分からない。

もしや日本の爆発力は…

もしかしたら日本のスピードスターたちに爆発力を感じるのは、スピード的なプレイ以外下手だからだろうか…

試合は穴を突いたイングランドが3-0で勝利。